(セッション表へ)

マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2014)シンポジウム

セッション 2D  コンシューマシステムとモバイル
日時: 2014年7月9日(水) 15:20 - 17:00
部屋: 朝日
座長: 神崎 映光 (島根大学)

2D-1 (時間: 15:20 - 15:40)
題名遅延時間インセンシティブなコンテンツ配信のための巡回型移動体ノードを組み込んだOpportunistic Network構成法と位置依存型フォワーディング知識
著者*岡本 一晃 (創価大学大学院工学研究科情報システム専攻), 高見 一正 (創価大学工学部)
Pagepp. 351 - 357
Keyword蓄積運搬形転送, Opportunistic Network, コンテンツ配信, フォワーディング知識, 巡回型移動体ノード
Abstract近年、地域及び時間に限定されたコンテンツ(例えば、地域新聞、工事情報、チラシ広告など)が電子化され、配信されることが一般的になってきている。これらのコンテンツをサーバで集中管理し、広域ネットワークを経由して配信する方法は広範囲、遠距離に対して送信する場合は効率が良いが、地域を限定して送信する場合は広域ネットワークを経由するオーバーヘッドの割合が大きくなる。本稿では、位置情報を利用してフォワーディング知識を定義し、巡回型移動体ノードを中継してコンテンツを特定の地域で配信する方法を提案する。具体的には、各巡回型移動体ノードにフォワーディング知識としてカバーエリアを定義し、そのカバーエリアの比較により宛先へ転送を行う方式を提案した。また、提案機能を組み込んだOpportunistic Networkエミュレータを試作し、到達率と遅延時間をEpidemic Routingと比較して評価を行った。

2D-2 (時間: 15:40 - 16:00)
題名高信頼双方向多点無線センサ/アクチュエータネットワークシステムの評価
著者*井林 宏文, 兼田 千雅, 鈴木 雄也 (静岡大学), 今原 淳吾, 大石 直記 (静岡県農林技術研究所), 黒田 正博 (情報通信研究機構), 峰野 博史 (静岡大学)
Pagepp. 358 - 365
Keyword無線通信, センサネットワーク, アクチュエータ制御, 制御システム, ロバストネス
Abstract近年,センサ技術の進歩により様々な環境情報を収集可能となり,また収集した環境情報を利用して各種機器を制御するシステムの開発も盛んに行われている.しかし確実なデータ送受信を望める有線によるセンサネットワークでは配線などのコストが増え,一方で無線によるセンサネットワークでは,多数の障害物による無線通信品質の低下による収集データの欠落や,過酷な現場環境下にシステムを設置することによるシステムの停止といった課題がある. そこで本研究では,過酷な環境下でも確実に99.99%以上稼働する高信頼な双方向多点無線センサ/アクチュエータネットワークを提案し,稼働期間中の確実なシステム稼働を保証するアクチュエータ制御システムの実現を目指す.過酷な環境下でのシステム稼働を想定し,障害発生リスクを低減させるシステム実装と様々な障害発生時に自動復旧する仕組みをシステム内に組み込む.高信頼双方向多点無線センサ/アクチュエータネットワークのプロトタイプとして農業向け環境制御システムを研究開発し,静岡県農林技術研究所の農業環境で実際に稼働させ,栽培期間中不具合無くシステムが稼働することを確認した.一方,3.00%のセンシングデータ欠損のうち2.91%がノード間通信でのパケットロスであったことからセンシングデータの分析を行い,パケットロス率とRSSI が温室内に設置されたビニールによる内部被覆資材および相対湿度と相関関係がみられた.電波暗室での詳細実験を通じ,2.4GHz 無線がビニールや水分の影響を受けることを確認し,同時に稼働させた429MHz 帯無線ではビニールや水分の影響を受けなかったことから,農業環境への429MHz 帯無線センサネットワークの適用効果を期待できる.

