題名 | 車車間通信による車載映像合成の提案 |
著者 | *中村 舜 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 橋本 幸二郎 (名古屋大学大学院), 澤野 弘明 (愛知工業大学大学院経営情報科学研究科), 土屋 健 (諏訪東京理科大学), 小柳 恵一 (早稲田大学) |
Page | pp. 684 - 687 |
Keyword | 車車間通信, 車載カメラ映像, 合成処理, オクルージョン, ナビゲーションシステム |
Abstract | 経路案内の一表示方式として車載カメラを用いたAR表示が利用されている.この表示方式では車載カメラで撮影された視界風景に経路案内情報を重畳して表示する.そのため,視界風景に違和感なく経路案内が可能である.一方で,撮影された視界風景には経路案内情報に不必要である周辺車両,通行人などの動的な情報(遮蔽物) も映しだされている.そこで著者らは車載カメラに加え,クラウドに接続された複数のカメラを利用した画像合成により画像上の前方車両などの遮蔽物の領域を削除する方法を提案している.画像の合成には,画像上の特徴点を画像処理技術により抽出し,特徴点の対応点に基づいた射影変換行列を算出し,後方車両の画像に適用する.そして前方車両,後方車両の画像を合成する.本稿ではオフライン環境における2枚の静止画像の合成処理を行い,評価実験を行った.実験の結果,合成結果において主観的に自然な合成結果が得られた.一方で,前方車両からの画像の領域が大きいという結果が得られた.最後に,本システムを実装するための予想される問題点をまとめ,今後の課題を示す. |
題名 | VNS:可視グラフに基づく屋内環境ナビゲーションシステム |
著者 | *町田 理, 町田 直哉 (早稲田大学大学院基幹理工学研究科情報理工学専攻), 柳澤 政生 (早稲田大学大学院基幹理工学研究科電子光システム学専攻), 戸川 望 (早稲田大学大学院基幹理工学研究科情報理工学専攻) |
Page | pp. 688 - 701 |
Keyword | ナビゲーションシステム, 可視グラフ, 屋内環境, 経路探索, 経路誘導 |
Abstract | 近年,移動通信網の発展や計算機の小型化・高性能化により携帯電話,タブレット端末が普及し,多くの人が外出時にこれらモバイル端末を所持するようになった.モバイル端末はGPSや加速度センサを搭載し,これらによりユーザの位置情報を用いた観光場所やグルメ表示などの情報提供のサービスが普及している.特に,ユーザが未知の場所において周りの情報を得るために利用する地図表示や,目的地への移動を補佐するナビゲーションシステムが普及している.これらのサービスで用いられる位置情報はGPSによる位置測位を使ったものが主である.GPSによる位置測位は屋外では精度が良いが,屋内では極端に悪化する.そのため,屋内で位置情報を用いるサービスは屋外のものに比べて少ない.しかし,空港や駅などの大型の施設上では屋内環境での位置情報を必要とするサービスの需要がある. 現在屋内環境向けのナビゲーションは屋内の複雑な建物構造や位置測位の難しさなどの要因により停滞している.この停滞している原因は,ナビゲーションの構成要素ごとに問題が起因しているためである.ある出発地点からある目的地点までのナビゲーションの構成要素は大きく分けて以下の3項目である. (1)位置測位 (2)経路探索 (3)経路誘導 (1)の位置測位は屋外空間ではGPS衛星を利用する手法が主流であるが,屋内空間では衛星からの電波を受信する際に信号が遮断される場所が多いため,この手法は利用できない.そこで,屋内環境の位置測位ではRFIDを利用する研究や無線LANを利用する研究など様々な研究がなされている.(2)の経路探索は屋外空間では道路ネットワークを利用した研究が行われている.しかし,屋内空間では道路ネットワークは存在せず,空間のモデル化の研究などが行われているが少ない.(3)の経路誘導は,屋外空間では建物名や交差点をランドマークとして利用できるため,案内文やマップがわかりやすい.しかし,屋内空間ではランドマークが少ないため,それらを表示した際にユーザにとって理解しにくいものとなる.理解しやすい案内文の研究が行われている. 本稿では,これら3つのナビゲーションの構成要素を取り入れたトータルなナビゲーションシステムとして屋内環境向けナビゲーションシステムVNS(Visibility-graph-based Navigation System)を提案する.VNSは歩行者に対し屋内環境でモバイル端末を利用して案内することを目的とし,可視グラフによる屋内環境モデルに基づくナビゲーションシステムである.VNSを実環境に適用し,ユーザ評価実験を行った.ユーザ評価実験では2種類の歩行経路を4人の被験者が歩行し,アンケートによってユーザ評価の結果を得た.その結果から位置測位,案内誘導,ユーザ視点の観点からそれぞれ項目ごとにVNSの今後の方針を検討する. |
題名 | ランドマーク表示歩行者向けナビゲーションシステム |
著者 | *岩田 裕樹 (早稲田大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻), 柳澤 政生 (早稲田大学院 基幹理工学研究科 電子光システム学専攻), 戸川 望 (早稲田大学院 基幹理工学研究科 情報理工学専攻) |
