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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 4C  マルチメディアネットワーク
日時: 2013年7月11日(木) 8:45 - 10:25
部屋: 白樺
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

4C-1 (時間: 8:45 - 9:05)
題名低遅延により自然な遠隔コミュニケーションを実現する映像配信システムの提案
著者*徳差 雄太 (慶應義塾大学 環境情報学部), 松谷 健史, 空閑 洋平 (慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究課), 村井 純 (慶應義塾大学 環境情報学部)
Pagepp. 911 - 917
KeywordHDMI, FPGA, マルチメディアネットワー ク, マルチメディアシステム
Abstract遠隔地間における自然な映像コミュニケーションの実現には,終端装置間の総遅延を第一に考えた 映像システムと配信ネットワークが必要になる.本論文では,現在のインターネットを転送インフラとし て最大限に利用した低遅延かつ高解像度映像システムの実現を目指し,現在普及している映像コミュニ ケーションツールのコーデック,ネットワーク,映像インタフェース装置を含む総遅延の計測を行った. その結果,各家庭に普及しているインターネットや,ディスプレイ,ビデオカメラの映像インタフェース を利用することによって,低遅延による自然な映像コミュニケーションが十分実現可能なことが明らかに なった.一方で, 自然な映像コミュニケーションの実現のためには,既存の映像符号化手法および映像伝 送プロトコルには未だ技術課題があることを整理して示した.また,FPGA を用い,フレームを細分化し た単位でパイプライン処理を行低遅延映像配信システム設計を提案し、そのシステム設計を議論した.

4C-2 (時間: 9:05 - 9:25)
題名DTNとMPEG-DASHを用いた無線LAN Streamingの特性評価
著者*松本 光広, 大木 哲史, 甲藤 二郎 (早稲田大学基幹理工学研究科情報理工学専攻 甲藤研究室)
Pagepp. 918 - 922
KeywordDTN, MPEG-DASH, デジタルデバイド, Ad-Hoc, Streaming
AbstractDTNの一つの応用分野として発展途上国におけるデジタルデバイドの解消が現在注目されており、筆者が所属するe-Education Projectはバングラデシュでは都市部・農村部間のデジタルデバイドにより教育も通信も貧弱な同国の農村部に住む高校生達にDVD授業を提供し、教育格差の緩和に努めている。しかし校舎数・生徒数が増えるなか従来のDVDメディアによるコンテンツ運搬に人的・時間的なコストがかかり問題となっている。またDTNの一手法であるMessage Ferryは物理的に移動する端末Ferryをデータ転送の手段として使用するが、多くの研究がバスや電車等の交通機関をFerryとして活用・想定しているため今後通信時のFerryの停留時間が問題となってくる。本稿では、以上の問題を解決するため複数枚のDVDメディアを運搬する作業をDTN型のFerry方式に置き換え、かつStreaming方式としてMPEG-DASHを用いた場合の特性評価と通信時間短縮方式の報告を行う。これによりStreaming方式により短縮可能な通信時間に明らかな違いがあることが分かった。

4C-3 (時間: 9:25 - 9:45)
題名無線環境における異なるTCP上のMPEG-DASH / HTTP Live Streamingの性能比較
著者*武藤 健史, 野崎 寛也, 金井 謙治, 大木 哲史, 甲藤 二郎 (早稲田大学)
Pagepp. 923 - 927
KeywordHTTP Live Streaming, MPEG-DASH, TCP, 無線
Abstractモバイルビデオは2017年までにモバイルデータトラフィックの66%以上を占める見込みであるとCiscoから発表された。このような現状においてストリーミング技術にたくさんの改善が求められる。近年ではHTTP Streamingが主流となっており、ライブ放送を想定したHTTP Live Streamingの報告が行われ、さらに動的かつアダプティブにビットレートを変化させるMPEG Dynamic Adaptive Streaming over HTTP (MPEG-DASH) の国際標準化も完了している。本研究ではモバイル環境を想定し、異なるTCP上(TCP-Reno/ TCP-Vegas/ CUBIC-TCP)でMPEG-DASH/ HTTP Live Streamingの性能比較を行った.アダプティブにビットレートを変化させる新しいストリーミング技術の特性を確認するこができた。

4C-4 (時間: 9:45 - 10:05)
題名マルチビュービデオのクロスレイヤ型伝送方式に関する検討
著者*藤橋 卓也 (静岡大学 情報学研究科), 小寺 志保, 猿渡 俊介 (静岡大学 情報学部), 渡辺 尚 (大阪大学 情報科学研究科)
Pagepp. 928 - 937
Keywordマルチビュービデオ, クロスレイヤ, 水中音響通信
Abstractマルチビュービデオの研究は,従来,有線網などのネットワークを前提として,トラフィックの削減,応答 遅延の削減,映像品質の維持に焦点が当てられてきた.しかしながら,マルチビュービデオをより多くの 場面に応用するため,劣悪な環境を通したマルチビュービデオ伝送が必要となると考えられる.本稿では, 劣悪な環境の例として水中音響通信を想定し,これら3 つの要件を満たすために,MAC 層とアプリケー ション層のクロスレイヤ伝送方式であるSlipped-TDMA および予測伝送方式であるZaoral Streaming を 提案する.Slipped-TDMA では,水中音響通信の帯域を最大限活用するため,水中音響通信における伝搬 遅延およびビデオエンコーダとユーザ間で発生するトラフィックの非対称性を考慮して,タイムスロット の割り当てを行う.Zaoral Streaming では,応答遅延を削減するため,割り当てられたタイムスロットを 利用し,ユーザが次に試聴する可能性が高いカメラを予測することで,ユーザがカメラを切り替える前に 映像を伝送する.予測が失敗した場合は,トラフィックと応答遅延の増加及び映像品質の劣化を抑制する ため,送信済みの映像を用いてユーザが必要とするカメラ映像の符号化を行う.MERL が提供するテスト ビデオシーケンスを利用した計算機シミュレーションにより,提案方式は単純な伝送方式と比較して応答 遅延が大幅に減少することを示す.またZaoral Streaming によって,予測失敗時でも,トラフィックの増 加と映像品質の劣化を抑制することを示す.