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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2009)シンポジウム

セッション 3G  高度認識とユビキタスシステム (UBI)
日時: 2009年7月8日(水) 17:20 - 19:30
部屋: コスモス
座長: 大内 一成 (東芝 研究開発センター)

3G-1 (時間: 17:20 - 17:45)
題名においを入出力とする小型デバイスの設計と実装
著者*小林 泰貴 (神戸大学工学部電気電子工学科), 竹川 佳成 (神戸大学自然科学系先端融合研究環), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
Pagepp. 605 - 613
Keywordユビキタスコンピューティング, におい入出力制御, 五感情報処理
Abstract近年の半導体部品の小型化により,あらゆる場所にコンピュータを配置するユビキタスコンピューティングへの関心が高まっている.この分野では,光や音,振動を認識し,制御するユビキタスデバイスが提案されているが,癒しや危険察知など重要な役割をもつ嗅覚情報を柔軟に制御できるユビキタスデバイスは存在していなかった.そこで本研究では,小型のにおい出力装置とにおいセンサを用いた,においを入出力とする小型デバイスを提案する.提案デバイスは,コマンドベースの制御言語により動的に動作を変更でき,におい情報の記録・再生,他のユビキタスデバイスとの協調動作など,においの特性を考慮したさまざまなアプリケーションを容易に構築できる.提案デバイスのプロトタイプを実装し,においの入出力が適切に行われることを確認した.さらに,応用例の評価実験を行い,提案デバイスの有用性を確認した.

3G-2 (時間: 17:45 - 18:10)
題名味の認識と制御を行う小型デバイスの設計と実装
著者*神谷 幸洋, 竹川 佳成 (神戸大学), 寺田 努, 塚本 昌彦 (神戸大学大学院工学研究科電気電子工学専攻)
Pagepp. 614 - 621
Keyword味制御, ユビキタス, 味入出力, 味覚
Abstract近年,半導体技術の発展に伴い,人の五感を認識したり刺激するデバイスへの関心が高まっている.味覚に関しては,味の品質評価,再現,腐食防止など,味の認識と制御を相補的に行うことで我々の日常生活をより便利にする可能性が期待されるが,これまで味の特徴抽出が複雑であったため味を柔軟に制御できるデバイスは存在していなかった.そこで,本研究では,味を入出力可能な小型制御デバイスの構築を目的とする.提案デバイスは,味覚センサのデータから味を認識し,認識結果に基づき味成分を出力し味を制御する. また,他のユビキタスデバイスから温度などの情報を得ることで,より高度な制御も行う.本研究ではプロトタイプとして糖分および塩分を制御するデバイスを実装し,塩分制御デバイスを用いた塩分濃度の制御実験を行った.提案デバイスを用いることで,塩分濃度の再現やユーザの嗜好に合った濃度制御が行えることを確認した.

3G-3 (時間: 18:10 - 18:35)
題名確率的階層化ドロネーオーバレイの分散構成手法の提案
著者*大西 真晶, 井上 真杉 (独立行政法人 情報通信研究機構)
Pagepp. 622 - 628
Keywordドロネー, オーバレイ, SkipGraph, 計算幾何, ジオキャスト
Abstract本提案では,平面上に存在するノード間を同程度のホップ数で結ぶSkip Geo Network(SGN)の分散構築アルゴリズムについて提案する.SGN は, Skip Graph を用いた論理ネットワークとノードの位置関係により構成されるドロネーオーバレイネットワークのハイブリッドな階層構造を持ち, 各ノードは, より近いノードから遠方ノードへのリンクを持つことができる. そのため, 平面上に存在するノード間を同程度のホップ数で結ぶことができ, ボロノイ図を利用した経路選択を行うことにより, マルチキャスト木を構成することができる.しかし,Skip Geo Networkの構築手法としては,環状ネットワークを前提とした構築手法のみしか提案されておらず,適用において様々な制約が存在するものと考えられる.そこで,本検討では既存の構成アルゴリズムの問題点について整理し,ドロネーオーバレイネットワーク上への直接的で分散的な構成手法の基本的なアイデアについて述べる.

3G-4 (時間: 18:35 - 19:00)
題名電子ペーパーシステム実現のための通信プロトコル設計
著者*平川 剛 (ネットワーク応用技術研究所/R&D部), 石西 洋 (ネットワーク応用技術研究所/先端ネットワーク研究室), 井上 創造 (九州工業大学大学院工学研究院基礎科学研究系), 服部 励治 (九州大学大学院システム情報科学研究院電子情報デバイス工学部門)
Pagepp. 629 - 635
Keyword電子ペーパー, 応用システム, 無線通信プロトコル, 電力制御
Abstract電子ペーパーは.紙を代替する表示装置として理想的な特性を持ち,次世代ディスプレイデバイスとして普及が期待されている.しかし,電子ペーパーは既存のディスプレイデバイスと異なる特徴を持つため,既存のサービスに適用しても長所を十分に発揮できない可能性があり,電子ペーパーの普及を図るためには電子ペーパーに適した,新たなアプリケーションの創出が必要となる.本研究は,電子ペーパーの特徴を活かしたサービスの普及推進を目的に,電子ペーパーを用いたサービスを構築するプラットフォームの提案,実現と,そのプラットフォーム構築に必要な要素技術の開発を目標としている.著者らはまず電子ペーパーの特徴分析を行い,その特徴に基づくサービスを実現する「どこでもプリンタ」プラットフォームを提案する.さらに,プラットフォームの要求分析を行うことにより,要素技術の要件定義を行い,それに基づく通信プロトコルの設計を行い,実装例として「どこでもプリンタ」プラットフォーム試作状況について述べる.

3G-5 (時間: 19:00 - 19:25)
題名Integral Histogramを用いたカメラ画像からの高速物品検出手法に関する評価
著者*藤井 裕士 (東京大学大学院学際情報学府学際情報専攻), 小川 剛史 (東京大学情報基盤センター)
Pagepp. 636 - 644
Keyword物体検出, 色ヒストグラム, 日常生活支援
Abstract色ヒストグラムを用いたカメラ画像からの物品検出に関する研究は盛んに行われて おり,ロボットの自律移動制御やカメラ監視システムなど,さまざまな分野への応用 が期待されている.しかし,一般的にヒストグラムの構築に時間がかかるため,複数 の物品を高速に検出することが困難であった.筆者らは,これまでの問題を解決する ため,色ヒストグラムの構築コストを低減するIntegral Histogram を提案し,任意 の矩形領域における色ヒストグラムを低コストで算出することで,複数の物品の高速 な検出を可能にした.本稿では,提案手法の検出精度を向上させるための拡張につい て述べ,既存手法との比較実験によって,提案手法の有効性に関する評価を行った.