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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 7E  OSSとプログラミング
日時: 2013年7月12日(金) 8:55 - 10:15
部屋: 銀鱗
座長: 福島 拓 (静岡大学)

7E-1 (時間: 8:55 - 9:15)
題名OSSシステムとコミュニティの共進化の理解を目的としたデータマイニング手法
著者*山谷 陽亮, 大平 雅雄 (和歌山大学システム工学部), Passakorn Phannachitta, 伊原 彰紀 (奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科)
Pagepp. 1695 - 1703
Keyword共進化, 協調作業, オープンソース, コミュニティ
Abstractオープンソースソフトウェア (OSS) を活用したシステム開発が一般的になりつつある一方,「サポートが得られるかどうか分からない」などの理由から,依然としてOSSの活用に躊躇するシステム開発企業は少なくない.本研究では,OSSシステムとコミュニティの共進化のプロセスを定量的に分析するためのデータマイニング手法を提案する.本手法は,遅延相関分析の考え方に基づき,一方の進化の系列が他方の進化の系列に与える影響を一定時間後に観察できることを考慮したものである.また,遅延相関分析を容易に行うために,遅延相関係数が最も高くなる際の各種パラメータを自動的に求める点に特徴がある.提案手法の有用性を確かめることを目的として,ApacheおよびEclipseコミュニティを対象としたケーススタディを行った結果,遅延相関を考慮しない従来の分析結果と比べて,提案手法は共進化のプロセスをより正確に観察できることを確かめた.

7E-2 (時間: 9:15 - 9:35)
題名OSS開発における一般開発者の協調作業と不具合の再修正に関する一考察
著者*林 宏徳, 伊原 彰紀, 門田 暁人, 松本 健一 (奈良先端科学技術大学院大学 情報科学研究科)
Pagepp. 1704 - 1709
Keywordオープンソースソフトウェア, 不具合修正, 協調作業, コミッター
Abstract概要:近年,オープンソースソフトウェア (OSS) が官公庁,教育機関だけでなく,商用ソフトウェアの一部に利用する企業等が増加し,OSS が幅広いサービスを提供するようになっている.その一方で,ソフトウェアの高機能化にともない,不具合を修正するためには,ソフトウェアが備える各機能の専門家による協調作業が必要となりつつある.しかし,不具合が正確に修正されず,約 15%は修正作業の手戻り(再修正)が発生し,修正時間の遅延,開発コストの増大を招いている.我々はこれまで,複数のコミッターが検証作業を行うと再修正が発生しやすいことを明らかにしている.本稿では,開発者が協調的に修正作業を行った場合の再修正を分析する.

7E-3 (時間: 9:35 - 9:55)
題名プログラミング授業において利用可能なMoodleプラグインの試作
著者*市村 哲, 川端下 和紀, 吉田 匠汰, 中村 亮太 (東京工科大学)
Pagepp. 1710 - 1716
Keyword情報教育, Moodle, プログラミング学習
Abstractプログラミング授業は大学や専門学校等の情報系学科では必須科目となっているが,大学で初めて習う学生の多くはプログラミングに対する苦手意識が強い.一方,近年,Moodleを用いた学習支援システムが注目されている.Moodleはオープンソースによって開発されている学習管理システム(LMS)の1つであるが,Moodleを導入する機関が急増していることが報告されている.今回著者らは,Moodleをプログラミング講義に導入することを想定した場合に,「穴埋め問題を作成する際,Moodle独自の形式に沿って入力しなければならず扱いが困難である」という問題と,「MoodleのHTMLエディタでは,ソースコードを見やすく表示するためのインデントや行番号が表示されない」という問題があることに着目した.そして,Moodle上でソースコードを適切に表示することができるモジュール,および,穴埋め問題作成エディタを,Moodleプラグインとして開発・実装した.

7E-4 (時間: 9:55 - 10:15)
題名学習者特性を考慮した大学等における原稿作成指導手法の検討 -ソフトウェア信頼度成長モデルによる-
著者*土井 崇, 奥田 隆史, 井手口 哲夫, 田 学軍 (愛知県立大学大学院 情報科学研究科 情報システム専攻)
Pagepp. 1717 - 1721
Keyword社会人基礎力, アクティブラーニング, 原稿作成プロセス, ソフトウェア信頼性モデル, 遠隔教育
Abstract経済産業省では「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」を「社会人基礎力」として定義している. 社会人基礎力は,受動的に講義を受講するだけでは身に付けることが難しい能力である.そこで,本研究ではこの能力を向上する機会として,理工系学生が教員等と共著の学会原稿の作成を行なっていることに注目する.この原稿作成プロセスを学生の能動的学習を促すアクティブ・ラーニングをおこなう機会と捉えることで学生の能力向上を支援するとする.この原稿作成プロセスをアクティブ・ラーニングと捉えた場合の問題点は,学生の原稿作成・修正スキルや意欲等の個人差に強く左右されるため,計画的に進まないことである.そこで,本稿では原稿作成をソフトウェア信頼度成長モデルにより表現することで,学生に対しての原稿作成指導手法について検討する.また,学生の原稿作成について不完全な修正も考慮することで,より現実的なモデルとした.