題名 | 被災地における太陽光発電を用いた復興ウォッチャーの開発と評価 |
著者 | *石井 創一朗, 齊藤 義仰, 西岡 大, 村山 優子 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部) |
Page | pp. 883 - 888 |
Keyword | 災害復興, 復興ウォッチャー, 太陽光発電, 省電力 |
Abstract | 2011年3月11日,東日本大震災によって引き起こされた津波は,太平洋沿岸地域に深刻な被害を与えた.2014年になり,震災から約3年が経過した.被災地の復興が徐々に進んでいるものの,復興が思うように進んでいないのが現実である.そこで,我々は復興ウォッチャーの検討を行ってきた.復興ウォッチャーとは,被災地の復興に向けて,持続的な理解と支援を得るため,動画や静止画を用いて,視覚的に被災地の情報を共有するシステムである.一方で,被災地は電力不足や,電力インフラがないといった問題を抱えている.現代は,低コストで合理的に供給されるエネルギーを得ることが必要となっており,太陽光発電が促進されている.本研究では,システム稼働のための発電の手段として,太陽光発電を利用することにした.本稿では,太陽光発電による電力インフラに依存しない復興ウォッチャーシステムを提案する. |
題名 | 情緒補填を考慮したテキストコミュニケーションシステムの提案 |
著者 | *野尻 梢, 山内 正人, 砂原 秀樹 (慶應義塾大学) |
Page | pp. 889 - 895 |
Keyword | 想像, コミュニケーション, 非対面, 感情, テキスト |
Abstract | コミュニケーションの中でもとりわけ非対面のコミュニケーションにおいては,明確に伝えたいと思っている言語情報以外の非言語情報が欠落してしまう.その欠落がミスコミュニケーションを生じさせていると考えられ,今までは情報発信者の感情情報を付与したり,対面式に近づけるために映像を利用するなど,不足した非言語情報を断片的に補う試みが行われてきた.しかし,断片的な情報を付与するだけでは解決に至っていない.そこで我々は取得した情報を受信者が繋ぎ合わせるように想像できることで発信者とのミスコミュニケーションを解決できると考え,情報送信者の状況を想像できるコミュニケーションシステムを提案する.本稿ではテキスト情報に加えると記述者の状況を想像できる要素を基礎的な検証を用いた結果を基に議論する. |
題名 | 口形ベースの機械読唇における単語認識手法の提案と評価 |
著者 | *宮崎 剛 (神奈川工科大学情報学部情報工学科), 中島 豊四郎 (椙山女学園大学文化情報学部文化情報学科) |
Page | pp. 896 - 902 |
Keyword | 機械読唇, 聴覚障害者支援, 画像認識 |
Abstract | 読唇術の技能を身につけた人("読唇技能保持者"とよぶ)は,話者が話をする際に断続的に形成される特徴的な口形("基本口形"とよぶ)に着目している.そこで著者らは,読唇技能保持者の知見を論理化し,その読唇方法をモデル化する研究を進めてきた.そして,情報処理技術を用いてこのモデルを実現する方法を提案してきた.これまでの研究で,発話映像から基本口形が形成されている期間("基本口形形成期間"とする)を割り出し,その期間に形成されている口形を抽出する方法を提案した.オプティカルフローを用いて口唇周辺の移動量を計測し,移動量が少ないフレームを基本口形形成期間と判定した.本論文では,基本口形形成期間の口形類似度を特徴パラメータとして利用し,発話単語を認識する手法を提案する.発話単語を認識するにあたり,認識対象語句に対するスコアと信頼度という2つの指標を導入する.47都道府県名の認識実験を実施し,提案手法の有効性や問題点を明らかにする. |
題名 | 多数のセンサーによる時空間センシングデータの効率的な集約送信技術 |
著者 | *宵 憲治, 山口 弘純, 廣森 聡仁, 内山 彰, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科), 柳谷 尚寿, 中谷 俊和 (KDDI), 立花 篤男, 長谷川 輝之 (KDDI研究所) |
Page | pp. 903 - 913 |
Keyword | 遠隔モニタリング, 圧縮センシング, メタデータ削減, センサー, ゲートウェイ |
Abstract | 本研究では,空間的に多数配置された多種多様なセンサーからのセンサーデータを時空間的に集約・圧縮し,リアルタイム遠隔センシングとモニタリングを効率よく実現するためのデータ集約圧縮技術を提案する.提案手法では,時間的類似性,空間的類似性が高いメタデータを有する複数のセンサーからのデータを時空間ブロックで集約することでメタデータ情報量の削減を実現し,かつ圧縮センシング技術を用いて圧縮率を適応的に制御する.あわせて家庭や集合住宅,オフィスビルや住宅地域などの拠点に設置された複数のセンサーからのセンシングデータを同様に拠点内に設置されたゲートウェイに集約し,データセンターなどにあるサーバへ送信するセンサデータ集約圧縮システムの設計開発を行っている.豊田市に実在する29施設に開発したシステムを設置し,データ集約評価を行った結果,センサーから発生したXMLデータ10MBに対してシステムによる集約・圧縮を行い,送信データを10数KB程度に削減でき,さらに時空間ブロックによる集約により約50%程度の削減を達成できている. |
題名 | GreenSwirl:車両走行効率向上を目指した信号制御および経路案内方式 |
著者 | *徐 家興 (奈良先端科学技術大学院大学), 孫 為華 (滋賀大学), 柴田 直樹, 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学) |
Page | pp. 914 - 925 |
Keyword | ITS, 交通信号制御, ナビケーションシステム, GreenWave, GreenSwirl |
Abstract | 近年,大都市で深刻な交通渋滞が社会的問題となっている.特に渋滞を引き起こす原因の一つとして非合理的な交通信号サイクルがある.信号制御の技術として GreenWave が中国の複数の都市で実験されてきたが,結果は満足できるものではなかった.GreenWave は一定速度で走行する車両は連続する交差点を常に青信号で通過できる技術である.GreenWave の問題点として幹線道路のみに生成されるため,対向車線と横断道路の妨害、入口と出口の渋滞などを引き起こしてしまうことが挙げられる.この問題点を解決するために本稿では信号制御方式 GreenSwirl および経路案内方式 GreenDrive を提案する.提案手法では複数の GreenWave 道路を渦巻き状に発生させ,GreenDrive 案内方式で道路を走行する時間を見積もり,車両の平均走行時間を最小化する.提案手法の性能を評価するために交通流シミュレータ SUMO を用いてシミュレーションを行った.ニューヨーク市マンハッタン島の道路網で車両の走行時間短縮効果を計測した結果,従来の手法と比べて提案手法は平均 10〜70%程度,平均走行時間が短縮できたことを確認した. |