題名 | モバイルアプリケーション向け移動透過通信フレームワークの実装と評価 |
著者 | *上醉尾 一真, 鈴木 秀和 (名城大学大学院理工学研究科), 内藤 克浩 (三重大学大学院工学研究科), 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 1843 - 1852 |
Keyword | 移動透過性, IPv4/IPv6, NAT越え, Android, iOS |
Abstract | モバイルアプリケーションの発展に伴い,移動しながら通信を行うことやモバイル端末同士で直接通信を行いたいという要求が増加している.一方で現在のインターネットは,NAT越え問題や互換性のないIPv4ネットワークとIPv6ネットワークの混在により,エンド端末への接続性を確保することが困難である. 著者らは,IPv4/IPv6混在環境において確実な接続性の確保と,通信中のネットワーク切り替えを可能とする移動透過性を同時に実現するNTMobile(Network Traversal with Mobility)を提案してきた.従来のNTMobileの実装方式では,一般ユーザが所有するモバイル端末において気軽に利用することが難しく,一般ユーザへの普及が課題であった. 本稿では,アプリケーションレベルでNTMobileの移動透過通信を実現することにより,IPv4/IPv6混在環境に適したモバイルアプリケーションの開発基盤となる移動透過通信フレームワークを提案する.提案手法のプロトタイプを用いたモバイルアプリケーションを市販のAndroidスマートフォンおよびiPhoneへ実装し,IPv4ネットワークとIPv6ネットワーク間の通信および,移動が可能なことを確認した. |
題名 | イントラネット環境構築システムの提案と実装 |
著者 | *上原 崇史 (明治大学大学院), 齋藤 孝道 (明治大学) |
Page | pp. 1853 - 1858 |
Keyword | クラウドコンピューティング, 仮想化技術, DaaS |
Abstract | 大学等の教育機関での利用を目的としたVCL (Virtual Computing Lab) というシステムがある.これは,アプリケーションが動作するデスクトップ環境の提供を行うデスクトップ仮想化システムである.VCLは,仮想マシンに接続するネットワークとして,予め用意されたネットワークのみを提供するので,複数の仮想マシン及びそれに付随する任意のネットワークを必要とする組織内ネットワーク環境の構築等には利用することが出来ない仕様となっている.そこで,本論文では,VCLを改変し,利用者の所望する任意のネットワーク構成を仮想マシン及び仮想スイッチを用いてイントラネット環境として構築し,提供するイントラネット環境仮想化システムの提案及び実装を行った. |
題名 | OpenFlowと協調する仮想マシン環境におけるリアルタイム通信基盤の設計 |
著者 | *鈴木 健一, 宮田 宏, 佐藤 未来子, 並木 美太郎 (東京農工大学) |
Page | pp. 1859 - 1866 |
Keyword | 仮想マシン, OpenFlow, リアルタイム通信, QoS |
Abstract | 音声通話や動画像のストリーミングではネットワークのリアルタイム性を確保するQoSが必要である.さらに,近年研究の進んでいるリアルタイム仮想マシンからのリアルタイム通信を行いたいという要求がある.しかし, VM間でのEndtoEndのリアルタイム性の保証について課題がある.本論文では,VMM層にリアルタイム通信機能を付加し,ネットワーク制御にはOpenFlowを利用することにより,異なる計算機上で動作するVM間のリアルタイム通信基盤を提案する.VMM層でリアルタイム通信を管理することで,ゲストOSがリアルタイム通信を管理する必要がなくなるため,ゲストOSへの修正を最小限に抑えられる.さらに,動的にネットワーク構成を変更可能であるOpenFlowネットワークを用い,帯域制御と優先制御をVMMとOpenFlowで協調して行うことで,ネットワーク全体のリアルタイム性の保証を実現する.RTvNICシステムの基礎評価として,パケットへのデッドライン時間のマーキングとEDFスケジューリングを用いることで,既存手法と比較し,最悪転送時間を約92ms削減できたことを確認した. |
題名 | ホームネットワーク仮想化システムの提案 |
著者 | *濱田 貴広, 五十嵐 弓将, 北爪 秀雄 (NTTセキュアプラットフォーム研究所) |
Page | pp. 1867 - 1873 |
Keyword | ホームネットワーク, VPN, 仮想化 |
Abstract | 近年,M2Mや情報家電の発展により,家庭内のいわゆるホームネットワーク(ホームNW)はPC等が接続された単純な構成から,多様な機器やサービスが接続された構成になりつつある.ホームNW上のリソースを必要に応じて柔軟に拡張できるようにするため,本稿では,ホームNWの一部をデータセンタ(DC)上に仮想的に構築するためのホームネットワーク仮想化システムを提案する.提案システムでは,ユーザ宅側の宅内NWとDC上に構築される仮想ホームNWにVPN機能を備える通信制御装置を設置し,拠点間をL2-VPNトンネルで接続することによってセキュアで単一セグメント化されたホームNWを構築する.また,IPv4インターネットのゲートウェイ(GW)をDC側,IPv6インターネットのGWをユーザ宅側に配置する構成とするため,通信制御装置によって提案システムで構成されるホームNWとIPv4/IPv6インターネットの間の通信トラフィックを制御する.提案システムのプロトタイプを構築して,実網にて通信性能に関する測定実験と映像コンテンツ視聴の主観的評価を行ってフィージビリティを確認した. |
題名 | インタークラウドにおけるインスタンスマイグレーションに関する高速化手法の一検討 |
著者 | *山下 暁香, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
Page | pp. 1874 - 1879 |
Keyword | インタークラウド, マイグレーション, セキュリティ, 高速化 |
Abstract | 近年,実世界におけるデータ量の増加―ビッグデータにより,大量のデータがローカル端末ではな く,クラウド上で管理されるようになった.クラウドにおける大量のデータ処理には多くの利点があるが, セキュリティという面で無視できない欠点がある.特に,2,3 年以内に実用段階になる技術と言われている インタークラウドでは,VM のマイグレーションはセキュアなネットワークを通して行われることが必須 である.しかし,セキュリティとマイグレーションの速度はトレードオフの関係にあり,セキュリティを 強くすればマイグレーションの速度は遅くなる.本論文では,インタークラウドにおけるマイグレーショ ンのセキュリティと速度の双方を両立するマイグレーション方法を提案する.本論文における提案手法で は,暗号化と復号のタイミング及び部分を上手く調節することで既存のマイグレーション手法の速度が改 善できることを示した.本論文の実機実験では,マイグレーション前に VM のイメージを圧縮し,差分部 分のみを暗号化することで,120ms 以上の高遅延環境で,既存のマイグレーション手法の 70% 以下の移動 時間でマイグレーションが実現できることを示した. |