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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2013)シンポジウム

セッション 1F  コンテンツ提示
日時: 2013年7月10日(水) 12:55 - 14:35
部屋: 竹・梅
座長: 義久 智樹 (大阪大学)

1F-1 (時間: 12:55 - 13:15)
題名有向グラフを用いたVCSのバージョン間におけるレイヤファイルの差分の可視化方式
著者*山田 泰宏, 竹渕 瑛一, 鈴木 浩, 服部 哲, 速水 治夫 (神奈川工科大学大学院)
Pagepp. 153 - 156
Keyword有向グラフ, 可視化, ラスタ画像, PSD, バージョン管理システム
Abstract画像情報の制作に用いられるレイヤファイルのバージョン管理を行うことにより,制作の効率の向上を図ることができる.レイヤファイルのバージョン管理をするための試みは近年いくつか見られるが,過去のバージョンのリストアが煩雑である.従来のレイヤファイル間の差分表示方式では,特定のレイヤのみの変遷を閲覧することが難しい.加えて,特定のレイヤのみのリストアを支援する技術は存在しない.そこで本研究では,複数のバージョンのレイヤファイル間の差分の可視化方式および,その可視化方式をUIとして活用する,レイヤのリストア支援システムを提案する.

1F-2 (時間: 13:15 - 13:35)
題名2面L型立体表示システムにおける視点とオブジェクト位置間の最適制御
著者*渡邉 優太 (湘南工科大学 工学研究科 電気情報工学専攻), 坂下 善彦 (湘南工科大学 工学部 情報工学科)
Pagepp. 157 - 162
Keywordマルチスクリーン, 没入空間, カメラ視点, オブジェクト
Abstract本研究では従来から行われている没入型ディスプレイのディスプレイ数よりも、少ない2面のディスプレイで没入感のある立体映像システムの構築を目指した。2面のディスプレイは正面と床面に設置されており、真横から見るとL字に見えるため以降はL型ディスプレイとする。しかし、このL型ディスプレイは従来の没入型ディスプレイと比べると、ディスプレイの数が少ないため仮想空間内に存在するモデルの上面と正面のみ捉えることが可能であり、他のデバイスによる操作を行わない限り、モデルの左右情報を得ることは不可能である。そこで加速度センサーとジャイロセンサーを利用して、利用者の位置や向きを検出することにより視野の狭いディスプレイ環境であっても、直感的な操作で視点変更を行え、仮想空間内での視野の狭さを補えるシステムの開発を行った。 この装置を用いたシステムには上記のような問題があり、仮想空間内で左右情報を得る際には現実空間上ではL型ディスプレイの横に移動する必要があるが、画角(視野角)が広がるに連れ映像が歪み、正しい形状の情報を得ることが不可能であるため、現状では実用的ではない。 そこで我々は、視点(カメラ)と仮想空間内に存在するオブジェクト位置関係から、世界座標(ワールド座標)を制御し最適化することにより、少ない移動量や旋回角でも、左右情報を得ることが可能となるシステムの検討を行った。また、世界座標の最適な移動量を得るため、実験を行った。

1F-3 (時間: 13:35 - 13:55)
題名浮世絵の3次元CG化による創造的鑑賞体験の実現
著者*角 康之, 名生 圭佑, 松村 耕平 (公立はこだて未来大学)
Pagepp. 163 - 169
Keyword3次元CG, 絵画鑑賞, モーションキャプチャ
Abstract本稿では、2次元の絵画作品をコンピュータグラフィクスによって3次元可視化することで、絵画作品の新たな鑑賞方法の可能性を提案する。対象とする絵画作品として浮世絵、具体的には歌川国芳の「みかけはこはゐがとんだいい人だ」を題材にする。この作品は、一見すると一人の男性を描いたように見えるが、よく見ると10数名の男性が寄り集まって大きな大人物を表現しているだまし絵になっている。本研究では、この作品を複数人物の登場する3次元CGアニメーションにする。そうすることで、ひとつのスナップショットとして残っている浮世絵作品を異なる視点から見てみたり、作品スナップショットの前後の物語を想像したり、また、登場人物の一人に乗り移ってみたり、という参加型の鑑賞が可能になると考えられる。本稿では、登場人物のCGモデルの作成、モーションキャプチャシステムを用いたモーションの取得、複数モデルが登場するアニメーションの時空間編集などの一連の作品制作のプロセスを説明する。そして、作成されたCG作品のバリエーションとして、作品鑑賞のための視点変化や、重力シミュレーションの導入、登場人物のモデル変更などの例を紹介する。

1F-4 (時間: 13:55 - 14:15)
題名バブルディスプレイにおける水の特性を考慮したインタラクション手法
著者*佐川 俊介 (東京大学大学院学際情報学府学際情報学専攻), 小川 剛史 (東京大学情報基盤センター)
Pagepp. 170 - 174
Keyword透過型ディスプレイ, 気泡, インタラクション, 動体検出
Abstract筆者らは,水中に発生させた気泡に映像を投影する新しい水ディスプレイであるバブルディスプレイを提案している.バブルディスプレイは,かき混ぜる,波を起こすといった水に対する特有の動作をユーザが行い,気泡の動きや形状を変化させることで投影される映像が切り替える.これにより,ユーザと映像とのインタラクションを可能にするシステムである.これまでに,遮蔽板を用いて水中の気泡群の形状を任意に変化させる操作である「変形」を実装し,気泡群内で動くボールの移動範囲を制御するプロトタイプを構築した.本稿では,想定される複数のインタラクションの中から,新たに実装した「切断」,「かき混ぜ」について,その実現方法を述べる.「変形」,「切断」,「かき混ぜ」の三操作を組み合わせることで,さまざまなインタラクションが可能となり,バブルディスプレイのインタラクティブ性を向上できる.