2D-3 (時間: 16:00 - 16:20)
題名決定木を用いたソーシャルネットワークサービス向けのアクティブユーザ推測モデルの提案
著者*土井 千章, 川崎 仁嗣, 中川 智尋 ((株)NTTドコモ/先進技術研究所), 片桐 雅二 ((株)NTTドコモ/R&D総務部), 稲村 浩, 太田 賢 ((株)NTTドコモ/先進技術研究所)
Pagepp. 366 - 372
Keywordソーシャルネットワークサービス, SNS, 決定木
Abstractソーシャルネットワークサービスの利用履歴を用いて,対象顧客が今後もサービスを利用し続ける可能性が高いアクティブユーザか,近いうちに利用を停止する可能性が高い非アクティブユーザかを予測する,アクティブユーザ推測モデルの提案を行う.提案するモデルは,機械学習の一手法であるランダムフォレスト法を用いて構築する.構築したモデルの評価結果から,利用開始から14日分の利用履歴を用いた場合,70.3%の精度でアクティブユーザと非アクティブユーザの予測ができることを確認した.先行研究ではこれらの顧客の発見は早ければ早いほど有用であるにも関らず,モデル構築に用いるデータの期間による予測精度の違いについては明らかにされていなかった.本研究では利用できるデータの期間と予測精度の関係を実データを用いて明らかにする.さらに,顧客の利用状況からクラスタを構築し,クラスタ別にメッセージを送信する利用促進施策を実験的に実施し,その効果および有用性の評価を試みる.

2D-4 (時間: 16:20 - 16:40)
題名コスプレイベントにおけるイベント活動支援環境COSUEの実現と評価
著者*作田 耀子, 塚原 康仁, 村瀬 結衣, 仲倉 利浩, 杉浦 一徳 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科)
Pagepp. 373 - 379
Keywordコスプレイベント, インターネット, 位置情報システム, RFID, モバイルコンピューティング
Abstractインターネットを活用してイベントを支援し,参加者により充実したものを提供する取り組みは試行として様々な形で行われている.近年のコスプレイベントでは,参加者の中での既存のコミュニティと統合的な情報不足により,交流に関して閉鎖的な空間となりつつある.初対面の相手同士で,当日に確認できる情報は実際の外見の情報のみであり,交流を支援するような情報共有環境は構築されていない.本研究では,コスプレイベント活動支援環境COSUEの実現と評価を行った.イベント開催前にCOSUEに参加者情報を登録し,イベント開催前と開催中に個々の携帯電話から情報共有を実現する相互支援環境を構築した.初期実験では,参加者の当日のコスプレ作品,キャラクター,コンテンツの嗜好,楽しみ方のタイプの情報を提供する.その上でタイプが合う者同士をマッチングし,その情報の共有を行う.実際のコスプレイベントを想定した実験場面において,参加者に本システムを使用させ,その結果から評価を行った.初期実験では参加者のタイプを明確にし,その情報を活用する事で情報共有環境を実現した.交流履歴と参加者のタイプの相関は見られなかった.またイベントの特徴上,イベント中に携帯を確認しにくいため,サイネージなどを活用した情報共有基盤の必要背景を確認した.今後タイプの定義と情報の提供方法について検討する必要がある.

2D-5 (時間: 16:40 - 17:00)
題名各種医療・健康機器の統合的生体情報収集システムの提案
著者*大河内 芳樹 (愛知工業大学大学院 経営情報科学研究科), 山下 昭裕, 伊藤 信行 (三菱電機エンジニアリング(株)), 中條 直也, 水野 忠則 (愛知工業大学 情報科学部)
Pagepp. 380 - 385
Keyword医療, スマートフォン, ヘルスケア, ウェアラブルセンサ
Abstract近年、食生活や運動不足によって、糖尿病や高血圧症をはじめとする生活習慣病が急激に増加しており、その予防、治療が大きな課題となっている。そして、予防、治療の方法として運動療法が期待されており、運動療法を行うことにより血圧の低下など多くの効果が表れる。しかし、運動療法は適切に行わないことで悪い影響を及ぼす場合があり、医療従事者の指導の基で行うことが必要である。そのため今後、運動療法は患者の運動の状態を計測し、医療従事者に提供し、その情報を基に医療を行うことが重要となってくると考えられる。本稿では、医療機器やウェアラブルセンサを用いて、日常的に運動療法に必要な情報を収集し、その情報を管理し、医療従事者へ提供する各種医療・健康機器の統合的生体情報収集システムについて提案について述べる。