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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 6H  ネット安心
日時: 2014年7月10日(木) 14:10 - 15:50
部屋: 宴
座長: 岩田 彰 (名古屋工業大学)

6H-1 (時間: 14:10 - 14:30)
題名仮設住宅および復興住宅でのプリペイド型簡易商店システムの運用
著者齊藤 信人, *寺澤 拓也 (岩手県立大学/ソフトウェア情報学部), 山口 政義 (釜石リージョナルコーディネーター 『釜援隊』), 市川 潤, 西岡 大, 村山 優子 (岩手県立大学/ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1492 - 1497
Keyword東日本大震災, 商店システム, 復興, 仮設住宅
Abstract東日本大震災から3年経った現在でも,未だに多くの人々が仮設住宅での生活を余儀なくされている.さらに,食料品や日用品等を購入する場所も津波で流されてしまい,仮設住宅の周辺に少ない.また,買い物や通院等の日常生活に必要な移動手段である,公共交通機関への被害も大きい.現在でも鉄道や路線バスが完全に復旧しておらず,自家用車を保有していない高齢者や障がいのある住民にとって不便な状況である.また,復興住宅も,同様に不便な場所に建設されることが多い.以上のことから,仮設住宅や復興住宅の住民の、買い物支援という課題が挙げられる.本研究では,この課題を解決するため,プリペイド型簡易商店システムを仮設住宅の集会所に設置し,システムの利便性や課題を明らかにすることを目的とした運用実験を,岩手県宮古市赤前地区の仮設住宅で2012年より実施した.プリペイド型簡易商店システムは,路上における野菜の無人販売をモデルとしており,バーコードが印刷されたカードをプリペイドカードとして利用する.本論文では,運用実験により判明した課題,管理者の負担軽減および,高齢者におけるシステムの利便性向上についての対応や,仮設住宅や新たに始めた釜石市内の復興住宅における運用実験について報告する.

6H-2 (時間: 14:30 - 14:50)
題名IT被害に遭いやすい心理的・行動的特性に関する調査
著者寺田 剛陽, 津田 宏, *片山 佳則, 鳥居 悟 (富士通株式会社)
Pagepp. 1498 - 1505
Keywordサイバー攻撃対策, 標的型メール, 被害者行動特性
Abstractやり取り型の標的型メールや,水飲み場攻撃など,サイバー攻撃はユーザの心理・行動上の隙を突いた巧妙なものになってきている.こうした新たな攻撃に対抗するには,システム上の対策に加えてユーザ自身にも攻撃を見抜く力が必要となってきている.そこで我々は,組織の作業ログから近い将来にウイルス感染などのIT被害に遭う可能性の高いユーザや部門を発見し,対策を配付するシステムの開発をめざしている.ここで,被害を削減するためにはユーザや部門の特性に合わせた対策の提供が必要だと我々は考えている.この実現に向けて今回の研究では約1,000名のIT被害経験者に対してアンケート調査を行った.分析の結果,リスク敬遠志向が高いユーザはIT被害の種類を問わず被害が少ない傾向であることや,現状維持傾向が強いユーザは不正利用被害やプライバシー漏洩被害が多い傾向であることなど,IT被害経験者の心理・行動上の特徴は,被害の種類を問わずにみられるものと特定の被害にのみみられるものがあることがわかった.本結果は,組織における個人や部門のリスクの見える化や,きめ細かいサイバー攻撃対策に適用できると考えられる.

6H-3 (時間: 14:50 - 15:10)
題名オンラインショッピング時のユーザ属性における情報セキュリティ技術に対する安心感の重要度の検証
著者*西岡 大, 村山 優子 (岩手県立大学 ソフトウェア情報学部)
Pagepp. 1506 - 1512
Keyword安心感, オンラインショッピング, 統計分析
Abstract本研究では,オンラインショッピング利用時における知識のないユーザの情報セキュリティに関する安心感についての調査を実施し4種類の安心感の要因を明らかにした.しかし,世の中すべての人々が,4種類の要因すべてを重視しているとは言えない.そこで,本論文では,どのような属性のユーザが,どのような安心感の要因を重視するかを明らかにするため,クラスタ分析を用いて,各グループの特徴について分析を実施した内容について報告する.

6H-4 (時間: 15:10 - 15:30)
題名インターネット不安発生モデルのリスク認知・信用・信頼スキーマ仮説について
著者*山本 太郎 (NTTセキュアプラットフォーム研究所)
Pagepp. 1513 - 1519
Keywordインターネット, 安心, 不安, 信用, 信頼
Abstract筆者は,社会的インフラとして生活から切り離せなくなってしまったインターネットの安心と不安について研究を続けている. 研究にあたり,現段階では,1)IT研究からの視点だけでなく,社会心理学や認知心理学といった学際的な視点をもって研究を行う,2)まずは「安心」よりも扱い易いと思われる「不安」について研究を行い,次に安心の研究に繋げていく,といったアプローチをとっている. 当面の研究ターゲットは,不安制御ソリューションの実現であり,その根幹となる,1)インターネット利用における不安発生モデルの策定と,2 )その構成要素のインスタンスのうち効果的に外部から操作可能なものを見出すことを目指している. そのような到達点を見据えつつ,筆者は,インターネット利用における不安発生モデルのリファインを実施するとともに,その構成要素である「リスク認知スキーマ」「リスク認知判断要因」「信用スキーマ」「(対人)信頼スキーマ」にまつわる4つの仮説を提示してきた. そして,それらの仮説を検証するために,10〜60代の男女2,268名を対象としたWebアンケート調査を実施した.本論文では,その概要と仮説検証結果について述べる.