題名 | 絶対位置情報に依存しない無線LAN基地局の移動性判定手法 |
著者 | *福崎 雄生 (立命館大学情報理工学部情報システム学科), 安積 卓也, 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部) |
Page | pp. 2019 - 2026 |
Keyword | 無線LAN, 移動性判定, 位置推定 |
Abstract | 近年,無線LAN基地局の急激な増加にともない,無線LAN観測情報を用いたユーザの位置推定に関する研究が注目されている.モバイルルーターなどの移動する基地局は位置推定精度を低下させるという問題がある.それらの,移動する基地局に関する既存研究も存在するが,それらの研究ではGPSによる絶対値情報の取得を前提している.そこで,本研究ではGPSが取得できない期間においても,無線LAN基地局の移動性を判定することを目的とする.絶対値情報の取得できない期間においては,ユーザの移動期間を抽出する.ユーザが移動しているにも関わらず安定して取得できる基地局はユーザと共に移動している基地局として判定を行う.加えて,それらのアプローチによる判別結果を学習データとして扱うベイジアンフィルタリングを用いることでさらなる判定をした.150日間で蓄積したログを利用し,無線LAN基地局の移動性判定を行った.移動期間において抽出できた移動基地局の数は,わずかな数しか判定を行えていなかった.一方,ベイジアンフィルタリングにおいては,十分な学習データを作成すれば70%近くの判別正解率を得ることが確認でき,絶対位置情報に依存しない無線LAN基地局の判定を可能にした. |
題名 | 車内会話を場所に紐付けることによる会話的知識の流通 |
著者 | *松村 耕平, 池田 政人, 角 康之 (公立はこだて未来大学) |
Page | pp. 2027 - 2035 |
Keyword | 車内会話, 知識流通, 会話的知識, 位置情報 |
Abstract | 本研究は、自動車に乗って移動する際の車内会話を記録・提示することで、人と街の間に埋め込まれた会話的知識を流通させることを目的とする。自動車に乗り合わせた人同士は、走行中の場所やその近辺について様々な会話をする。そのような会話は、人がその時・その場にいることによっ て生起されることが多く、その場所や季節、時間帯と強く結びついた情報が含まれる。このような情報は運転者に有用な気づきをもたらすのみならず、自動運転の実用化が見込まれる近い将来、 自動車を利用した移動中の体験を豊かにするための情報として大きな意味を持つ。このとき、自動車は、場所と、ユーザの体験に基づく知識をコンテンツとして提供するエンターテインメントデバイスとなり、またそのコンテンツから知識のループを形成するためのセンサプローブとなる。本論文では、このような会話的知識の流通システムを実現するための基礎研究として、10ヶ月に渡り収集した車内会話を分析・分類したのでその結果を報告する。 |
題名 | 特定形状を考慮した視認性の良いエリア略地図生成手法 |
著者 | *折原 照崇 (早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻), 柳澤 政生 (早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 電子光システム学専攻), 戸川 望 (早稲田大学大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻) |
Page | pp. 2036 - 2043 |
Keyword | エリア略地図, 特定形状, 道路ネットワーク, 探索, 置き換え |
Abstract | よく利用される携帯電話機能の1つとして地図サービスがある.携帯電話はパソコンに比べると表 示画面が狭いため,表示する地図内に表示要素が多く存在すると視認性の悪い地図が表示される.この問 題を解決する方法の1つに略地図生成がある.近年,位置情報や地理情報を計算機上で扱う技術の発達に 伴い,略地図生成自動化の手法が注目されてきた.略地図はエリア略地図と2地点間略地図の2種類に分 類でき,本稿ではエリア略地図に着目する.本稿では道路ネットワーク内から碁盤目,楕円形,半円形の3 つの特定形状を探索し,それぞれ整形した形に置き換えることで視認性を向上するエリア略地図の生成手 法を提案する.提案手法の有効性を示すためにデータ量と見やすさ,2つの観点で評価実験を実施した. |
題名 | 不正確さを考慮した位置匿名化手法の提案 |
著者 | *清 雄一, 大須賀 昭彦 (電気通信大学) |
Page | pp. 2044 - 2052 |
Keyword | 匿名化, ロケーションサービス |
Abstract | 性別や年齢等のユーザ属性と,ユーザの行動履歴とを関連付けてマイニングすることで,ユーザ属性に応じた適切なマーケティングや広告配信をすることが可能となる.しかし,あるユーザの行動履歴の一部を知る攻撃者にこの情報がわたると,関連付けられたユーザ属性と個人を結び付けられるリスクがある.従来研究において,ユーザの行動履歴を知る攻撃者に対してもユーザ属性と個人を結び付けられることを防ぐため,k-匿名性等の指標に基づく匿名化手法が多数提案されている.しかし,ユーザの位置情報には元来不正確さが含まれていることが考慮されていないため,位置情報の誤差を単純に扱おうとした場合に個人が特定されてしてしまうリスクが存在する.本論文では位置情報の不確実性に起因する漏洩リスクを導入及び定式化し,新しい匿名性指標,匿名化後のデータにおける有効性指標,及びこれら指標に基づいた匿名化アルゴリズムを提案する.シミュレーション評価を実施し,従来手法と比べて匿名化後のデータの有効性を向上させ,同時に,個人が特定されるリスクを低減することを示す. |
題名 | 無線センサネットワーク可視化システムに要求される位置推定精度に関する検討 |
著者 | *金丸 幸弘, 鈴木 秀和, 旭 健作, 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 2053 - 2058 |
Keyword | 可視化, 無線センサネットワーク, 位置推定, AR |
Abstract | 近年,スマートハウスや工場の環境モニタリングをはじめとして,様々な場面で無線センサネットワークの普及が見込まれている. しかし,センサデバイス同士は電波で接続するため,動的に変化するネットワークの構造や接続性を把握することが困難である. そのため,筆者らは保守や管理の効率性を向上させるために位置推定技術を用いた無線センサネットワーク可視化システムを提案している. 本稿では,タブレットとセンサデバイスの位置関係を推定するアルゴリズムのプロトタイプをiPadに実装し,提案システムに要求される位置推定精度について検討する. |