題名 | 電力変動情報に基づく機器とタップの紐付け方式 |
著者 | *岩川 明則, 山口 俊輔, 村上 雅彦 (株式会社富士通研究所/スマートコミュニケーション研究部) |
Page | pp. 1984 - 1989 |
Keyword | 電力センシング, スマートコンセント, スマートタップ |
Abstract | 電力の有効利用が課題となっている.その手段として電気機器ごとの消費電力を把握することは,機器単体の消費電力を削減するだけでなく,機器を操作する人の動きを通じた電力削減にも結び付けられることが期待される.スマートタップの普及はこれを可能にしつつあるが,機器とタップの対応づけをとることが難しく,そのための技術開発が様々な観点から行われている.本稿では,電気機器のリソース使用率変動とスマートタップで計測した電力変動の相関に基づき,両者の対応関係を自動検出する方法について提案する.オフィスにおけるPCとタップの対応付けを具体的な課題として検討した結果,CPU使用率を数十分間にわたって変動計測することにより対応づけが可能であることが分かった.更にPCに対して作為的なCPU負荷を印加することにより,より短い相関時間であっても対応するタップの判定が可能となることが分かった.実際のオフィスに実験システムを構築し,誤判定率を評価したところ,30秒から数分の判定時間で十分な精度を持つ自動判定システムが構築可能であることを確認した. |
題名 | IEEE 802.11nフレームアグリゲーションを用いた動画音声端末の収容台数向上手法 |
著者 | *若月 峻, 阪田 史郎 (千葉大学大学院融合科学研究科) |
Page | pp. 1990 - 1994 |
Keyword | 高速無線LAN, IEEE 802.11n, フレームアグリゲーション, VoIP, 動画通信 |
Abstract | IEEE 802.11n を利用したテレビ会議や音声通信といったマルチメディア通信の需要が高まり,単一アクセスポイント (AP)に動画・音声通信を行う複数台の端末が接続されることが考えられる.しかし,単一のAPに対し,高いQoS (Quality of Service) 要求を持つ動画・音声通信を行う端末の収容可能台数に関する研究は少ない.また,IEEE 802.11nにて導入されたフレームアグリゲーションが動画・音声通信に与える影響に関する研究も少ない. 本稿では,フレームアグリゲーション手法の1つであるA-MPDU (MAC Protocol Data Unit Aggregation) の最大サイズと動画通信の関係について評価する.次に,通信時のエラー率によって,トラフィックの生成レートの調節,伝送レートの調節,そしてフレームアグリゲーションを組合わせることによる収容台数向上手法を提案する.提案手法をシミュレーションによって評価することで,有効性を示す. |
題名 | 世帯におけるエネルギー消費行動の最適化支援システム |
著者 | *中村 笙子, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科), 山口 容平, 下田 吉之 (大阪大学大学院工学研究科エネルギー工学専攻) |
Page | pp. 1995 - 2007 |
Keyword | スマートホーム, 電力コスト, 生活満足度, 行動スケジューリング, 混合整数線形計画法 |
Abstract | 各世帯における節電やピークシフトの達成のため,電力の売買や蓄積,生成が可能なスマートホームが導入されつつあり,電力消費を伴う家庭行動を効率化することで,電力コストの削減が期待できる.しかし,居住者の都合を無視し,電力コストを削減するためだけにピークシフトを強いると居住者の生活の質を下げかねない.そのため,電力コストの削減と生活の質の維持を両立できるような節電方法を居住者に提示し,無理のない節電を実現できることが望ましい.本研究では,スマートホーム一世帯を対象とし,そこに居住する人や配置された家電の電力消費モデルを提案する.さらに,このモデルを利用し,人の行動と家電の稼働に対し,電力コストと生活満足度を最適化するような行動スケジューリング手法を提案する.加えて,ユーザの嗜好をより詳細に反映するためのフィードバックシステムと,ユーザが行った操作から,スケジュールに対する要望を汲み取るためのユーザインタフェースも提案する.評価実験では,電力コストを抑え,かつ生活満足度の高いスケジュールを導出した.また,フィードバック操作により,ユーザの意図を反映したスケジュールが導出されることを確認した. |
題名 | ユーザ参加型環境センシングにおける効率的なシステム運用モデルの構築とユーザ分析 |
著者 | *青木 俊介, 劉 広大, 清水 和人 (東京大学), 岩井 将行 (東京電機大学), 瀬崎 薫 (東京大学) |
Page | pp. 2008 - 2013 |
Keyword | モバイルネットワーク, モバイルコンピューティング, ユーザ参加型環境センシング, ユビキタス情報処理 |
Abstract | スマートフォンの爆発的普及を背景に,一般ユーザの持つスマートフォンを新たなセンシング機器として活用し,都市地域の環境情報を取得するユーザ参加型環境センシングの実現が期待されている.このユーザ参加型環境センシングによって,詳細な環境地図を構築し,都市生活環境の再評価や国土の有効活用のために用いることができる.我々は,この参加型環境センシングの社会的意義と可能性を示すために,東京都世田谷区内全域でセンシング実験を行い,大規模環境情報データベースを構築した.本稿では,この参加型センシングのために開発した効率的なセンシングシステムの設計及び運用を示す.また,実際の参加型センシング実験を都市地域で行うことによって得られた,新たな知見を示す. |
題名 | クラウドサーバーを用いた携帯端末におけるリソースの最適化 |
著者 | *神田 正則, 金井 謙治, 大木 哲史, 甲藤 二郎 (早稲田大学基幹理工学研究科情報理工専攻) |
Page | pp. 2014 - 2018 |
Keyword | クラウド, モバイル, リソース |
Abstract | 近年のスマートフォンやタブレット端末などの携帯端末の著しい普及・高性能化に伴い、大量のデータや計算処理を必要とする、より高度なアプリケーションが求められているが、携帯端末ではCPUやメモリ、バッテリーなど様々な制約が多い。そこで、クラウドサーバーへ処理をオフロードすることで時間短縮や省電力化を図る。クラウドサーバーを用いた処理方法では1) ローカル処理(携帯端末で処理)、2) リモート処理(クラウドサーバーで処理)、3) 並列分散処理(携帯端末とクラウドサーバーで分担して処理)の3形態が考えられる。本稿では特に分散並列処理に関して最適となるような配分をモデル化して評価を行った。動画からの顔検出アプリケーションで、今回の環境下では、コーデックにMPEG-4 part2を用いて最適分配した分散並列処理はリモート処理よりも20秒ほどの時間短縮となった。消費電力量はリモート処理の約3倍となっているが、ローカル処理と比べると約半分の消費電力で抑えられていることから、ある程度の処理を携帯端末に任せることで処理時間を最小にしつつ、ローカル処理よりも消費電力を抑えることができると言える。 |