題名 | データベース処理実行時における省電力化のためのストレージ制御手法の提案 |
著者 | *飯村 奈穂 (お茶の水女子大学), 西川 記史, 中野 美由紀 (東京大学生産技術研究所), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
Page | pp. 1646 - 1652 |
Keyword | 省電力, ストレージ, データインテンシブアプリケーション, 性能評価, TPC-H |
Abstract | 近年のデジタル情報量の爆発的な増加により,ストレージの出荷容量台数も急増している.これによるストレージの管理運用コストは見過ごせないものとなっており,データの効率的管理に注目が集まっている.データセンタのエネルギー消費量は2050年には2010年度の日本の発電電力量の約3倍になると予測されており,社会全体での節電が求められる中でデータセンタの消費電力を削減することは急務である.また,データセンタの消費電力割合の中でストレージの消費電力は約13%であることから,ストレージの消費電力を削減することにより,データセンタ全体を一定量省電力化することが可能であると言える. そこで,本研究ではデータの効率的管理という点からクラウド上のデータベースの省電力化を考え,本論文では業界標準のデータベースベンチマークであるTPC-Hの実行時省電力化に向けて,TPC-H実行時のシステム性能と消費電力量の解析を行い,ディスクの省電力状態とI/O発行間隔を利用することによるTPC-H実行時の省電力化が可能であるということを示した.また,実行時のI/O発行間隔の制御を行うためのデータ配置についても検討を行い,本研究で提案した手法がTPC-Hの実行時省電力化に有効であることを示した. |
題名 | HDFS対応型スケールアウトNASの性能評価 |
著者 | *佐藤 充 (神奈川工科大学 情報工学科), 神崎 浩貴, 川田 翔士 (神奈川工科大学大学院 工学研究科), 杉山 俊 (図研ネットウエイブ株式会社), 大塚 真吾 (神奈川工科大学 情報工学科) |
Page | pp. 1653 - 1656 |
Keyword | Hadoop, スケールアウトNAS, Isilon |
Abstract | ストレージ製造の大手であるEMC社のIsilonが,Hadoopの分散ファイルシステムであるHadoopDistributedFileSystem(HDFS)への対応を発表した.HadoopはHDFSと分散処理フレームワークであるMapReduceで構成される大規模データのための並列分散処理基盤であり,複数のコンピュータを連携させて運用する事で,テラバイトからペタバイト級の巨大ファイルも扱うことができる.しかし,詳しい性能や各種パラメータの傾向などは明らかになっていない.そこで,本研究では,ベンチマークを用いて通常のHDFSとHDFS対応のIsilonを用いた場合での書込みと読込み性能の比較検証を行う. |
題名 | 仮想環境下におけるゲストOS間共有ライブラリーの構築手法 |
著者 | *坂下 善彦 (湘南工科大学 情報工学科), 中尾 司ピエール (湘南工科大学 大学院 工学研究科) |
Page | pp. 1657 - 1662 |
Keyword | 分散処理, OS, ネットワーク射, 仮想計算機, 共有ライブラリ |
Abstract | 同一のあるいは類似のOSが備えている共通のライブラリーを,KSMの機構とは別に,メモリ管理機構において管理している当該共通ライブラリーの格納されている場所データを,ホストOSが司るメモリ管理機構が管理する共通領域に射影させてre-entrantな共通ライブラリーとして管理する手法を検討している. LD_LIBRARY_PATH環境変数と関連する管理データ(プログラムの配置に関するmm_struct, プロセスの配置に関するvm_area_struct,等)に注目して,仮想計算機の間で連携して実現する方式と,仮想計算機とホスト間で連携する方式を想定している.これらに基づく構築手法の検討状況を報告する. |
題名 | 高スループットを実現するOS処理分散法の実現 |
著者 | *佐古田 健志, 山内 利宏, 谷口 秀夫 (岡山大学 大学院自然科学研究科) |
Page | pp. 1663 - 1670 |
Keyword | マルチコア, マイクロカーネル, OS処理, 処理分散, 通信制御 |
Abstract | 計算機ハードウェア性能と通信速度の向上により,映像や画像といった大容量のデータを高速に送受信することが可能になっている.このようなデータの送受信に用いる通信路には,高スループットが求められる.このため,複数の低速度な通信路を利用し,高スループットを実現する制御法の研究が行なわれており,モノリシックカーネル構造のオペレーティングシステムにおいて既に実現されている.この制御法は,マルチコアプロセッサ上で動作する環境において,NIC を複数搭載することにより実現できる.しかし,複数の NIC ドライバ処理へのパケット分割によるプロトコル制御のオーバヘッドが大きくなるため,プロトコル制御を含む通信制御処理がボトルネックになり,スループットの向上に制約がある.そこで,本稿ではマイクロカーネル構造の OS において NIC ドライバ処理と通信制御処理を実行する OS サーバを複数起動し,各コアに分散することで高スループットを実現する OS 処理分散法を提案する.また,マイクロカーネル構造である AnT オペレーティングシステムにおける OS 処理分散法の実現方式について述べ,評価結果を報告する. |