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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 8G  位置情報システム(2)
日時: 2014年7月11日(金) 11:00 - 12:40
部屋: 葵
座長: 望月 理香 (NTTサービスエボリューション研究所)

8G-1 (時間: 11:00 - 11:20)
題名Linked Open Dataによる店舗POIの公開と活用手法の提案
著者*一円 真治, 梶 克彦 (名古屋大学大学院工学研究科), 廣井 慧 (名古屋大学未来社会創造機構), 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1930 - 1938
KeywordPOI, Linked Open Data, 位置情報
Abstract近年,飲食店・観光地といったPOI(Point Of Interest)の情報を検索可能なサービスが多く提供されている. 得られたPOIの情報は,ユーザは今後の行動を決定する上で重要な要素であると考える. しかし,FoursquareのようなPOI検索サービスには,各サービスが提供している方法でしか検索できなく,ユーザが欲しい情報を取得できないという問題点がある. 本研究ではこの問題点に対し,ユーザの状況に応じた多様な検索クエリによる自由な検索を実現するため,複数の評価軸で店舗POI検索を可能にする店舗情報活用プラットフォームを提案する. データ構造に拡張性を持たせるため,データ共有技術であるLOD(Linked Open Data)を本プラットフォームのDBに適応する. ユーザニーズにあった検索タグを選んでいくことで検索ストーリを自由に作り,それを元にLODのクエリ言語であるSPARQLを自動生成する. 今回,SPARQLを自動生成する手法の評価のため,名古屋駅地下街の店舗に対しを用いて本プラットフォームのDBを構築し, 検索内容に対してSPARQLを自動生成したところ,適切な情報を取得できることを確認した.

8G-2 (時間: 11:20 - 11:40)
題名Evaluation of Area Detection Method Using Machine Learning
著者*肥田 一生 (富士通研究所 ヒューマンソリューション研究部), 陳 彬, 羽田 芳朗 (富士通研究所 ヒューマンインタラクション研究部), 森 信一郎 (富士通研究所 ヒューマンソリューション研究部)
Pagepp. 1939 - 1946
Keyword無線LAN, 測位, 機械学習
Abstract通信インフラとして広く普及している無線LANを用いた測位技術は、新たなインフラ設置の必要性が低いため、数多く提案されている。機械学習技術による無線LAN屋内測位は、マルチパスの影響による精度劣化が発生しにくいという特徴を持つ。本論では、機械学習技術であるパタン認識、確率分布、NNの三種類を用いた場合の測位性能を比較評価することで、各方式による測位性能の特徴を明確化する。測位性能を示す指標はエリア正解率、処理時間、メモリ使用量とする。 評価した結果、エリア正解率はパタン認識と確率分布が非常に大きいことがわかった。ただし確率分布は電波環境が類似しているような場所であるとエリア正解率が低下することがわかった。また、パタン認識の方が長い処理時間で多くのメモリを使用することがわかった。以上から、パタン認識と確率分布は、マシン要求性能と測位する場所の電波環境から使い分けることが良いことがわかった。

8G-3 (時間: 11:40 - 12:00)
題名Study of Low-Power Indoor/Outdoor Seamless Positioning System
著者*花田 雄一, 肥田 一生, 森 信一郎 (株式会社富士通研究所)
Pagepp. 1947 - 1954
Keyword測位, 無線LAN, GPS
Abstract近年、スマートフォンの普及により位置情報を用いたサービスが急速に拡大しており、屋外のみならず商業施設など屋内でのサービスも開始している。屋外における測位技術としては主にGPSが用いられており、屋内における測位技術としては無線LANやIMES、音波や可視光通信など多岐にわたって研究開発が進められている。そんな中、屋外と屋内をシームレスに測位する技術の研究開発が行われており、屋内外を意識することなく位置がわかる時代が近づきつつある。屋内外シームレス測位の課題の一つとして、屋内と屋外の使用技術の違いによる切り替えの難しさが挙げられる。また、屋内と屋外で同じ技術を利用する研究開発も行われているが、例えば無線LANを用いた測位では、測位の対象となるエリア内の無線LANの観測データを事前に取得(学習)しておかなければならず、屋外となるとエリアが広すぎるため、実現が困難であった。そこで我々は、屋外におけるデータ収集をGPSによる位置情報と観測データとを紐づけ自動で収集することで屋内外における無線LAN測位を実現する。今回、学習データ量と精度の関係を明らかにし、そこから得た知見と今後の課題を報告する。

8G-4 (時間: 12:00 - 12:20)
題名Indoor Pedestrian Navigation System Combining Spatially Continuous and Discrete Location Information
著者花田 雄一, 藤本 純也, *沢田 健介, 羽田 芳朗, 森 信一郎 (株式会社富士通研究所)
Pagepp. 1955 - 1964
Keyword屋内測位, 無線LAN測位, 歩行者自律航法, ハイブリッド測位
AbstractIn this paper, a new positioning method which can suppress the increase in location estimation error margin is proposed.In the proposal method,the output of a spatially continuous location information and a spatially discrete location information are combined to achieve an accurate and robustness positioning system.By combining of these different kind of positioning methods,it is thought that the system can provide an accurate position information seamlessly.The particle filter is deployed to combine the several kind of positioning method.For the weighting process at the particle filter, suitable weighting algorithm for each positioning method are given.To show the effect of the proposal method, the results of two experimental studies in an office and an exhibition hall are shown.

8G-5 (時間: 12:20 - 12:40)
題名モバイル端末が創出する位置情報の利用に対するユーザー意識の質的調査
著者*加藤 宗肖, 伊藤 昌毅 (東京大学生産技術研究所), 清水 亮 (東京大学大学院新領域創成科学研究科), 木實 新一 (東京大学空間情報科学研究センター), 瀬崎 薫 (東京大学生産技術研究所)
Pagepp. 1965 - 1972
Keywordプライバシー, ビッグデータ, 位置情報, モバイル端末, 質的調査
Abstractモバイル端末の普及に伴い,端末が創出する位置情報に関連したデータの利活用がさまざまな分野で行われつつある.しかし,それらのデータの利活用にあたってプライバシー問題が噴出する事例もある.そこで本稿ではそうしたプライバシー問題の解決・防止および,位置情報を提供する端末ユーザーの意識を理解するため,半構造化インタビュー手法を用いた質的調査を行った.インタビュー分析の結果,位置情報の利活用に関する意識を類型化できた.またサービス事業者とユーザーの間に,一方的な権力構造の発生を確認した.サービスの利便性への服従から,ユーザーはパーソナルデータの利活用への不満を持ちつつも事業者に対して抵抗する意思を失う.したがってWestinによって提案された人々のプライバシー意識の3分類,「プライバシー原理主義者」「実用主義者」「無関心」に加え,「諦め」の4分類目を示唆できた.強権者たる企業などは社会的利益の追求視点に立ったパターナリズムに陥ることなく,ユーザーの倫理観の多様性を認め,契約や倫理のフィールドにおいて真摯な態度を示すことが,ユーザーと利活用主体間における軋轢の予防・解消に求められると考えられる.