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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 8F  無線ネットワーク(2) (MBL)
日時: 2009年7月10日(金) 10:20 - 12:00
部屋: サクラC
座長: 石原 丈士 (東芝)

8F-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名無線LAN使用時のトランスポート層における複数コネクション集約に関する評価
著者*宮崎 悦子, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1742 - 1745
Keywordネットワークアーキテクチャ, TCP, モバイルコンピューティング, シミュレーション
Abstract近年,様々なモバイルネットワークアプリケーションの実行に必要な スループットはますます増加している. それを受けてIEEE 802.11,BluetoothやCDMAなどの様々な無線技術が開発されており, WAN,LANないしPAN上のデータ通信に広く利用されている. しかし各々の帯域幅は未だに乏しいものが多く,また広帯域を確保している無線通信は 使用可能なシーンが限定されているのが現状である. さらに現存する多くの技術は,同時に一つの無線技術を使用することに限られている. そこで提案されているのが適用範囲にある無線技術の帯域幅を複数同時に使用することで より大きいスループットを得ようとするBAG (Bandwidth Aggregation)である. しかしBAGを行う際にTCPの性質による性能の低下がみられることが分かっている. この問題を解決するためのネットワーク層の手法としてEDPFやPET-BMPなどが 提案されているが,それらの手法も問題点の完全の解決には至っていない. そこで本研究では既存研究で明らかになっている問題点を解決し,よりすぐれた実装を行うことを目標として, ミドルウェアを用いた複数コネクションの制御手法を提案し,無線シミュレーションによる実験を行った.

8F-3 (時間: 10:45 - 11:10)
題名無線LANにおけるプローブパケットの到着間隔測定に基づくDCCP CCID3フローの送信レート推測
著者*星川 雄大 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 大塚 裕太 (KDDI株式会社), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 1746 - 1753
KeywordDCCP CCID3, ハンドオーバ, レート推定, ジッタ, 隠れ端末
Abstract無線LAN による通信を行う端末は,APに接続する端末の台数,通信レート等によって1台あたりの利用可能帯域幅が大きく変動する. そのため,フィードバックに依存したレート制御を用いる場合はハンドオーバによる急激な利用可能帯域幅の変動にレート制御が追いつかないという問題がある. このような問題を解決する一手法として,移動先APの環境に応じた送信レートに変更してからハンドオーバを行う手法がある. これまでに田村らにより,Datagram Congestion Control Protocol CCID3 のフローの送信レートとプローブパケットの到着間隔(ジッタ)の関係性を基に,ハンドオーバ後のDCCP送信レートを予測可能であるとシミュレーションによって示されている. しかし,実環境実験の結果から,田村らの使用したパラメータをそのまま用いた場合,ジッタと送信レートの間の相関が低く,送信レートの予測が困難であることが示されている. 本稿では,実環境実験と同様のネットワーク構成で,バックグラウンドトラフィックの影響を含めたシミュレーションを行い,隠れ端末がプローブパケットに与える影響が大きいことを確かめた. さらにシミュレーションに基づいて,隠れ端末が存在する環境においても正確な送信レート予測が可能なプローブパケットのパラメータを検討し, RTS/CTSを使用する環境では,最短MACフレームを用いて0.01sec間隔でプローブパケットを送信し,ジッタ測定をすることで,±100kbps程度の精度でDCCP CCID3の送信レートを推定できることを確認した.