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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 8G  センサネット(2) (UBI)
日時: 2009年7月10日(金) 10:20 - 12:00
部屋: コスモス
座長: 新井 イスマイル (立命館大学)

8G-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名放送通信用電波からのエネルギーハーベストに関する定量調査
著者*川原 圭博, 塚田 恵佑, 浅見 徹 (東京大学)
Pagepp. 1754 - 1763
Keywordエネルギーハーベスト, センサネットワーク, 電力再生
Abstract環境中に設置したワイヤレスセンサネットワークを長期間稼働させるためには,その間の電源を確保しなければならない.これまでに多くのセンサネットワークシステムの研究が提案され,ハードウェアだけでなく,通信プロトコルやOSの改善によるソフトウェアに関する消費電力の削減に向けた取り組みが行われてきた.この一方で,人間が生活する環境中には,電子機器が発するノイズや放送通信に使われる電波など様々な電磁エネルギーが空中に放射されている.本論文は,こうした環境中に存在する放送・通信用電波から得た数百uWの電力をセンサノード駆動のためのエネルギー源として利用することを提案し,この実現のためのセンサノード構成を述べる.また,実際の生活環境中の放送通信機器が発する電磁波の電界強度を測定し,これから再生可能な電気エネルギーの最大値の見積もりについて報告する.

8G-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名光知覚神経ネットワークにおける高信頼ツリー算出法について
著者*吉田 勝郎, 篠宮 紀彦 (創価大学 工学部)
Pagepp. 1764 - 1768
Keyword最小直径全域木, 稼働率, グラフ理論, 光ファイバセンサ
Abstract我々が生活する実空間の情報を利用したサービス,いわゆるユビキタスサービスを提供するための情報基盤として,センサネットワークの研究が注目されている.その中でも,散乱などの光の特性を利用した光ファイバセンサを用いたセンサネットワークは,従来の無線センサネットワークでは越えられなかった課題を解決するセンサネットワークとして期待されている.そこで本研究では,ヘテロコア光ファイバセンサをセンサ素子かつ伝送媒体として用いた,新たな光ファイバセンサネットワークとして光知覚神経ネットワーク(Optical Sensory Nerve Network)の研究開発を進めている.本稿では,光知覚神経ネットワークにおいて発生しうるリンク断と冗長化機構に関する独自の問題点を提示し,光知覚神経ネットワークのリンク特性を考慮した通信リンク選択手法を提案する.

8G-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名放送通信融合環境におけるデータ予測型無線センサシステム
著者*藤田 直生 (神戸大学大学院工学研究科), 義久 智樹 (大阪大学サイバーメディアセンター), 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1769 - 1775
Keyword予測型センシングシステム, 放送通信, センサネットワーク, 大規模センシング
Abstract近年,医療・セキュリティ・防災・環境リスクの把握のため, 温度や湿度といったセンサが情報ネットワークを形成して通信するセンサネットワークに対する注目が高まっている.センサネットワークでは,センサから発生されるデータを収集してからデータ処理を行う方式が多く,様々な手法が提案されている.しかし,これらの方式の多くは,センサノードが多くなった場合に,センサデータを収集する電力が大きく,無線の帯域が不足するなどの問題を抱えている. 本論文は,センサノードの状況に合わせてサーバで予測し,放送により予測したセンサデータを配信を行う.また,予測値と違うセンサデータのみを収集する方式に,予測値を放送ノードへ配送する及びセンサデータをサーバへ収集する通信に,差分情報を収集するマルチホップ通信を実装した.これにより,広域なセンサネットワークを実現すると同時に,状況にあわせた柔軟なセンシングを行い,通信量の削減をおこなえるセンサデータ収集方式を実現する.

8G-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名センサ情報の分散共起計算による可視化システム
著者*南 靖彦, 藤田 直生 (神戸大学工学研究科), 柳沢 豊 (NTT コミュニケーション科学基礎研究所), 塚本 昌彦 (神戸大学工学研究科)
Pagepp. 1776 - 1783
Keyword無線センサネットワーク, センサ情報可視化, 共起フロー
Abstract近年,小型で安価なセンサノードの登場によりセンサネットワークに注目が集まっており,環境モニタリングや社会基盤設備の管理などさまざまな応用で使用されている.これらのシステムでは大量のセンサノードの利用が想定されており,環境の変化から有効な情報をいかに検出するかは重要な課題である.従来の閾値ベースの情報収集方式やデータマイニングによる認識では,予測できない変化を捉えることや,センサデータから大域的な状況を認識しにくいという問題がある.そこで本研究では,センサネットワーク上の環境変化を分散型共起ベクトルにより可視化するシステムを提案する.これにより,過去の解析情報に頼らない知識の発見と,人による状況認識が可能となる.提案システムは,センサノードごとに隣接するセンサノードとセンサ値の比較を行うことにより,センサデータを可視化する.本研究では,シミュレータを作成してさまざまな可視化方法を実装し,有効な表示方法を検討した.