題名 | 仮想計算機における書込み例外を用いた画面更新検出法の評価 |
著者 | *後藤 真孝, 峰松 美佳 ((株)東芝 研究開発センター) |
Page | pp. 1717 - 1724 |
Keyword | 仮想計算機, リモートデスクトップ, MMU, 例外 |
Abstract | 我々は,ネットワーク機能とユーザインタフェース機能に特化したシンプルな端末から,ネットワークに配備した装置のサービスを利用するネットワークディスプレイシステムを提案している.計算機アプリケーションはサーバで仮想化されているため,操作性に大きな影響を及ぼす仮想計算機の仮想ディスプレイデバイスの処理性能の向上に着目している.これまでに,メモリ管理ユニット(MMU) のページテーブルの更新ビットを使用し,タイル構造のフレームバッファを採用した画面の更新部分の検出法について報告した(ページテーブル検索方式). 本稿では,MMU のもう一つのメモリの更新検出法であるメモリ書込み例外を用いた手法(書込み例外方式) の性能評価について報告する.書込み例外方式を実装し,動画の表示を行なって,フレームレート,CPU 使用率,仮想計算機の統計情報を測定した.ページテーブル検索方式でも同様の測定を行なって,書込み例外方式の比較を行なって評価した.測定により,フレームレート,CPU 使用率ではわずかながら書込み例外方式が良い結果であったが,統計情報から,書込み例外方式は多くの仮想計算機モニタの処理を実行していた.これらの結果から,画面の更新検出性能の視点では,有意な差はないが,潜在的には書込み例外方式は高負荷であることがわかった. |
題名 | 多数の小規模仮想ディスク群による大規模ストレージの構築 |
著者 | *上原 稔 (東洋大学) |
Page | pp. 1725 - 1731 |
Keyword | ストレージ |
Abstract | 低コストの大容量ストレージに対する要求は非常に高い。我々は、空容量を集約してこのようなストレージを構築するために、ディスクレベル分散型ストレージを構築するためのツールキットVLSD (Virtual Large Scale Disks)を開発した。しかし、試作システムでは、単一ファイルサーバが、単一故障点かつボトルネックとなる。そこで、信頼性と性能を向上するために、複数のファイルサーバを用いて大規模ストレージを構成するMMVD (Many Micro Virtual Disks)方式を提案する。MMVDでは、小さな仮想ディスクを複数のファイルサーバが管理するため、単一故障点およびボトルネックが存在しない。さらに、MTTRを短縮できるため、比較的単純な構成でも十分な信頼性を実現できる。 |
題名 | VPN経路接続を用いたiSCSI遠隔ストレージアクセスの性能に関する一検討 |
著者 | *浅田 菜那, 比嘉 玲華, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
Page | pp. 1732 - 1735 |
Keyword | iSCSI, VPN |
Abstract | コンピュータシステムにおけるデータ量の増大に伴い,効率的にストレージを管理したいという要望が高まっている. またストレージの管理コスト低減などの目的でSANの導入が進んでいる. 現状では,SANは主にローカル環境のみで用いられている. そこでIPネットワークを利用したIP-SANとしてiSCSIが注目されている. iSCSIを用いることにより広域環境におけるIP-SANを低コストで構築でき, 遠隔地のデータセンサなどにデータをバックアップすることが容易となるため, ストレージのアウトソーシングといったサービスへの利用が可能になるためである. 本研究では,VPNを利用することによりiSCSIを広域ネットワークに適用させ, 高遅延環境におけるiSCSIストレージアクセスの特性,解析を評価しスループット向上の方法について検討する. |
題名 | OpenSimを用いたメタバースサービスにおけるサーバ負荷の一検討 |
著者 | *松原 麻佑, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
Page | pp. 1736 - 1741 |
Keyword | メタバース, Second Life, OpenSim, 分散型サーバ, 集中型サーバ |
Abstract | 将来的な普及が期待されている「メタバース」は,電子データとして構築された仮想3次元空間に,インターネットを通じて接続し利用する新しいサービスである. このメタバースサービスの高機能化と高性能化のために,サーバの負荷とレスポンスという観点から評価を行う. 本研究では,オープンソースソフトウェアとして提供されており,ユーザが所持するマシンにインストールしてサービスを提供可能な分散型メタバースサーバであるOpenSimシステムを用いて評価する. すなわち,メタバース実行時のサーバ側の実測評価に焦点を当てる. |