題名 | 広域移動を考慮した仮想ウェアラブルコンピューティングシステム |
著者 | *渡邉 英伸 (広島大学大学院 総合科学研究科), 大東 俊博, 近堂 徹, 西村 浩二, 相原 玲二 (広島大学情報メディア教育研究センター) |
Page | pp. 1406 - 1414 |
Keyword | ウェアラブルコンピューティング, 仮想化技術, 移動透過通信, セキュアマイグレーション |
Abstract | 近年,デバイスやセンサを身につけ利用するウェアラブルコンピューティングが広まりつつある.一方で,CPUやメモリを持たないウェアラブルデバイスは,一般的にモバイル情報機器のリソースを借りなければサービスを提供することが難しい.この現状は,実用性および利便性の観点から改善すべきである. そこで,本研究はウェアラブルコンピューティングの新たなシステムインフラとして,仮想ウェアラブルコンピューティングシステムを提案する.本システムでは,制御管理用のPCが提供していた機能を仮想コンピュータで提供し,状況によって,仮想コンピュータをインターネット越しにマイグレーション(移行)させる. これにより,デバイスやセンサのみを携行した場合でも,移動先々で利用者固有のウェアラブルコンピューティング環境を継続的に利用することが可能となる.本論文では,プロトタイプの仕様ならびに本手法の実用性評価について述べる. |
題名 | 泡メタファを用いた子供向けWebブラウザの評価 |
著者 | *岩田 麻佑, 小牧 大治郎, 荒瀬 由紀, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科マルチメディア工学専攻) |
Page | pp. 1415 - 1423 |
Keyword | 子供向けWebブラウザ, 泡メタファ, Webブラウジング |
Abstract | インターネットの普及にともない,小さな子供がインターネットを利用することが一般的になっている.しかし,イラスト中心のページを好み,難しい文章のページを嫌うというような子供の特性を考慮したWebブラウザは存在しておらず,大多数のWebページは大人向けにデザインされている.そのような一般向けページには豊富で即時性の高い情報があるにも関わらず,現在のブラウザでは子供がインターネットを利用し学ぼうとしても十分に活用できない. そこで筆者らは,これまでに泡メタファを用いてWebページを提示するBubble Browserを提案してきた.本稿では,子供の特性を考慮した,泡上の簡潔な情報の表示,詳細内容の絵本化という拡張機能について述べる.さらに,4〜10才の13名の子供を被験者として実施した評価実験について述べる.実験では,被験者にBubble Browser,および,Webページ中の漢字を平仮名に変換して提示するブラウザを用いて,一般向けページを閲覧してもらい,内容の理解度を計る質問に答えてもらった. 質問に対する正答率とアンケート結果より,Bubble Browserが子供の興味をひき,分かりやすいWebページの提示を実現できることを確認した. |
題名 | トランスポート層を利用した移動体マルチホーム向けのスケジューリングアルゴリズム評価ツール |
著者 | *石橋 賢一 (奈良先端科学技術大学院大学), 砂原 秀樹 (慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科) |
Page | pp. 1424 - 1430 |
Keyword | トランスポートプロトコル, モバイルネットワーク, マルチホーム, 移動体通信 |
Abstract | 移動体通信にマルチホームを導入する手段として,トランスポート層を集約して仮想的なネットワークインタフェースとして提供するL4マルチホーム技術がある.移動体通信環境は特性の異なる多様なデータリンクが混在するため,固定網で用いられるようなフローベースやサービスベースのパケットスケジューリングは機能しない.本稿では,パケットスケジューリングアルゴリズムの比較・検討が可能なL4マルチホーム機構を設計し,プロトタイプを実装する.本機構は実環境で利用可能であり,実際のアプリケーションを用いた評価が可能である.また,本機構を用いて実験を行った結果を述べる. |
題名 | 適応的なプロトコル処理の実現に向けたネットワークノードの考察 |
著者 | *石原 丈士, 米良 恵介 (東芝研究開発センター 通信プラットホームラボラトリー), 福壽 康弘 (東芝セミコンダクター社), 大山 裕一郎, 福本 淳 (東芝研究開発センター 通信プラットホームラボラトリー) |
Page | pp. 1431 - 1441 |
Keyword | プロトコル処理, プロトコルアーキテクチャ |
Abstract | 多様化する通信環境において快適なサービスを提供するため,様々な技術が研究されてきた.クロスレイヤ技術やプロトコルスタックの動的構成技術はその一例である.これらの技術は性能を改善するが,ソフトウェアの保守が困難になるなどの問題が指摘されている. そこで我々は,種々の問題を再検討し,通信環境の変化に適応して効率的な通信を実現するプロトコル処理のアーキテクチャを提案する.本アーキテクチャは,従来の通信アプリに相当するアプリケーション部とその動作を支える管理部からなる.アプリケーション部はプロトコル処理に必要な小機能を実装したモジュールで構成され,状況に合わせてモジュール間の結合を変更することで柔軟な処理フローの変更を実現する.管理部はポリシー管理や状態監視などを行い,アプリケーション部のフロー構築を支援する.これらをノード全体に展開することによって,一貫性のあるプロトコル実行環境を提供する. 本槁では,Webサーバをモチーフとする簡易な実装を通して,提案アーキテクチャの本格的な実現に必要な要件を整理した.その結果,ソフトウェアに対するプログラム設計・実装手法の変更やハードウェアとの協調といった要件が明らかになった. |