題名 | 太陽光発電を用いた可動式WSNの海上フィールドの半永久被覆のための配置ノード数最少化手法 |
著者 | *上野 弘考, 勝間 亮 (大阪府立大学) |
Page | pp. 89 - 94 |
Keyword | 無線センサネットワーク, エナジーハーベスティング, 半永久稼働 |
Abstract | 近年,無線通信機能を備えた多数のセンサノードからなる無線センサネットワーク(以下,WSN)の研究が盛んに行われている.センサノードが移動する可動式WSNに関する研究も多く,その代表例として海上モニタリングWSNが挙げられる.可動式WSNでは各ノードへの電力供給が困難で,有限のバッテリのもとでのWSN稼働時間の延長が大きな課題となっている.そこで,太陽光発電に代表される光や熱などの自然現象からエネルギーを取り出して再利用するエナジーハーベスティング技術を用いたWSNが注目され,WSNの半永久稼動が期待されている.本研究では,海上の環境をモニタリングするWSNを想定する.各ノードはスリープ時に太陽光発電によってのみ充電し,海流によって流され移動する.この海上可動式WSNを半永久稼働させるには配置ノード数を増やせば簡単に解決できるが,配置コストが高くなってしまう.本研究では,最少ノード数で海上可動式WSNの半永久稼働と対象領域全体のセンシングの維持を達成するために,各ノードによる分散計算によりセンシング/スリープのスケジューリングを行い,必要に応じてノードを移動させる手法を提案する. |
題名 | クラスタツリー無線センサネットワークのための適応的同期制御による低遅延化方式 |
著者 | *甲斐 成美, 小室 信喜, 阪田 史郎 (千葉大学大学院 融合科学研究科) |
Page | pp. 95 - 100 |
Keyword | IEEE 802.15.4, マルチホップ, 低遅延化, クラスタリング, ビーコンスケジューリング |
Abstract | 無線センサネットワークにおいて,低消費電力化は重要な課題である.また,防犯・防災など,アプリケーションによっては低遅延,高配信率化も同じく重要である. 無線センサネットワーク向けの標準通信プロトコルであるIEEE 802.15.4 のビーコンモードでは,低消費電力化を達成するためにビーコンという同期信号と,BO, SO というDuty Cycle に関するパラメータを用い,同期とスリープ制御を行なっている.このビーコンによる同期のタイミングと,Duty Cycle によって,電力,遅延,配信率に関する性能は大きく影響を受ける. 本稿では,IEEE 802.15.4ビーコンモードにおいて,トポロジに応じた適切なクラスタリングと,アクティブ期間のスケジューリングを行うことにより,低消費電力,低遅延,高配信率を実現する方式を提案する.シミュレーションによる性能評価を行い,提案方式の有効性を示す. |
題名 | エナジーハーベストによって駆動する無線センサネットワークのためのレートレス符号化 |
著者 | *稲葉 友紀, 猿渡 俊介 (静岡大学大学院情報学研究科), 渡辺 尚 (大阪大学情報科学研究科) |
Page | pp. 101 - 108 |
Keyword | エナジーハーベスト, レートレス符号化, 無線センサネットワーク |
Abstract | 環境発電型無線センサネットワークでは,得られる電力が環境に依存して不安定であるという問題が存在する. 本稿では,電源が不安定である環境下でも高いデータ収集率を実現するレートレス符号化を用いたデータ収集プロトコル「Burnet」を提案する. Burnetでは,過去に発生したセンサデータや他ノードから受信したセンサデータを複数選択してXOR演算することにより符号化パケットを生成して送信する. シンクノードへの経路の途中のノードにおいて電力の変動により,一部のセンサデータが損失したとしても, シンクノードでは,受信した複数の符号化パケットから損失したセンサデータを復元する. 計算機シミュレーションによってBurnetを評価した結果として, 既存の環境発電型無線センサネットワーク向けのデータ収集プロトコルよりも高いデータ収集率を達成できることを示す. |
題名 | ソースルーティングを用いた双方向通信型geocastの実現 |
著者 | *小林 弘輝 (公立はこだて未来大学大学院), 中村 嘉隆, 高橋 修 (公立はこだて未来大学) |
Page | pp. 109 - 115 |
Keyword | ネットワークアーキテクチャ, アドホックネットワーク, ルーティングアルゴリズム, geocast |
Abstract | 近年,無線通信を行うことのできる機器の低価格化が進み,様々な機器で通信を行うことができるようになってきている.その際の近距離通信や通信のインフラストラクチャの整っていない場所での通信の場合,通信機器のアドホックモードを利用した端末間での無線通信が行われている.このようなネットワーク形態をMANETと呼び,近年注目を集めている.またこのMANETにおいては,このような通信機器を複数端末利用して行うマルチホップ通信技術も研究されており,通信のインフラストラクチャのない場所でも遠隔地同士で通信を行うことができる.しかし,このマルチホップ通信ではビットエラーや干渉等により,頻繁にリンクの切断や再送の問題が発生することがわかっている.このため,通信が安定した有線ネットワークを前提に提案された信頼性のあるトランスポートプロトコルをMANET環境に適用すると,性能の低下が著しいことになる.本研究では,電界強度や位置情報に着目して,電波干渉を軽減するため迂回経路を用いてマルチパス通信を行う方式の性能確認を行う.また,ネットワークシミュレータ上で実験・評価を行うことにより本方式の性能を考察する. |