題名 | 圧力センサを用いた把持ジェスチャによる携帯端末の個人認証手法 |
著者 | 飛世 速光 (神戸大学), 村尾 和哉 (立命館大学), *寺田 努 (神戸大学/科学技術振興機構さきがけ), 磯 俊樹 (NTTドコモ), 塚本 昌彦 (神戸大学), 堀越 力 (NTTドコモ) |
Page | pp. 1027 - 1034 |
Keyword | 携帯端末, 個人認証, 圧力センサ, 把持ジェスチャ |
Abstract | スマートフォンやタブレットなどの携帯端末には電話番号やメールアドレスなどの個人情報が保存されており,その携帯性から紛失や盗難する機会も多いため,特定の個人のみに端末の利用を制限する個人認証が必要となる.広く普及している個人認証手法として,パスワードやなぞるパターン,顔認証,指紋認証などが挙げられるが,片手での画面操作が煩雑であったり,ショルダーハッキングに脆弱,顔写真や指紋を入手すれば容易に認証可能であるという問題がある.そこで,煩雑な操作を必要とせず,安全性の高い個人認証手法として,圧力センサを用いた把持ジェスチャによる個人認証手法を提案する.把持ジェスチャは行動的特徴の一種であり,携帯端末を操作する際の端末を握る動作のことである.把持ジェスチャは携帯端末の操作中に自然に行えるジェスチャであり,セキュリティロックの解除に煩雑な操作を必要としない.また,把持ジェスチャは指の力の入れ具合で区別されるため,盗み見ることは困難であり,第三者による把持ジェスチャの再現性は低く,セキュリティロックの安全性も高いと考える.本研究では,携帯端末の側面に搭載した圧力センサアレイを用いて,ユーザの把持ジェスチャの把持力の分布を測定して個人認証を行うシステムを構築した.提案システムの評価実験の結果,本人が自由に設定したジェスチャで認証を行う場合でEERが最低0.02となり,提案システムが有効であることが確かめられた. |
題名 | 格子マスキング利用のKey Binding技術におけるテンプレート更新機能 |
著者 | *杉村 由花, 安田 雅哉, 山田 茂史, 安部 登樹, 新崎 卓 (株式会社富士通研究所) |
Page | pp. 1035 - 1043 |
Keyword | 生体認証, 格子マスキング, テンプレート保護, 生体暗号, key binding |
Abstract | 生体認証において,テンプレートと呼ばれる登録生体データを何らかの変換により保護しつつ,照合処理を行うテンプレート保護型生体認証技術が近年盛んに研究されている.
特に,テンプレート保護型生体認証技術の一つであるkey bindingは,生体データとユーザ固有の鍵の結合データから補助情報を生成し,登録時と照合時の生体データが十分に近い場合のみユーザ固有の鍵が抽出できる特殊な技術である.
Key bindingで利用するユーザ固有の鍵として,電子署名や文書などの情報を扱うことで,電子署名や文書暗号化/復号などに応用でき,認証判定だけでなく様々な利用形態の実現が期待されている技術でもある.
我々は2013年7月の情報セキュリティ研究会(ISEC)にて,key bindingの新しい実現方式を提案した.
この実現方式は,通常の乱数付加アプローチに加え,生体認証特有のデータの揺らぎ吸収のため,格子と呼ばれる数学的概念を利用した格子マスキングを新しく導入したものである.
本論文では,格子マスキングによるkey binding技術において,テンプレートの更新処理を行う方法を提案する. |