題名 | 並列データ処理アプリケーション実行時の仮想マシンPCクラスタの動作解析 |
著者 | *豊島 詩織, 原 明日香, 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
Page | pp. 288 - 294 |
Keyword | 仮想化, ネットワークアーキテクチャ, 分散処理, データマイニング |
Abstract | 情報量が爆発的に増加している今日においてITコストの増大が問題になっており、データの蓄積や管理を効率よく行なうことが重要になっている。 本研究では計算機資源の効率的な運用方法として、各ノードに汎用のパーソナルコンピュータとネットワークを用いたPCクラスタに対し仮想化技術を適用した仮想マシンPCクラスタを構築した。 通信には次世代SANとして注目されるIP-SANを導入することで、サーバとストレージ間の広域環境における通信を低コストで実現することができ、遠隔地への通信も容易となる。これにより例えばクラウドコンピューティングの枠組における遠隔計算機リソースの利用が期待できる。 本稿では構築したシステム上でデータマイニングの一種である相関関係抽出のアプリケーションを動作させ、 システムのモニタを行い、遠隔アクセスを考慮したiSCSI通信をしたときの仮想マシンPCクラスタの振舞を解析する。 |
題名 | 疎結合PCクラスタによる並列的なマークシート読み取り |
著者 | *久保 裕也 (千葉商科大学) |
Page | pp. 295 - 302 |
Keyword | 画像処理, マークシート読み取り, 疎結合クラスタ |
Abstract | 本稿では,マークシート読み取りアプリケーションのOMR処理の所要時間を短縮させることを目的として,疎結合PCクラスタを編成し,アプリケーション内部での画像処理などを並列化する方式を提案する.また,この方式を適用したマークシート読み取りアプリケーションSQS MarkReaderを開発し,改善状況をテストするために最大15台のPCを用いた実験を行った. 1台のPCでの動作と比べてマスタ1台+ワーカ1台(計2台)のPCクラスタでは1.71倍速度が向上した.さらに,このマスタ1台+ワーカ1台の計2台を基準にすると,ワーカ台数を3台にした場合にはさらに1.23倍に,ワーカ14台では1.98倍に向上したことが示された.この1.98という数値はアムダールの法則における理論値2.0に近い性能を実現したことを示している. |
題名 | 市場メカニズムにもとづくQoS適応リソース割り当てシステムQARAMAMEの試作 |
著者 | *吉田 英樹, 崎山 伸夫 (株式会社東芝 研究開発センター) |
Page | pp. 303 - 308 |
Keyword | クラスタ, リソース割り当て, QoS, 市場メカニズム |
Abstract | 大規模リアルタイム信号処理は、従来はアプリケーションごとの個別のハードウェアによって実現されることが多かった。しかし近年、コストや重量の軽減のため、複数の信号処理アプリケーションを複数の計算機を接続したクラスタ上で分散実行する方式が取られはじめている。 このようなクラスタシステムでは、一時的な過負荷や障害に備えてハードウェア量に大幅な余裕を設けるか、過負荷時や障害時に一部のアプリケーションを停止する必要があるという課題があった。 リアルタイムクラスタミドルウェアQARAMAMEでは、アプリケーションの重要度に応じてリソース割り当てを行なうほか、信号処理アプリケーションに特化して、状況に応じて解像度などのアプリケーションのQoSを制御することで、アプリケーションをできるだけ停止せずにハードウェア量を削減することを目指す。QoSを考慮したリソース割り当ては市場メカニズムによって分散して行なう。この市場メカニズムでは、アプリケーション間のリソースの配分と、処理のノードへの割り当てとにサプライチェーンモデルによる繰り返し入札機構で対応する。 CORBA上のサービスとして市場サービスおよびリファレンスアプリケーションを試作したほか、アプリケーションの開発負担を軽減する入札などのAPIを含むライブラリを実装した。 クラスタシステムで要求される耐故障性には、市場メカニズムによる対応と、FT-CORBAによる待機交代とを併用して対応した。 試作によって、重要度を反映したCPU時間の割り当てができること、アプリケーションがQoS適応を行ないながら実行できることをそれぞれ確認した。 |
題名 | 多重化を用いたグリッドコンピューティングにおける多数決処理の負荷分散手法 |
著者 | *杉本 恭平, 平田 孝志, 樋上 喜信, 小林 真也 (愛媛大学大学院理工学研究科) |
Page | pp. 309 - 314 |
Keyword | グリッドコンピューティング, セキュリティ, 多重化, 負荷分散 |
Abstract | 一般のユーザをリソースとするPCグリッドでは悪意のある解析者によるプログラムの解析や改竄といった危険を考慮しなくてはならない.不正な解析とは,プログラムを解析されることにより,そこに含まれる情報を知られることを指す.改竄とは,プログラムを書き換えて実行することを指す.プログラムを書き換えることによって本来予期しいたものと違う動作をする為,処理結果も誤ったものが出力される.これまで,この問題を解決するために,処理目的の隠蔽法が提案されている.処理目的の隠蔽法では,チェックコードと呼ばれる冗長なコードの挿入により改竄の検出を行っている.しかし,チェックコードの挿入だけでは改竄を十分に検出することはできない.そこで処理目的の隠蔽法において改竄の検出確率を高めるために,処理の多重化手法を提案する. 本稿では2種類の多重化手法について提案し,その有効性を評価する. |