題名 | 無線LANにおけるプローブパケットの到着間隔測定に基づくDCCP CCID3フローの送信レート推測 |
著者 | *星川 雄大 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 大塚 裕太 (KDDI株式会社), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院) |
Page | pp. 1746 - 1753 |
Keyword | DCCP CCID3, ハンドオーバ, レート推定, ジッタ, 隠れ端末 |
Abstract | 無線LAN による通信を行う端末は,APに接続する端末の台数,通信レート等によって1台あたりの利用可能帯域幅が大きく変動する.
そのため,フィードバックに依存したレート制御を用いる場合はハンドオーバによる急激な利用可能帯域幅の変動にレート制御が追いつかないという問題がある.
このような問題を解決する一手法として,移動先APの環境に応じた送信レートに変更してからハンドオーバを行う手法がある.
これまでに田村らにより,Datagram Congestion Control Protocol CCID3 のフローの送信レートとプローブパケットの到着間隔(ジッタ)の関係性を基に,ハンドオーバ後のDCCP送信レートを予測可能であるとシミュレーションによって示されている.
しかし,実環境実験の結果から,田村らの使用したパラメータをそのまま用いた場合,ジッタと送信レートの間の相関が低く,送信レートの予測が困難であることが示されている.
本稿では,実環境実験と同様のネットワーク構成で,バックグラウンドトラフィックの影響を含めたシミュレーションを行い,隠れ端末がプローブパケットに与える影響が大きいことを確かめた.
さらにシミュレーションに基づいて,隠れ端末が存在する環境においても正確な送信レート予測が可能なプローブパケットのパラメータを検討し,
RTS/CTSを使用する環境では,最短MACフレームを用いて0.01sec間隔でプローブパケットを送信し,ジッタ測定をすることで,±100kbps程度の精度でDCCP CCID3の送信レートを推定できることを確認した. |