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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 8A  [統一テーマ] コミュニケーション支援
日時: 2009年7月10日(金) 10:20 - 12:00
部屋: サクラA
座長: 井上 亮文 (東京工科大学)

8A-1 (時間: 10:20 - 10:45)
題名多言語用例対訳を用いたコミュニケーションのための応答用例対作成システムの開発
著者*福島 拓 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部), 田淵 裕章 (関西学院大学大学院理工学研究科), 北村 泰彦 (関西学院大学理工学部)
Pagepp. 1612 - 1618
Keyword多言語, 応答用例対, 用例対訳, Webサービス
Abstract現在,在日外国人数は年々増加しており,多言語によるコミュニケーションの機会は増加している. しかし,日本語を理解できない外国人も多数存在している. このため,多言語コミュニケーションの支援を目的として用例対訳を用いた多言語対話支援システムの開発が行われている. また,我々は多言語対応システムへの用例対訳の提供を目的とした多言語用例対訳共有システムの開発を行っている. しかし,多言語対話支援システムはあらかじめ質問文とその質問の回答に適した文を用意する必要がある. このため,単純に用例対訳のみで多言語間の対話を支援することができない. そこで,応答用例対作成システムの開発を行った. また,作成した応答用例対の正確性を確認し,次の知見を得た. (1)用例対訳の組み合わせや用例対訳そのものの不正確性が原因で,応答用例対の作成に支障が出る可能性がある. (2)応答用例対の作成を行うには,外国人が使用する用例対訳を重点的に用意する必要がある. (3)用例の一部の言葉を変更可能な穴あき用例が,応答用例対の作成においても必要である.

8A-2 (時間: 10:45 - 11:10)
題名機械翻訳を介したチャットコミュニケーションにおける精度判定に基づく送信拒否の適用可能性
著者*宮部 真衣 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 1619 - 1626
Keyword多言語コミュニケーション, チャット, 翻訳リペア, 折り返し翻訳, 機械翻訳
Abstract機械翻訳を介したコミュニケーションにおいて,翻訳リペアは重要な役割を果たす.しかし,翻訳リペアは,文章の精度が低いとユーザが判断した段階で初めて行われる作業である.そのためユーザによる精度の不正確判定により,十分にリペアがされていない状態での修正終了などが発生しており,ユーザの不正確判定を減少させるための仕組みが必要である.不正確判定を減少させる仕組みは,理解可能なメッセージのみのやり取りを実現できる.一方で,この仕組みはユーザの行った判定を否定し,修正するよう促すものであり,特に即時的な対応が求められるリアルタイムコミュニケーションへの適用において,様々な問題が発生する可能性が高い.そのため,不正確判定を減少させるための仕組みの適用による影響を検証する必要がある.不正確判定を減少させるための仕組みとして,精度判定を行った結果,低精度であると判断されたメッセージについては対話相手への送信を拒否し,入力者にメッセージの修正を促すシステムを想定する.システムが実現された場合のチャットコミュニケーションへの影響を検証するために,Wizard of Oz(WOZ)法によるチャット実験を行った.実験の結果,以下の知見を得た.(1)精度判定に基づいた送信拒否の仕組みを適用しない場合,送信されたメッセージの精度が低く,理解が困難な場合があるものの,チャットコミュニケーションは可能である.(2)精度判定の結果が悪いものについて,単に修正するよう促すだけではユーザにとって不快度が高く,チャットコミュニケーションへの適用は難しい.

8A-3 (時間: 11:10 - 11:35)
題名動画共有サイトに与える直感的な絵文字コメント投稿機能の効果
著者*香川 健太郎 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 宗森 純, 伊藤 淳子 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 1627 - 1639
Keyword動画共有, 絵文字, マウスホイール, コメント, コミュニケーション
Abstract近年,動画共有サービスが注目を集めている.投稿されるテキストコメントの中には論理的なものと感情的なものとがある.感情的なコメントは,投稿時にかかる手間が大きいと,入力され難い問題がある.本論文では,視聴者の感情的コメントの投稿促進を目的とし,直感的な入力を提供するシステムを提案する.システムは,マウスホイールと絵文字メディアを採用した直感的なコメント入力機能と視聴者間における感情共有機能を特徴とする.このシステムと通常のテキストコメント機能を備えた動画共有サイト“おにおん”を開発し,実験を行った.実験の結果,動画再生回数738回に対する絵文字コメント数は1806件,テキストコメント数は108件となり,本システムの有用性を示した.

8A-4 (時間: 11:35 - 12:00)
題名全員参加型の相互評価活動を目的としたグループ編成方法の検討
著者*中山 晃 (創価大学大学院工学研究科), 高木 正則 (創価大学工学部), 望月 雅光 (創価大学経営学部), 勅使河原 可海 (創価大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1640 - 1644
Keyword相互評価, 協調学習, CSCL, グループ編成
Abstract本研究は,学生が協調的に作問可能なWBTシステムであるCollabTestの,相互評価活動時における問題について考察を行った.授業外における相互評価活動は,双方向性の欠けるやり取りが行われていたり,参加者の偏りが見られたりした.グループ学習の分類に関する研究から,CollabTestの特徴を考察し,問題解決へのアプローチとして最適なグループ編成手法の提案を行った.その後,グループ編成において考慮すべき要因の1つである,学生の特性に関する既存の研究の調査を行った.最後に最適なグループ編成方法についての検討を行った.