題名 | 特定健診効率化のための加速度センサによる行動判別 |
著者 | *井上 創造 (九州工業大学大学院工学研究院), 竹森 正起 (九州大学附属病院), 鶴田 紘子 (カルナヘルスサポート), 中島 直樹 (九州大学附属病院), 須藤 修 (東京大学情報学環) |
Page | pp. 1370 - 1379 |
Keyword | 特定検診, 行動判別, センサネットワーク |
Abstract | 2008年度から始まった特定健診制度は,生活習慣病リスクの高い対象者に対して重篤化の予防を目指すものである.この中で中・高リスクとされる者には保健指導と呼ばれる面接が行われるが,保健指導師による人海戦術で行われているため,時間と正確性の両方において効率が悪い.そこで本研究では加速度センサを用いて自動的に行動判別を行い,保健指導の中で行われる,生活習慣の振り返りを効率化することを目指す.実験データから機械学習をした結果,67.39%〜93.72%の行動判別の正答率を示した.この手法はまた,携帯デバイスなどで実行できるような軽量なアルゴリズムのためのいくつかの工夫を行っている. |
題名 | 自己相関を用いた加速度データの定常性判定による運動中のジェスチャ認識手法 |
著者 | *村尾 和哉 (大阪大学大学院情報科学研究科), 寺田 努 (神戸大学大学院工学研究科), 西尾 章治郎 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
Page | pp. 1380 - 1387 |
Keyword | ウェアラブルコンピューティング, コンテキストアウェアネス |
Abstract | 近年,計算機の小型化・軽量化によりコンピュータを装着するウェアラブルコンピューティングに注目が集まっている.特にコンテキストアウェアの分野では,加速度センサを用いたシステムが数多く提案されてきた.従来の行動認識システムで認識可能な行動は「歩く」などの運動,「座る」などの姿勢,「円を描く」などのジェスチャの3種類である.しかしながら,認識手法の違いから1つの認識システムでは「運動と姿勢」か「ジェスチャ」のどちらかしか認識できず,両者を扱う認識システムは提案されていない.そこで本研究では,得られた加速度波形中のジェスチャの部分を判定し,その部分に対してのみジェスチャ認識を行うことで運動,姿勢,ジェスチャを認識する機構を提案する.従来のジェスチャ認識は静止時からの入力が求められていたが,本来ジェスチャ入力が求められる状況は,キー入力などができない運動中である.提案機構を用いることで運動から連続的に遷移したジェスチャ認識が可能になる. |
題名 | コンテクスト変化への反応速度を考慮したコンテクストアウェアシステムの性能評価方式 |
著者 | *瀬戸口 久雄, 池谷 直紀, 長 健太, 服部 正典 (株式会社東芝 研究開発センター) |
Page | pp. 1388 - 1394 |
Keyword | コンテクストアウェア, 移動状態推定, 加速度センサ, 性能評価, 反応速度 |
Abstract | 実世界情報センサの情報からユーザのコンテクストを推定するシステムについて,システムのコンテクスト推定精度に加え,コンテクスト変化への反応速度を考慮した性能評価方式を提案する.提案方式を用いて,筆者らのコンテクストアウェアシステムをターゲットとした性能評価を行った結果,反応速度と推定精度のトレードオフを考慮した評価を行うことができ,またアプリケーションごとに最適なコンテクストアウェアシステムのチューニングを行う際にも有用であることが示された. |
題名 | GPSと加速度センサを用いた移動スケジュール予測によるマルチメディアコンテンツの再生順序制御 |
著者 | *西川 知宏 (大阪大学 大学院情報科学研究科), 間下 以大, 清川 清, 竹村 治雄 (大阪大学 サイバーメディアセンター) |
Page | pp. 1395 - 1401 |
Keyword | 再生順序制御, スケジュール推定, コンテキスト認識, ウェアラブルセンサ |
Abstract | 本稿では,移動中のマルチメディアコンテンツ視聴システムのためのコンテンツ再生順序制御について述べる.本システムでは利用者の動作と位置からスケジュール予測を行い,利用者の状態変化による再生中断が出来る限り起こらないようコンテンツの再生順序を決定する.また,マルチメディアコンテンツの中にはドラマ・アニメなどのように順序関係が重要であるものが多いため,前話が視聴済みであるかも考慮した再生順序の制御を行う.実験の結果,スケジュールに対応した再生順序制御によって移動中のコンテンツ再生中断が減少し,より長時間コンテンツを視聴できることを確認した. |
題名 | 位置,姿勢,接触物に関する情報を融合した,高齢者の生活意欲の分析 |
著者 | *森 浩佳 (立命館大学大学院), 原田 史子, 島川 博光 (立命館大学) |
Page | pp. 1402 - 1405 |
Keyword | 行動認識, ヘルスケア, 高齢者支援, RFID, 加速度センサ |
Abstract | 本論文では,位置,姿勢,接触物に関する情報を融合して,高齢者の日常行動を詳細に把握し,生活意欲の低下を発見する手法を提案する.本研究では,高齢者が要介護状態に陥る前兆が,掃除や料理のように,人が面倒と感じるとやめてしまう行動に,生活意欲の低下という形で現れることに着目する.たとえば,以前は,椅子など掃除の障害になる物を動かして部屋の隅々まで掃除していたのが,部屋の何もないところだけを掃除するようになった場合,生活意欲が低下したといえる.本手法では,人間の行動が状態の順序と繰り返しから成ると考え,生活意欲の低下が発現しやすい行動について,状態モデルを基にした行動モデルを生成する.各行動モデルに対して,位置,姿勢,接触物の情報を融合した情報を適用し,日常行動を分析することで,生活意欲の低下を発見する.高齢者の生活意欲低下を発見することで,家族や医師が早期に適切なケアやアドバイスを与えることができ,要介護状態に陥るのを予防することができる.また,高齢者が長く自立した生活を送ることで,医療費の増大や高齢者福祉施設の不足,ケアマネージャーやホームヘルパーの不足といった社会問題の解決にも繋がる. |