題名 | 密な無線センサネットワークにおける 管理コストを考慮したデータ配送方式 |
著者 | *小島 祥平 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部) |
Page | pp. 1059 - 1064 |
Keyword | 無線センサネットワーク, 電力消費, 管理コスト, 経路制御, 無線通信 |
Abstract | 近年、環境モニタリングや防災、防犯など様々な分野でセンサネットワークを用いた研究がなされている.センサネットワークにおいて,特に環境モニタリングで使用する場合は,電源のない屋外にセンサノードを配置する必要があるため,機器はバッテリ駆動が前提である.そのため消費電力を考慮する必要がある.しかし,現実にセンサノードを管理することを考えると,全てのセンサノードに対して定期的にバッテリを交換するような管理方法では,管理コストの面で現実的ではない.本研究では,比較的密な無線センサネットワークにおいて,定期的にバッテリを交換するセンサノードの数を最小化するようなデータ配送方式を目指す.このためには,データを中継するノード以外の消費電力を極力低減してバッテリ交換なしに長期間の動作を実現したうえで,データ中継ノードの数を最小化するような配送木を構築する必要がある.本研究では,そのような動作を実現するデータ配送方式の枠組みを示したうえで,自律分散的に配送木を構築するプロトコルを提案する |
題名 | 指向性アンテナを用いたWSNの電波干渉軽減のためのストリーミング転送経路構築手法 |
著者 | *松島 未佳 (大阪府立大学理学研究科情報数理科学専攻), 勝間 亮 (大阪府立大学) |
Page | pp. 1065 - 1070 |
Keyword | 無線センサネットワーク, 指向性アンテナ, 電波干渉, バッテリ均等化 |
Abstract | 無線センサネットワーク(以下,WSN)とは小型のセンサノードをセンシング領域に多数配置し,ノード同士の無線通信によって情報収集を行うネットワークである. WSNでの通信における大きな課題として電波干渉や長寿命化問題があり,様々な研究が行われている. 本稿では,イベント会場などの離れた場所の混雑状況や様子をリアルタイムで知ることができるWSNを対象とし,ユーザが各エリアの 情報を発生させるノード(ソース)までリクエストを送ると,ソースからユーザにストリーミングデータを送信するための経路を構築する手法を提案する.その際,あるソースは複数ユーザに対して同一のデータを送信するというストリーミングデータ配信の特性を活かし,各ノードのバッテリ残量を均等化しつつ電波干渉を起こさないような経路を構築する. |
題名 | 無線充電を用いたWSNの充電効率化のための可動ノードの移動経路決定手法 |
著者 | *土屋 湧暉, 勝間 亮 (大阪府立大学) |
Page | pp. 1071 - 1076 |
Keyword | センサネットワーク, 無線充電, 太陽光発電, 可動ノード |
Abstract | 近年,無線通信機能を備えたセンサノードで構築される無線センサネットワーク(以下,WSN)が注目されている.ノードはバッテリで稼働するものが多く,電力供給も困難であるため,WSNの大きな問題の一つに長寿命化問題がある.その解決策として自然エネルギーを電力に変換するエナジーハーベスティング技術が注目されている.太陽光発電の場合では,日射量が十分あれば容易に発電可能であるが,各ノードの消費電力や発電量にばらつきがあるため,太陽光発電のみでは電力供給が不安定である.そこで近年,無線充電技術が発達してきており,様々な小型機器の充電方法として使われ始めていることに着目する.本研究では複数の太陽光発電を行う可動ノードを用いた固定ノードへの無線充電によるWSNの長寿命化および対象領域の全被覆の維持を目的とする.そこで,少数のノードで領域を全被覆するためのアルゴリズムと,固定ノードに充電するための効率的な可動ノードの移動スケジューリングを決定するアルゴリズムを提案する. |
題名 | 無線センサネットワークを用いた環境モニタリングのためのデータ圧縮手法 |
著者 | *柳沢 豊, 村松 純, 岸野 泰恵 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所), 須山 敬之 (ATR), 納谷 太 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所) |
Page | pp. 1077 - 1084 |
Keyword | センサネットワーク, 環境モニタリング, データ圧縮 |
Abstract | 本稿では,温度,湿度,照度などの環境データを複数の地点で継続的にモニタリングする,無線センサネットワークに適したデータ圧縮方式について提案する.観測地に複数の無線センサノードを設置して環境データを測定するとき,それぞれのセンサノードで観測される値の間には相関があることが多い.この相関を用いたデータの圧縮は,LDPC 符号を用いることで実現可能であることが知られている.しかし,LDPC 符号を用いる場合,符号化されたデータを復号するよりも前に,データ系列内に含まれるシンボルの出現頻度を正確に推定する必要があるという問題があった.そこで本稿では,頻度計算に必要となる一部のデータのみを符号化せず復号器に送信しておき,そのデータを用いて頻度計算を行うことで,出現頻度を高い精度で推定する方法を提案する. |
題名 | センサネットワークを用いたバスロケーションシステムにおける電波強度に基づくバス走行区間推定手法の提案 |
著者 | *足達 元, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科), 北瀬 和之, 大森 昭嗣 (株式会社メイエレック), 旭 健作, 松本 幸正, 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 1085 - 1092 |
Keyword | センサネットワーク, バスロケーションシステム, IEEE802.15.4, RSSI |
Abstract | 地方自治体が運営するコミュニティバスでは,低コストなバスロケーションシステムが求められている.筆者らは通信コストが不要な無線センサネットワークを利用したバスロケーションシステムを提案してきた.本稿ではGPS機能を用いることなく,無線センサネットワークの電波強度に基づいてバスの走行区間を推定する手法を提案する.走行中のバスは,街中に設置した無線センサノードが定期的に発信するビーコンの受信信号強度から最近傍ノードを特定し,事前に定義した走行ルートとセンサノードの対応関係から,走行区間を推定する.これにより,バス車載器のコストカットが可能になる.大学敷地内で簡易的な走行実験を行った結果,提案手法によりバスロケーションシステムに要求される走行区間推定精度が得られることが確認できた. |