題名 | 指向性アンテナを用いた全二重無線通信のためのルーティングプロトコル |
著者 | *加藤 克洋, 萬代 雅希 (上智大学) |
Page | pp. 1558 - 1562 |
Keyword | 全二重無線通信, 指向性アンテナ, ルーティング |
Abstract | 近年,全二重無線通信が注目されている. 全二重無線通信とは同一周波数で送受信を同時に行う技術である.これまでに指向性アンテナを用いた全二重無線通信のためのノードアーキテクチャが考案されている.特定の方向のみ大きなアンテナゲインをもつ指向性アンテナを用いることで,通信相手以外との干渉を減らすことができる. また,このノードアーキテクチャの特徴は単一トラフィックフローの場合,送信元ノードと宛先ノード間のホップ数が増加してもスループットの減少が小さい点である.しかし,複数のトラフィックフローが存在する場合,隠れ端末問題により,スループットの性能が劣化する.本論文はマルチホップネットワークにおける指向性アンテナを用いた全二重無線通信のためのルーティングプロトコルを提案する.提案方式は,トラフィックフローが交わらないように迂回させて経路を構築することで隠れ端末問題を低減し,スループットの向上を図る. |
題名 | 通信状態を考慮したアドホックルーティングプロトコルの提案 |
著者 | *三鴨 勇太, 旭 健作, 鈴木 秀和, 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科情報工学専攻) |
Page | pp. 1563 - 1568 |
Keyword | アドホックネットワーク, ルーティングプロトコル |
Abstract | 概要:無線端末が自律的に構成するアドホックネットワークにおいて,UDP とTCP で別々にルーティングテーブルを生成し通信タイプの特性を活かすと共に,特定のノードへの負荷集中を抑制する経路制御を実現するアドホックルーティングプロトコルPD-OLSR(Proto col Dep endent-OLSR )を提案する.本論文では,PD-OLSR の機能のうち,UDP 用に対応するのルーティングテーブル生成機能の実装方法を示す.シミュレーションによる通信性能の評価を行った結果,最短経路よりもホップ数を増やし迂回する経路を用いることで性能が向上することを確認した. |
題名 | アドホックネットワークにおけるトラストを考慮したセキュアルーティングの検討 |
著者 | *牛窪 洋貴, 武田 苑子, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 1569 - 1576 |
Keyword | アドホックネットワーク, セキュリティ, トラスト, ルーティング |
Abstract | モバイルアドホックネットワーク(MANET)では,リソース温存のためパケットを意図的に破棄する利己的ノードへの対策として,トラストによるセキュアルーティングプロトコル(SRP)が研究されている.トラストとは評価値と呼ばれるユーザの信頼度を表す値を用いてセキュリティを構築する手法である.MANETでは評価値はノードが正常にパケットを転送するか否かの信頼度を表す.しかし,従来のSRPはより安定した経路を探索するためパケットが増加し,オーバーヘッドが増大するという問題がある.そこで,本論文では評価値を用いて経路構築にかかる制御パケットを削減する手法TA-AODVを提案する.提案手法では既存のSRPにおいて余剰なルートリクエスト(RREQ)パケットと経路更新(RUPD)パケットが転送されている事に着目し,これらの削減を行う.まず,評価値をRREQパケットの転送基準としても利用し,安定したデータ転送経路をより少ないRREQパケット数で構築する.また,経路情報の変化量に応じてRUPDパケットを転送する事で効率的に経路の維持を行う.提案手法の評価はシミュレーションにより行い,高いデータパケット到着率を達成しつつ,制御パケット数を削減しているという結果からTA-AODVの有用性を示す. |
題名 | OLSRにおける輻輳制御のための迂回路構築手法 |
著者 | *梶 清貴 (和歌山大学大学院 システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学 システム工学部) |
Page | pp. 1577 - 1583 |
Keyword | MANET, OLSR, 経路制御, 輻輳制御, 迂回路 |
Abstract | 無線端末のみにより自律的に構成されるMANETは,低コストで広範囲にネットワークの接続性を提供できる技術として,盛んに研究されている.MANETでは,IEEE802.11のような広く普及した通信方式を用いることが主流であるが,IEEE802.11では局所的に隠れ端末問題が発生した場合でも通信性能が大きく損なわれ,輻輳の原因になることが知られている.隠れ端末問題により輻輳が発生する場合には,輻輳の原因となる領域は比較的広く,適応的にこの領域を迂回するルーティング方式が有効であると考えられる.しかし,これまでに研究されてきた迂回路構築法では,次ホップリンク,或いは次ホップノードを迂回する程度の小さい迂回路しか提供できず,輻輳の原因領域を迂回するには十分でない.本研究では,代表的なプロアクティブ型経路制御プロトコルであるOLSRを拡張し,輻輳の原因領域を迂回する,従来よりも大回りの迂回路を構築する.これにより,輻輳検出時に,ノードがパケットを適応的に迂回路に転送することで,局所的な輻輳発生時にもネットワーク性能の低下を抑え,輻輳制御を行うことを可能にする. |
題名 | モバイルアドホックネットワークにおけるユーザー利用時間に基づく消費電力公平化ルーティング制御 |
著者 | *市川 潤紀, 阪田 史郎, 小室 信喜 (千葉大学大学院融合科学研究科) |
Page | pp. 1584 - 1589 |
Keyword | モバイルアドホックネットワーク, マルチチャネル, バッテリー, ユーザー利用時間, 公平化 |
Abstract | 一般に無線ネットワークでは,端末のバッテリー容量は限られており,各端末における消費電力は公平であることが望ましい.一方,ユーザ自身のネットワーク利用形態を考えると,端末の通信開始時刻,連続通信時間が利用者によって異なることが想定される. 端末のユーザ視点から,公平にリソースを消費する制御方式のためには,ネットワークの利用時間を考慮することが必要であるが,そのような研究は少ない. 本論文では,著者らの従来の研究である,利用者のネットワーク利用時間あたりの消費電力公平化ルーティング方式を,マルチチャネル環境に発展させ,配信率と公平性のさらなる向上を図る. シミュレーション評価では,代表的なルーティングプロトコルであるAODV(Ad hoc On-demand Distance Vector),負荷分散方式として代表的なLBAODV(Load Balancing AODV),著者らの従来方式,本論文の提案方式を比較し,提案方式が有効であることを示す. |