(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 7F  ネットワークコンテンツ
日時: 2014年7月11日(金) 9:00 - 10:40
部屋: 末広
座長: 水野 慎士 (愛知工業大学)

7F-1 (時間: 9:00 - 9:20)
題名食材の偏りと調理法に基づくレパートリー拡大のためのレシピ推薦システムの提案
著者*中岡 義貴, 佐藤 哲司 (筑波大学大学院図書館情報メディア研究科)
Pagepp. 1653 - 1660
Keywordレシピ推薦, レパートリー拡大, 食材, 調理法
Abstract豊富なレシピと多様な検索を備えたレシピサイトの登場によって,ユーザは日常的にレシピサイトを利用するようになってきた.本研究では,ユーザの調理経験を漸増的に増やすレパートリー拡大のためのレシピ推薦法を提案する.レシピに出現する食材と調理手順に含まれる調理法の出現頻度,およびそれらの関係性を分析し,調理者の負担が少ない,未経験の食材と調理法を含むレシピを優先的に推薦する.これにより,調理経験が少なくレパートリーが限られるユーザから,レパートリーの幅が広いユーザまで,個々のユーザの調理経験に基づいて無理なくレパートリーを拡大できるレシピの推薦を実現する.大規模なレシピ共有・検索サイトのデータを用いて,提案法を実装した評価用システムを用いた評価結果についても報告する.

7F-2 (時間: 9:20 - 9:40)
題名情報表示端末における検索エンジンを利用した視聴者の嗜好情報に基づくコンテンツ選択手法の提案
著者*西本 翔 (広島市立大学大学院 情報科学研究科), 井上 博之 (広島市立大学大学院 情報科学研究科/情報通信研究機構)
Pagepp. 1661 - 1666
Keywordコンテンツ選択, 検索エンジン, デジタルサイネージ, コンテキストアウェア
Abstract次世代の広告媒体として注目されているデジタルサイネージのような情報表示端末では,時間帯や設置場所だけでなく,その周辺で検出された視聴者に関する情報に基づいたコンテンツの切り替えが動的に行える.例えば,視聴者の嗜好情報を利用することで,それに応じたコンテンツの切り替えができ,個人向けのターゲット広告が容易に実現できる.しかし,視聴者が嗜好情報として任意の言葉を設定した場合,嗜好情報とコンテンツのメタ情報は単純な単語同士の一致検出ではマッチングを行うことができず,視聴者の嗜好に応じたコンテンツ選択が的確に行われないという問題がある. そこで本論文では,検索エンジンを利用することにより嗜好情報とコンテンツのメタ情報の関連度の数値化を行い,両者のマッチングをすることでコンテンツを選択する手法を提案し,提案に基づくプロトタイプシステムの設計を行った.プロトタイプシステムを用いることで,嗜好に応じたコンテンツ選択が可能であると確認できた.また,実際の環境を想定した場合,情報表示端末周辺の視聴者は複数存在することが考えられる.そこで視聴者が複数存在した場合の,動作の検証を行い,同様にコンテンツ選択が可能であることを確認した.

7F-3 (時間: 9:40 - 10:00)
題名マイクロブログを利用したローカルコンテンツの選択のためのキーワード抽出機構
著者*伊達 友裕 (広島市立大学大学院 情報科学研究科), 井上 博之 (広島市立大学大学院 情報科学研究科/情報通信研究機構)
Pagepp. 1667 - 1673
Keywordデジタルサイネージ, テキストマイニング, マイクロブログ, コンテンツ配信
Abstract情報表示端末に対して広告効果の高いコンテンツを配信するには,コンテンツにあらかじめ付与されているメタ情報をもとに周辺環境に合わせたコンテンツを選択する必要がある.ある地域に設置されている情報表示端末は,その地域に依存したコンテンツを配信することで広告効果の向上が期待でき,また地域活性化に有効である.しかし,一般にコンテンツのメタ情報だけでは地域に依存したコンテンツを選択することは難しく,メタ情報とマッチングできるような指標が必要である. そこで本研究では,有効なコンテンツ選択を行えるような,地域の情報を反映したキーワードを抽出する手法を提案する.地域の情報が反映されている媒体としてWebで提供されているイベント情報を利用する.イベント情報に関連するキーワードを抽出するためにマイクロブログでの多数の発言を利用し,人々の嗜好が反映されているキーワードに優先度を付与する.具体的には,イベント情報の記述をもとに,発言の中に出現した単語を出現数とtf-idf法を用いた優先度を算出し,それをキーワードとして用いる.評価として,ROUGE-LスコアからF値を算出することで,イベント情報を表すキーワードが適切に抽出されていることを確認した.

7F-4 (時間: 10:00 - 10:20)
題名食事エージェントを利用した発想支援の検討
著者*劉 蕊, 塩原 拓人, 井上 智雄 (筑波大学)
Pagepp. 1674 - 1679
Keyword傾聴エージェント, 発想支援
Abstract会話相手が食事をしていると,食事をしていないもう一方がよく話すようになるという現象が認められている.本研究では,この現象を利用して発想支援につなげられないかという考えから,自動的に食事行動を起こす身体的エージェントを開発し,その効果を調べた.食事行動をとるエージェント(食事エージェント),食事行動をとらずにただいるだけのエージェント(非食事エージェント),そしてなにもない(無エージェント)という3条件でアイデア創出タスクを行ったところ,発想支援についての有効性は確認できなかったが,食事エージェントに対してより視線を向けていることなど,いくつかの興味深い行動が見られた.

7F-5 (時間: 10:20 - 10:40)
題名オンライン配布資料へのノート機能自動付与ウェブシステムの構築と評価
著者*星野 裕樹 (神奈川工科大学情報学部情報工学科), 西村 広光 (神奈川工科大学情報学部情報メディア学科), 示野 浩士 (神奈川工科大学情報教育研究センター), 納富 一宏 (神奈川工科大学情報学部情報工学科), 斎藤 恵一 (国際医療福祉大学大学院医療福祉学研究科)
Pagepp. 1680 - 1683
Keywordノート, 講義, eラーニング, ポートフォリオ, PDF
AbstractICT活用が十分なされている大学の授業では,PDF形式などの電子媒体によるスライドとして作成したものを講義資料としてオンライン配布することが一般的となっている.しかし,配布された資料へ電子的にノートを書き込むには,テキストフィールドの挿入等をする必要があるため,多くの学生はワープロなどを使用して各自がノート作りを行っている.その結果,授業毎に資料とノートの2つのデータが作成されるため,データ数が増加するほど管理が繁雑になってしまう恐れがある.本研究では,データ管理を簡便化するために,資料内にテキストフィールドを自動付与し,資料とノートを統合化したハイブリッド型資料を作成するシステムを開発した.また,実験の過程でシステムにテンプレート機能を追加し,1つの資料から様々なレイアウトの資料を自動で作成可能にした.実際の授業でシステムを学生に試用してもらった上でアンケートを行い,有用性に関する評価実験を行った.評価実験の結果,今までと比べて資料が使い易い,今後もこのシステムを使用したいと回答する学生が多いことから,学習支援において有用性が高いことが確認された.