Page | pp. 702 - 716 |
Keyword | ナビゲーション, 認知科学, モバイルコンピューティング |
Abstract | 未知な場所へ訪れる場合に,地図を用いた経路案内サービスを用いることがある.しかし,地図上の情報を誤認識と,目的地までたどり着けない場合がある.目的地まで迷わずたどり着くために必要な情報を読み取りやすい経路案内サービスが必要である.本稿では経路案内に必要な情報としてランドマークに注目し,どのようなランドマークが有効か事前調査し,その調査結果を用いたナビゲーションシステムを提案する.事前調査から,経路案内に必要な情報は「ランドマークを配置すべき場所」,「見やすいランドマーク」の二項目だと判明した.ランドマークを配置すべき場所に見やすいランドマークがあれば,地図の位置と現実の位置を照合できる.提案システムは,ランドマークを4つの役割に分けそれぞれ配色し,丸で表示する.4つの役割は,事前調査で得られた「ランドマークを配置すべき場所」にそれぞれ対応している.提案したナビゲーションシステムが経路案内に有効であることを,実地調査によって確認した. |
題名 | 歩車間通信を利用した歩行者状況に基づく歩行者安全支援システム |
著者 | *鈴木 結香子 (同志社大学理工学部), 松本 江里加 (同志社大学大学院理工学研究科), 島田 秀輝 (同志社大学研究開発推進機構), 佐藤 健哉 (同志社大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 717 - 722 |
Keyword | 歩車間通信 |
Abstract | 自動車が日常生活に欠かせないものとなる中,ITS(Intelligent Transport System:高度交通システ ム) では車対車や車対人の交通事故を削減するために安全運転支援システムの開発・実用化が進められて きており,情報通信技術や自動車制御システムの進化とともに,信頼性・耐久性の高い交通安全対策のシ ステム構築が進められてきている.しかし,これらの研究技術は車両が主体の交通安全対策システムであ り,歩行者目線に立った安全対策や高齢者や児童を優先的に交通事故から守ることが課題とされる.本研 究では,歩行者目線から高齢者・児童を優先的に交通事故から守る支援ができていないという問題点を解 決するために,歩車間通信を利移用した歩行者安全支援システムを提案する.歩行者端末から位置情報・ 速度・年齢情報をサーバが受け取り,サーバが歩行者の状況を判断し,交通事故の可能性が高い場合,歩 行者に警告を行う.実機評価と既存技術の比較により提案システムは年齢情報を扱うため,高齢者と児童 を優先的に交通事故の危険から支援することが可能であると確認した. |
題名 | スマートフォン内蔵センサーを用いた複数フロアーデッドレコニング |
著者 | *五百蔵 重典, 鈴木 孝幸, 田中 博 (神奈川工科大学/情報工学科) |
Page | pp. 723 - 735 |
Keyword | スマートフォン, 加速度センサー, ジャイロセンサー, 気圧センサー, 測位 |
Abstract | 我々は,屋内向けナビゲーションのための基礎技術を研究している.本論文では,スマートフォンに内蔵されたセンサーを用いた基礎研究として,加速度センサーを用いた歩数検出,ジャイロセンサーを用いた曲がり検出,および気圧計を用いた在階検出の方法と計測精度について述べる.そして,これらのセンサーによって得られた計測結果とマップマッチング手法を組み合わせて,スマートフォンを用いた複数フロアー移動可能なデッドレコニングを行う.実験結果として,大学研究室があるような建物での複数フロアーのデッドレコニングを行えることを示す. |
題名 | 超音波測位と慣性測位による広域屋内測位のための地図情報提示システムの設計と構築 |
著者 | *屋良 朝克, 秋山 征己 (神奈川工科大学大学院 工学研究科 情報工学専攻), 鷹野 孝典, 五百蔵 重典, 田中 博 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科) |
Page | pp. 736 - 741 |
Keyword | Map Server, 地図情報, スマートフォン, 超音波測位, 慣性測位 |
Abstract | 筆者らは,広域で比較的測位精度の高い屋内測位を行うため,Android端末に内蔵されている慣性センサを利用した慣性測位と超音波測位を組み合わせた測位法を検討している.そのため,直観的な測位結果の理解やナビゲーションなどへの応用のために地図情報提示システムが必要となる.これまで筆者らは,超音波測位と慣性測位による広域屋内測位のための地図情報提示システムを構築してきた.その構成は,地図情報及び,ユーザごとの測位結果を格納するデータベース,現在位置や移動履歴を重ね合わせた地図情報画像を生成・出力するサーバとし,3Gネットワークや無線LANを介してスマートフォン上やPCなどどこからでもモニタ可能である.本論文では,筆者らが検討している広域屋内測位手法のための測位結果表示機能を伴った地図情報提示システムの実現を目的とし,システムへの要求条件を整理するとともにシステムの設計,構築を行い,本地図情報提示システムの動作検証,正常動作を確認したことを報告する. |