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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 5D  P2P
日時: 2014年7月10日(木) 10:30 - 12:10
部屋: 朝日
座長: 重安 哲也 (県立広島大学)

5D-1 (時間: 10:30 - 10:50)
題名柔軟な経路表に基づく二次元平面上の構造化オーバレイ
著者*北條 真史, 長尾 洋也, 宮尾 武裕, 首藤 一幸 (東京工業大学)
Pagepp. 1122 - 1128
KeywordPeer-to-Peer, オーバレイネットワーク, 位置情報
Abstractセンサが構成する無線メッシュネットワークなどにおいてメッセージ配送やデータ収集を行うためには,ノード群でオーバレイネットワークを構築することが有望である.地理的な近接性を考慮したルーティングや範囲問合せを行うためには,ノード位置に基づいたオーバレイネットワークの構築が必要となる.ノード位置をIDとして用いる場合,ルーティングの方式には,ノード位置すなわちIDに偏りがあってもホップ数の小さい経路を導くことが求められる.我々は,この要件を満たし,かつ,構造化オーバレイの設計手法である柔軟な経路表(FRT)の特長を備える構造化オーバレイを提案する.柔軟な経路表の特長とは,経路表サイズの動的な設定や高い拡張性を指す.提案手法は,既存手法の1つであるP2Pドロネーネットワークをトポロジとして採用し,ホップ数の推定に基づいて遠隔ノードとのショートカットリンクを形成することによって経路長を短く抑える.

5D-2 (時間: 10:50 - 11:10)
題名インセンティブメカニズムとピアの参加離脱を考慮したピース交換手法の検討
著者*武田 苑子, 梅田 沙也華, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院)
Pagepp. 1129 - 1135
KeywordP2P, ファイル共有, BitTorrent, 評価値, インセンティブメカニズム
AbstractP2Pを用いたファイル共有ソフトの一つであるBitTorrentでは,評価値を用いたインセンティブメカニズム(RBIM)が研究されている.評価値とはピアの過去の送受信量からネットワークへの貢献度を数値化した値である.評価値が高い程より速いダウンロードスピードを得られる. しかし,従来のRBIMではピアの参加離脱を考慮しておらず,ネットワーク全体でのダウンロード効率が低下するという問題がある. そこで,本論文では,ピアの参加離脱が発生する環境においてピアの帯域利用を向上させ,ネットワーク全体でのダウンロード効率を向上させるためのピース交換手法PEJLを提案する. まず,PEJLではRBIMにおいて新規参加ピアのピース交換の交渉力が低いことに着目し,新規参加ピアに希少なピースを優先提供することで交渉力を付与する.また,ピアの保持ピース数に応じてダウンロードの許可判断を行うことで,離脱前にアップロード帯域をより有効に活用する.提案手法の評価はシミュレーションにより行い,ピアの帯域を有効活用することで,ネットワーク全体でのファイル取得効率を向上しているという結果からPEJLの有用性を示す.

5D-3 (時間: 11:10 - 11:30)
題名ノードの物理的位置情報を考慮したP2P安否情報共有システムの検討
著者*門脇 伸明 (仙台高等専門学校), 生出 拓馬 (東北大学), 武田 敦志 (東北学院大学), 菅沼 拓夫 (東北大学), 高橋 晶子 (仙台高等専門学校)
Pagepp. 1136 - 1143
Keyword構造化P2Pネットワーク, 動的負荷分散, 位置情報システム, 安否情報共有システム
Abstract大規模災害時の安否確認サービスには,ネットワーク構成が不安定なネットワーク環境下でも,限られたネットワーク資源を用いて継続して動作することが求められる.そこで我々はネットワークの 再構築による通信コストの増加を伴わずに動的負荷分散を行う構造化 P2P ネットワークアルゴリズムWaon(Well-distribution Algorithm for an Overlay Network) に基づいた P2P 安否情報共有システムを提案してきた.しかし,現在の P2P 安否情報共有システムは,下位層のネットワーク構造を考慮しないオーバーレイネットワークの構築により,メッセージが迂回して転送され,冗長なトラフィックが増加する.そこで本稿では,P2P 安否情報共有システムへの,ノードの物理的な位置情報に基づくノード ID 生成に よる,物理的な近傍性を考慮したネットワーク構築法の導入を行う.また,本手法を適用した P2P 安否情報共有システムを用いて実験を行うことで,本提案の有効性を確認する.

5D-4 (時間: 11:30 - 11:50)
題名P2Pを応用した大規模映像配信システムの実用化
著者*多田 厚子, 田中 竜太 (富士通研究所), 高尾 典佑 (富士通)
Pagepp. 1144 - 1151
KeywordP2P, 映像配信, マルチメディアシステム
Abstractユニキャストを利用して端末間でデータをリレー転送するP2P(Peer to Peer)技術を応用した企業等のイントラネット向けの映像ライブ配信向けの独自ALM(Application Level Multicast)技術を開発した.本技術は,独自のプロトコルにより端末情報をグループ化して分散管理することで,企業内のイントラネットへの影響を抑制しつつ映像配信コストの大幅な削減を実現している.この技術をベースとした映像ライブ配信システムを筆者らの社内に構築し,大規模配信時でも事業所間ネットワーク使用率を5%以下に抑え,さらにサーバ負荷はクライアントサーバ型配信に対し1/400を達成している.本システムを活用し,既に数千端末以上の大規模イベント中継を年数回,中小規模のイベント中継を毎月約15回以上のペースで配信し,社内情報共有に大きな実績を上げている.以下に,開発技術及び数千端末規模の企業内ライブ配信事例について説明する.