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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 4G  位置情報測位と応用 (UBI)
日時: 2009年7月9日(木) 8:30 - 10:10
部屋: コスモス
座長: 寺田 努 (神戸大学)

4G-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名複数測位データを統合可能な屋内外空間情報サービス基盤の検討
著者*佐藤 暁子, 淺原 彰規, 谷崎 正明 ((株)日立製作所 中央研究所)
Pagepp. 841 - 848
Keyword位置情報, 屋内, ナビゲーション, データモデル, 屋内外シームレス
Abstract測位手法の多様化に伴い,屋内空間を対象とした位置情報サービスが注目されている.本サービスの普及には,多様で複雑な屋内空間においても屋外と同様に位置情報を提供可能な屋内外空間情報サービス基盤の存在が不可欠であると予想される.本基盤の実現には,複雑化・深層化・大規模化が進む都市部施設を含めたあらゆる種類の建造物を表現可能な屋内空間データモデルが必須となる.そこで本稿では屋内空間データモデルの検討内容について報告する.まず屋内空間データモデルの要件を抽出し,対応する解決方式の創出と評価を行った上で,それに基づきデータ構造化方式を提案する.また,実際の建物において有効性検証実験を行い本空間モデルの評価を行った.

4G-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名IMES方式によるシームレスGPS位置情報サービス実現のための電波伝搬特性の考察
著者*川口 貴正 ((株)日立製作所 システム開発研究所), 北條 晴正 (東京海洋大学)
Pagepp. 849 - 857
Keyword位置情報シームレス測位, 屋内GPS, IMES(Indoor Messaging System), LBS, 携帯電話
AbstractGPS機能を搭載した携帯電話の普及により,周辺施設検索,経路探索・道案内,モバイル広告,児童見守り,緊急通報など,歩行者向けの位置情報サービスの市場拡大が期待されている.しかし,GPS衛星からの無線信号は施設内や地下街などの屋内には届かないため,屋内では別の測位手段が必要である.日立グループは,シームレスGPSをコンセプトとした位置情報サービスの実現を目指し,屋内GPS技術の一つとして独立行政法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)が提案するIMES方式に対応したGPS互換信号を送信する微弱無線送信機を開発した.IMESの測位方式は,ユーザが保持するGPS端末が受信するIMES送信機からの最も信号強度の強い送信機の位置を自分自身の位置とする方式である.そのため,屋内における電波伝搬特性を考慮した送信機の設置場所やアンテナ選定,送信出力の調整が必要である.本研究では,送信機の電波伝搬について屋外で実験し,設置場所やアンテナ選定,送信出力について考察した.

4G-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名P2P 通信を利用した高精度な屋内位置補正手法
著者*渡邉 孝文, 横山 浩之 (KDDI研究所), 西山 智 (情報通信研究機構)
Pagepp. 858 - 863
Keyword移動無線端末, P2P通信, 位置推定
Abstract携帯電話等の移動無線端末を対象とする自律的な屋内位置推定方式として,ジャイロセンサを用いた慣性航法に基づく方式や 3 軸加速度・3 軸地磁気センサを用いた人間の歩行特性に基づく方式が提案されている.しかしながら,これらの方式にはセンサ自体の精 度及び地磁気の乱れ等により誤差が蓄積することで精度が次第に低下するといった問題がある. そこで本稿では,自律的な測位に他端末の位置情報を利用して自端末の位置を補正することにより,誤差の蓄積を抑制する方式を提案する. 提案システムは,移動無線端末とサーバから構成され,端末は広域通信網を利用してサーバと通信することができる.各端末は,近接無線通信を利用することで他端末の位置情報を得ることができる.端末は屋外においては GPS による測位を行い,GPS を使えない屋内では,自律的な測位方式に切り替えて自端末の相対的な位置を推定するものとする.自律的な測位方式の課題は端末の移動と共に推定位置に対する誤差が蓄積し推定精度が低下していくことである.そこで,自端末の推定位置を補正するために,他端末の位置情報を利用する.このとき,推定精度の高い端末の位置情報を利用したほうが推定精度の向上を期待できる.

4G-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名超音波センサを用いた屋内位置検出方式の構成と基本実験評価
著者*五百蔵 重典, 羽田 昂史, 須永 光 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科), 加藤 敦 ((株)ヒューマンシステム), 山田 達矢 (神奈川工科大学大学院 情報工学専攻), 田中 博 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科)
Pagepp. 864 - 870
Keyword超音波センサー, 逆GPS, ナビゲーション, 精度
Abstract位置情報はナビゲーションサービスへの利用を含め,その場所に付帯した情報の送受信や移動する人・モノの所在確認などのために欠かせない情報である.屋外エリアにおける位置検出方法として,GPSがその精度,カバーエリアの観点からほぼ確立された方式になっている.一方,屋内エリアにおける位置検出方法として,無線方式,すなわち,その電界強度や電波の到達時間差を利用する方法やRFIDを短い間隔で設置する方法などが提案されているが,マルチパスの影響によって使用環境によっては十分な精度の確保が難しい.また,広域では非常に多くのRFIDが必要となるなど実際の適用には課題も多く,確立された方式はまだないと言える. 本研究では,周囲条件に依存するマルチパスの影響が無線方式に比べて少ない,装置も比較的安価に実現できる,また,電波法の制約がなく製作,改造が容易であるという利点がある超音波センサによる測距情報をベースとする位置検出方式として,特に移動する人・モノへの適用を想定し,そのための装置試作と位置検出方法の評価を行った.具体的には,その実現性確認のステップとしてH8マイコンと超音波センサを用いた測距センサを試作し,測距情報を基に2通りの位置算出法をパソコン内に実装し,それらの評価を行った結果を述べる.