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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 2B  モバイルアプリケーション
日時: 2013年7月10日(水) 14:50 - 16:50
部屋: 柏・ポプラ
座長: 村尾 和哉 (神戸大学)

2B-1 (時間: 14:50 - 15:10)
題名暗号プロトコルの実装を支援するためのアプリケーションフレームワーク
著者*宮嵜 仁志 (名古屋工業大学), 毛利 公美 (岐阜大学), 白石 善明 (名古屋工業大学)
Pagepp. 264 - 270
Keyword暗号プロトコル, フレームワーク, ネットワークアプリケーション
Abstractネットワーク上で第三者に知られてはいけない秘匿情報をやりとりする際に暗号プロトコルが使われる.安全性が理論の上で証明されている暗号プロトコルでも,実装上の脆弱性により認証処理を迂回されてしまうこともある.秘匿情報を安全に活用するには,暗号プロトコルの実装を一定以上の安全品質で容易にできるような開発環境が提供されることが望ましい.一定以上の品質のアプリケーションを開発したいという要求を実現するためにアプリケーションフレームワークが利用される.ソフトウェアの構造を決め,処理の流れを制御するフレームワークならば,実装上の脆弱性を作ってしまう危険性を軽減できる. 本稿では状態遷移モデルに基づいて設計した暗号プロトコルの実装を支援するためのアプリケーションフレームワークを提案し,再利用性を評価する.提案したフレームワークを利用して暗号プロトコルアプリケーションを試作したところ,アプリケーションコード中のフレームワークコードが占める割合は7割程度であった.提案したフレームワークが高い再利用性を持ち,暗号プロトコルアプリケーションの開発を支援できることを確認した.

2B-2 (時間: 15:10 - 15:30)
題名移動データに基づいた地図変形による生活パターンの可視化
著者*横井 逸人, 松村 耕平, 角 康之 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 271 - 277
Keyword移動データ, 変形, 地図, 生活パターン, 可視化
Abstract本稿では,人々が生活している街の中で,徒歩や車などの異なった手段で移動したデータを蓄積し,その滞在時間や移動時間によって変形された地図「行動マップ」を生成するシステムを提案する.特定の場所へ移動した際の滞在時間や移動時間を基準にすることで,我々は行動マップが個人の動きが可視化できる地図になると考えた.具体的には,GPSによる移動データを利用することで,ユーザ自身の生活感覚やユーザにとっての新しい気付きを可視化できる時間地図を生成するシステムを試作した.例えば,同じ道のりでも,歩いて移動している時や車で移動している時では,移動にかかる時間は異なる.あるいは,家から職場への道のりを想像した時,人によって異なった場所に家や職場を持っているため,想像する道のりは異なる.上記により,行動マップは人々の生活に依存している,と言える.このことから,行動マップを見ることで,人が自分の住んでいる街をどのように考えているかを知ることによって新たな気付きがあったり,異なる背景を持つ人同士の地図を互いに見比べてみる事で新たな対話が生まれたりする,と考えている.

2B-3 (時間: 15:30 - 15:50)
題名モバイルセンサデータの取得支援のためのデータの時空間分布可視化について
著者*佐崎 悠, 神崎 映光, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科 マルチメディア工学専攻 マルチメディアデータ工学講座)
Pagepp. 278 - 285
Keywordモバイルセンサデータ, 時空間分布, 可視化
Abstract近年のセンサ技術の発展に伴い,スマートフォンなどのモバイルセンサ端末が普及しており,これら の端末から収集したモバイルセンサデータを活用する研究に注目が集まっている.ここで,モバイルセン サデータは時空間的に偏って存在する傾向があるため,その時空間的な分布を考慮して,ユーザのデータ 取得を支援する機構が必要である.本稿では,モバイルセンサデータの取得支援を目的として,データの 時空間的分布を可視化する機構を設計,実装した.提案機構では,地図インタフェースを等間隔のグリッ ド状に分割し,センサデータ数の分布を示すヒストグラムを重畳する.また,地図インタフェース上の描 画領域におけるセンサデータ数の時間的な分布をグラフとして提供する.これにより,データの時空間的 分布の直感的な理解を支援し,ユーザが求めるデータの取得を容易にする.

2B-4 (時間: 15:50 - 16:10)
題名電力モデルに基づくアプリ消費電力可視化ツールの評価
著者*神山 剛, 稲村 浩, 太田 賢 (NTTドコモ 先進技術研究所)
Pagepp. 286 - 292
Keywordスマートフォン, 消費電力, アプリケーション, 開発ツール, Android
Abstract本稿はAndroid アプリケーションの実利用環境において利用可能なアプリ消費電力の評価手法を提案する.本手法では,スマートフォンを構成する各ハードウェアコンポーネントの特性と消費電力の関係から生成した端末の消費電力モデルを用いることで,アプリ消費電力の推定を可能にする.本稿では,近年の端末の消費電力を妥当な精度で推定できること,推定に必要なログ収集の負荷が低いことを要件とした評価手法を実現するため,マルチコアCPU やモバイル無線インタフェースとその特徴を考慮したモデル拡張を行う.提案本手法において,一般的なアプリ利用のシナリオを対象に10%前後の誤差で電力推定できること,3.8%程度の低いオーバヘッドでログ収集が実現できることを確認した.

2B-5 (時間: 16:10 - 16:30)
題名アプリケーションを見つけやすくするためのユーザ主観度を用いた提示手法
著者*菊地 悠, 川崎 仁嗣, 大久保 信三, 太田 賢, 稲村 浩 (株式会社NTTドコモ 先進技術研究所)
Pagepp. 293 - 299
Keywordスマートフォン, モバイルアプリケーション, UI, ユーザ主観, Android
Abstractスマートフォンのアプリ一覧画面に表示された多数のアプリから,目的のアプリの選択に要する時間を短縮するため,よく利用するアプリを強調表示し,目的のアプリを見つけやすくする手法を提案する. 本手法が有効に機能するためには,ユーザ本人が主観的によく利用すると考えているアプリがすべて強調表示されていることが必要である.本論文ではこの主観利用モデルの推定について,アプリの利用回数に加え,利用時間を組み合わせた方式により実現した.Android 端末上で被験者 7 名から収集したアプリ利用ログを用いて評価した結果,提案手法は利用回数または利用時間のみを用いた方式よりも主観利用アプリとよく一致し,全インストールアプリのうち 28%のアプリを強調表示することで十分であることを示した.

2B-6 (時間: 16:30 - 16:50)
題名スマートメイちゃん:スマートフォンの機能を有するモバイル音声対話エージェント
著者*山本 大介, 西村 良太, 打矢 隆弘, 内匠 逸 (名古屋工業大学)
Pagepp. 300 - 304
Keyword音声対話エージェント, スマートフォン, モバイル
Abstract本稿では,音声対話システム構築ツールキットMMDAgentを拡張し,GPSやNFC・GUI等のAndroidスマートフォンの機能を効果的に活用するための仕組みを提案する.具体的には,全てのAndroid OSの機能を利用するためにはJava言語で開発する必要があるが,MMDAgentはC++言語での開発が想定されており,異なる言語間での連携は容易ではないという問題があった.そこで,JavaとC++の連携を実現するブリッジモジュールを開発し,容易にMMDAgentの各モジュールとAndroidの機能とを連携可能なJavaプラグイン開発プラットフォームを提案した.また,本プラットフォームに基づく様々なJavaプラグインの開発も行った.