題名 | ミクロ交通流シミュレータと排出マップを組み合わせた交差点改良によるCO2低減効果のシミュレーション -トの字型交差点の場合- |
著者 | *高橋 幹, 疋田 敏朗, 吉岡 顕 (トヨタIT開発センター研究開発部), 草嶋 隆行 (トヨタ自動車株式会社) |
Page | pp. 241 - 245 |
Keyword | CO2, 環境負荷低減, 交通流シミュレーション, 排出マップ |
Abstract | 地球温暖化対策の一環としてCO2 排出量削減が強く求められており,運輸部門における排出量削減へ向けた取組みの1つの方向性として,交通流改善によるCO2排出量低減がある.その中には,交差点の改良も含まれるが,その効果予測のためには,個々の交差点の改良等のミクロな交通流変化による低減予測が必要となる.そこで筆者らは,個々の車両の速度,加速度を扱うミクロ交通流シミュレーションと,JCAPIIプロジェクトによって作成された速度,加速度の2 変数によるCO2排出マップを組み合わせ,交差点における改良効果を予測することを提案する.さらに,豊田市内の朝の通勤時間帯に数百m 以上の渋滞が見られる全方路1車線,信号なし,トの字型交差点を例にとり,北側方路への右折レーンの設置およびその長さが交通流をどう改善し,それがどのようにCO2排出量低減につながるか,シミュレーション予測を行ったので報告する. |
題名 | 車車間通信シミュレーションの複数のネットワークシミュレータによる比較評価 |
著者 | *大和田 泰伯 (株式会社スペースタイムエンジニアリング), 小倉 一峰 (早稲田大学), 高井 峰生 (早稲田大学/UCLA), 関 馨 (財団法人日本自動車研究所) |
Page | pp. 246 - 251 |
Keyword | シミュレータ, Scenargie, ns-2, QualNet, 比較評価 |
Abstract | ITS(Intelligent Transportation System)のシミュレーションを行なうには,交通流シミュレータが行なうような動的なモビリティ計算や安全運転支援システムで用いられるような車車間通信での自動車による遮蔽を考慮した電波伝搬計算など,複雑な要求条件がシミュレータへ求められる. しかしながら,現状のほとんどの通信系シミュレータはITSを対象システムに入れずに設計されており,その機能を拡張しなくてはITSの通信システムシミュレーションを効率的に行うことができない.さらに,機能拡張の方法が研究者によって異なるため,たとえ同一の通信シミュレータを使っていても評価結果を直接比較することができないなどの課題があった.そこで,本稿では,通信システムシミュレーションとしてns-2(標準のIEEE802.11モデルns-2stdと,IEEE802.11p拡張モデルns-2extの2種類),QualNet,Scenargieの3つのシミュレータに注目し,それらで車車間通信の規格であるIEEE802.11pのシミュレーションを行なうために,どのような修正が必要となるか,シミュレータ毎にどのようにプロトコルモデルが実装されているのかなど,シミュレータ毎の実装の違いをソースコードレベルで調査し,可能な限り同一の結果が得られる様に修正を行なう.さらに,修正したモデルにおいてシミュレーション結果の比較,及び実行性能の比較評価を行なった.これにより,ns-2ext,QualNet,Scenargieではほぼ同じ結果が得られ,実行性能もシミュレータ毎に差がある事が分かった. |
題名 | T字路における車々間通信による合意形成手法の検討と評価 |
著者 | *Kien Tran Hong (愛知県立大学大学院情報科学研究科), 井手口 哲夫, 奥田 隆史, 田 学軍 (愛知県立大学) |
Page | pp. 252 - 257 |
Keyword | 合意形成, 車々間通信, 安全運転 |
Abstract | 自動車の安全性向上のためのドライバの行動通知手段が少なく,行動通知方法として方向指示器やハザードランプなどが挙げられるが,既存のほとんどの手法は視覚的な制約があり,行動通知範囲は非常に限られている.また行動を通知してもそのフィードバックがないことも問題である.現状ではドライバの行動は主観的なものが多く,このため他車両と衝突や追突などの事故を起こしやすい.この点に注目し,本稿は車々間通信を用いて,車両の行動を事前に通知し,他車両からの合意や協力を得る手法について検討を行い,コンピュータシミュレーションによりその有効性を示す. |