題名 | 受講者の即時的な反応を記録する授業トラッキングシステムの開発と評価 |
著者 | *谷村 祐, 納富 一宏 (神奈川工科大学大学院工学研究科情報工学専攻) |
Page | pp. 976 - 979 |
Keyword | 教育支援, 授業トラッキング, 教育工学, 授業支援, クリッカー |
Abstract | 本研究では,これまで質を伴った学修時間を確保する手段として課題レポートのやり取りに着目し,それをサポートするシステムの検討,構築を進めてきた.そこで,課題の再提出を支援する機能を持った課題提出システムと個人の能力を考慮した上で,リマインド情報の提示タイミングや頻度を自動的に設定するリマインダを開発した.しかし,教育の支援を行うためには,講義の部分に関しても支援を行うシステムの検討,開発が必要である.本稿では,即時的反応追跡システムとして,授業時にリアルタイムで授業の理解度や難易度などを投票し,即時的な反応を記録することを目的とした Webベースの授業支援システムについて述べる.また,実際の講義での稼働実験を行い,システムの有効性の分析と評価を行った.稼働実験において,ある程度の投票件数を得られたことと,アンケートにおいて,多くの学生から高評価を得られたことから,このシステムが授業支援に有効である可能性が示唆された. |
題名 | リアルタイム/非リアルタイムウェブコミュニケーションをサポートするブラウザ同期方式 |
著者 | *田坂 和之, 大岸 智彦, 井戸上 彰 (KDDI研究所) |
Page | pp. 980 - 988 |
Keyword | WEBサービス, ブラウザ, 同期制御 |
Abstract | 本論文では,ブラウザの表示画面やブラウザ上でのボタン押下などの操作を,複数のユーザ間でリアルタイム/非リアルタイムに共有する,ブラウザ同期方式を提案する.コールセンターや遠隔授業のようなサービスにて,従来方式では,円滑なコミュニケーションを目指し,オペレータがユーザのブラウザ操作を遠隔支援するブラウザ同期を実現する.さらに,提案方式は,オペレータの存在有無に関わらず,サービスを提供可能とする.具体的には,リアルタイムだけでなく,非リアルタイムなウェブコミュニケーションでもブラウザ同期を実現するため,オペレータによる操作内容や操作時刻を含む同期情報を保存し,コンテンツへ自動付与することによって,操作情報の共有時刻を変更する.このタイミングを,音声や映像のストリーミングコンテンツの出力時刻や通信環境(ネットワーク遅延やレンダリング性能)に応じて決定する.さらに,提案方式を評価するため,プロトタイプシステムを実装し,ブラウザ間での出力時刻の差や異種ウェブコンテンツの出力時刻の差を計測した.結果,その出力時刻の差は300-400msとなり,提案方式は同期範囲の目安である時間(400ms)以内を実現できることがわかった. |
題名 | クラウドソーシングを用いた日本語オノマトペの対訳作成手法の提案 |
著者 | *福島 拓 (静岡大学大学院工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部) |
Page | pp. 989 - 995 |
Keyword | 多言語間コミュニケーション, 情報・データ・知識の管理, オノマトペ, クラウドソーシング |
Abstract | 現在,グローバル化による多言語間コミュニケーションの機会が増加している.しかし,多言語間での正確な情報共有は十分に行われていない.正確な多言語支援が求められる場では,多言語用例対訳が多く用いられている.用例対訳の作成には多言語の知識が必要となるが,多言語話者の人数は少なく,大きな負担がかかっている.また,擬音語や擬態語である「オノマトペ」は日本語特有のものが多く存在しているため,翻訳が困難な語である.そこで本稿では,単言語話者のみでオノマトペを含む多言語用例対訳候補の作成を行う,日本語オノマトペ対訳作成手法の提案を行う.本提案では,オノマトペの言い換え表現を作成することで正確な多言語対の作成を目指す.また,クラウドソーシング上の労働者に作業委託を行うことで,安価に用例対訳の作成を目指す. |
題名 | 気象センサネットワークを活用した災害情報提供による高校生への防災教育 |
著者 | *廣井 慧 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科), 妙中 雄三 (東京大学情報基盤センター), 横山 仁 (東京都環境科学研究所), 中谷 剛, 三隅 良平 (独立行政法人 防災科学技術研究所), 中山 雅哉 (東京大学情報基盤センター), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) |
Page | pp. 996 - 1001 |
Keyword | 気象センサネットワーク, 防災教育, 災害情報 |
Abstract | 近年、都市部において短時間強雨等、局地的な極端現象の発生が増加傾向にあることが指摘されている。 突発的に発生する短時間強雨は、事前の予測が難しく高い危険回避能力が求められる。 本研究では高校生を例にとり短時間強雨のような水害の危険回避のための情報伝達を行う。 情報伝達には降雨現象を数値化するシステムを活用し、高校生がリアルタイムで情報を入手する環境を構築する。 実際に降雨が発生している状況下で短時間強雨の観測値と被災状況を比較することで、観測値に対する理解と水害の危険に関する認識を高めさせる。 その結果、危険回避をする防災対応能力の向上させ、本研究で目的とする防災教育の実施が可能となる。 本稿では降雨の現象をリアルタイムで数値化するシステムを用いて、高校生が部活動中や帰宅中に数値情報を入手するための受信機器や提示する情報内容、提示方法の検討を行う。 選定した受信機器にリアルタイムで数値情報を送信するためのシステムを構築し、高校生に対する情報提供の影響に関する分析結果を示す。 |