題名 | アドホックネットワークにおける狭ビーム指向性アンテナの効果について |
著者 | *小松 裕也 (静岡大学大学院情報学研究科), 萬代 雅希, 渡辺 尚 (静岡大学情報学部) |
Page | pp. 568 - 575 |
Keyword | アドホックネットワーク, 指向性アンテナ, 狭ビーム幅 |
Abstract | 近年,アドホックネットワークに指向性アンテナを適用することが注目されている.指向性アンテナを使用することによる利点は,空間利用効率の向上や送信距離の延長がある.しかし,指向性アンテナの使用により,無指向性アンテナでは発生しなかったDeafness問題や指向性隠れ端末問題が発生する.本研究では,指向性隠れ端末問題の解決のため,狭ビーム指向性アンテナの使用を考える.狭ビーム指向性アンテナは周りへの干渉が小さくなるため,指向性隠れ端末問題の発生を抑制することができる.一方,Deafness問題はビーム幅が狭くしても発生する問題である.本研究では,これに着目し狭ビーム指向性アンテナを使用し,さらにDeafness問題に対処する方式を提案する.本稿では,Deafness問題に対処するためのAlternative Cast方式とModerate Transmission方式を提案する.Alternative Cast方式は,マルチルートを使った方式でパケットをそれぞれのルートに分散して送信することにより,Deafness問題に対処する方式で,Moderate Transmission方式はシングルルートでパケットのルート中のパケットの送信量を制御することによりDeafness問題に対処する方式である.そして,シミュレーションによりAlternative Cast方式が従来方式よりDeafnessを減少させ,スループットを向上することを示した. |
題名 | 指向性アンテナを利用した送信レート制御ブロードキャストについて |
著者 | *古川 恭史, 萬代 雅希, 渡辺 尚 (静岡大学) |
Page | pp. 576 - 584 |
Keyword | アドホックネットワーク, ブロードキャスト |
題名 | 隠れ端末及びデフネス問題を解決する指向性MACプロトコルについて |
著者 | *横田 翔子, 萬代 雅希, 渡辺 尚 (静岡大学) |
Page | pp. 585 - 592 |
Keyword | 指向性アンテナ, 指向性隠れ端末問題, deafness問題, 代理端末, MACプロトコル |
Abstract | 近年アドホックネットワークにおける指向性アンテナの利用が注目されている.指向性アンテナは,空間利用効率を向上させ,通信距離を拡大できる.今までに指向性アンテナを利用したMACプロトコルが多く研究されている.しかし,スループット低下の原因になる指向性隠れ端末問題とdeafness問題が残されている.本研究では,通信していない端末を通信中の端末の代理端末として用いることで指向性隠れ端末問題とdeafness問題を同時に解決するMACプロトコルの提案をする.性能評価においては,DMACのシミュレーションにより問題発生時の影響を考察し,理論値計算で提案方式におけるオーバーヘッドを算出することで,達成可能な性能を示す. |
題名 | アドホックネットワークのパケット衝突によるスループットの低下を防ぐ方式の検討 |
著者 | *後藤 秀暢 (名城大学大学院理工学研究科), 伊藤 将志 (株式会社東芝研究開発センター), 渡邊 晃 (名城大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 593 - 597 |
Keyword | アドホックネットワーク, RTS/CTS, ビジートーン |
Abstract | アドホックネットワークで実現されるマルチホップ通信では,隠れ端末問題の影響で,大幅にスループットが低下することが知られている.隠れ端末問題を解決するためにIEEE802.11ではRTS/CTS方式を採用している.しかし,RTS/CTS方式ではトラフィック負荷が高くなるとパケットの衝突が発生しやすい.この問題を解決するためにビジートーンを用いたDBTMAやその応用システムが提案されている.しかし,既存技術では,送信端末と隠れ端末のRTS同士の衝突については十分に検討されていない.そこで本論文では,ビジートーンの到達範囲を拡大させることで,周辺端末とのRTSの衝突を大幅に減少させる方式を提案する. |
題名 | アドホックネットワークにおけるハイブリッド型マルチキャスト通信方式 |
著者 | *伏見 聡, 熊谷 佑紀, 阪田 史郎 (千葉大学) |
Page | pp. 598 - 604 |
Keyword | アドホックネットワーク, マルチキャスト, IEEE802.11, ブロードキャストフレーム, ユニキャストフレーム |
Abstract | 近年,無線通信技術の発展やモバイル端末の普及に伴い,アドホックネットワークに関する研究が盛んに行われている.アドホックネットワークは固定のインフラなしで,複数のモバイル端末により構築される自律分散型無線ネットワークである.アドホックネットワークでは,コンテンツ配信など一度に複数の受信者へ同一のデータを配信するサービスが重要となっている.複数の宛先が存在するような場合の通信方式としては,ユニキャストによる複数配信とブロードキャスト送信を用いるマルチキャスト配信がある.ユニキャストとブロードキャストは通信方式の違いにより,信頼性,遅延,また,通信帯域の圧迫という面で性能に差がある.しかし,従来の個々の研究ではユニキャストかブロードキャストのどちらか一方しか扱われない.そのため,信頼性,遅延,通信帯域の圧迫という全ての面において,同時によい性能を達成するのは困難である.本稿では,通信を行う端末間の各中継端末がユニキャストとブロードキャストのいずれかの送信方法を選択する通信方式を提案する.これにより,高到達を実現しつつ低遅延,通信帯域の圧迫が少ない通信を実現する.シミュレーション評価により,提案手法の有効性を示す. |