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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2008)シンポジウム

セッション 4B  Webサービス(GN)
日時: 2008年7月10日(木) 8:30 - 10:10
部屋: ベガ
座長: 金井 秀明 (北陸先端大)

4B-1 (時間: 8:30 - 8:55)
題名Webマップにおける特定カテゴリの対象物への自動訪問の利用
著者山本 富士男, *小田 亮太, 宮崎 剛 (神奈川工科大学情報学部 情報工学科)
Pagepp. 795 - 799
KeywordWebマップ, Webサービス, 位置情報
Abstract Web地図上の対象物を自動的に訪問するシステムについて考察した。このシステムを活用すれば、単にそれらの対象物のリストを持っているだけの場合と比べて、いくつかの利点が得られる。Web地図上での自動訪問を閲覧していると、新たな発想が涌くというメリットがある。視覚によって人間の脳は刺激を受け、対象物のリストには無い情報が見えてくる場合が多いからである。本論文においては、ひとつの試みとして、約4,800名の学部学生のいる大学において、その在学生の全ての出身高校(約1,300校)の高校名リストから、それらの高校をWeb上で自動訪問するシステムを試作した。これを利用することにより、大学の広報担当者が高校を訪問するうえでの企画立案を促進できることが分かった。また、在学生にとっても大学への親近感を増す作用があることなどが明らかになった。

4B-2 (時間: 8:55 - 9:20)
題名テレコム-Webサービス連携アーキテクチャ利用方法の提案
著者*宮城 安敏, 中野 雄介, 山登 庸次 (日本電信電話株式会社/NTTネットワークサービスシステム研究所)
Pagepp. 800 - 804
Keywordサービス合成, ウェブサービス, シナリオ記述
AbstractテレコムイネーブラやWebサービスなどを容易に連携するための仕組みとして、我々は、ユーザに応じた柔軟なサービス連携を行うことができるサービス合成エンジンの研究を進めている。連携サービスの開発者としてWebアプリケーション開発者を想定しているが、細かなロジックの記述が難しいという課題がある。そこで、シナリオの作成を作成者自身の使いやすい任意の言語を用いて記述し、合成エンジンのプロセスモデルを利用したサービスエレメント選択機能を使用する方法を提案し、ケーススタディにより、学習容易性、作業時間の評価を行ったところ、アプリケーション製造時間が従来の合成エンジン利用法より約30%削減することができた。

4B-3 (時間: 9:20 - 9:45)
題名統合ブックマーク生成システムの提案
著者*渡辺 伸一 (神奈川工科大学 大学院 工学研究科 情報工学専攻), 服部 哲 (神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科), 速水 治夫 (神奈川工科大学 大学院 工学研究科 情報工学専攻)
Pagepp. 805 - 810
Keyword情報検索, 情報共有, ブックマーク
Abstract1.研究対象の現状 近年,インターネット上のWebページ数は増加の一途を辿っている.しかし,ブログをはじめとする,利用者が容易に情報を発信できるツールの登場によって情報の質の幅が広がった.このため,利用者が求める情報に対する信頼性の高さや,情報量が充実している優良なWebページを探す労力の増加が問題となっている. Webページを探す方法として,GoogleやYahoo!などの検索エンジンを利用する方法が主流である.しかし,Webページの質を判定するのが難しいロボット型検索エンジンは,結果に不必要な情報を提示することがある.その例として簡単な用語の意味しか情報のない辞書ページや,検索キーワードに対する書籍販売ページがあげられる.これらのWebページは情報の量が少なく,利用者がキーワードに対する詳しい情報を持つWebページを要求している場合は不要となる.このようなWebページや,まったく情報を持たないスパムWebページなどが検索結果の上位に出力されることは,結果のさらなる絞り込みやWebページの比較が必要になる.これは利用者の負担増加となる.これに対しディレクトリ型検索エンジンは,優良なWebページが多く集まっている.しかし,カテゴリ数が多いため,カテゴリを把握していない利用者はロボット型検索エンジンより検索に時間がかかり,Webページを探しづらい.また,人手による収集のために管理するための費用がかかることや,管理する人間によって集まるWebページに偏りがある点も問題である. 検索キーワードに対し優良なWebページが探しやすい検索システムがあれば,利用者が現状より効率的にWebページを取得することができる. 2.解決策 Webブラウザにはブックマーク機能がある.ブックマークとは,利用者が再度訪れたいと考えたWebページをWebブラウザに保存できる機能である.ブックマークに保存されたWebページは,その管理者によりフィルタリングされているため,優良なWebページが多く存在すると推測される.また,登録されたWebページが多くなると管理者はフォルダを作り,その中にWebページを分類する.そして更にWebページ数が多くなると,フォルダの中に更にフォルダを作り,独自の階層構造によって管理するようになる.フォルダ名は,登録されたWebページに対するキーワードの一つであると推測される. 本研究では不特定多数,またはグループ内のブックマークを統合することにより,集団知を利用して優良なWebページの検索が可能であると提案する.しかし階層構造に利用するフォルダ名は,内部のWebページが同じでも利用者によって異なる.そこで同じ意味だと推測されるフォルダを統合することで,優良なWebページを探しやすい一つのリンク集を生成するシステムを提案する. 3.提案システム 実験システムは,PHP,Apache,MySQLを利用したWebアプリケーションである.データベースに登録されたブックマークを統合し,リンク集を画面に出力する.統合時の処理部分は順位算出部,構造構築部,構造調整部に分かれる.順位算出部では多くの利用者が作成したフォルダ名を上位に上げるため,フォルダ名ごとの順位を出す.この部分で,その他,巡回などの内部のWebページに一貫性が見られない汎用的なフォルダは除外する.この順位を利用し,構造構築部でフォルダ構造を作成する.この部分で同じ名前,同じ意味のフォルダを統合する.この時点では重複リンクが残っているため,最後に構造調整部でこれを削除し,最終的なリンク集とする. 4.評価実験 実験システムとGoogle,Yahoo!カテゴリを比較する.まず,Webページを探しやすいという点に評価を得るため,3人の実験協力者が目的のWebページを得るまでの時間を計った.この実験では他の両検索エンジンを上回る結果となった. 次に出力結果中のノイズから精度を出した.この実験では,Googleを多少上回り,Yahoo!カテゴリを下回る結果となった.これはロボット型検索エンジンの結果にある辞書ページ,書籍販売ページ,スパムWebページなどの情報量の少ないWebページを結果から取り除けた結果であると推測される. これにより,検索語に対する一定の情報量を持つWebページを探しやすい統合ブックマークを生成することができた. 続いて,出力結果が4人の実験協力者にとって役に立つかを5段階評価の有用性として計った.この実験では他の両検索エンジンより劣る形となった.ただしこれはWebページ全体の質が下がったわけではなく,本システムの結果は新規性が低く,有用性の標準偏差が大きいことから,優良なWebページとそうでないWebページの幅が広いといえる.この原因は実験に利用したブックマーク数が足りないためだと考えられる. 今後はこの点に関して実験を行う.

4B-4 (時間: 9:45 - 10:10)
題名学生会選挙業務支援システムの構築と評価
著者*杉浦 茂樹 (東北学院大学 教養学部)
Pagepp. 811 - 817
KeywordWebベースシステム, 選挙業務支援
Abstract 本学では,学内で行われる常任委員長選挙の投票率低下が問題になっている。この原因を検討したところ,選挙管理委員会の広報不足が考えられる。しかし,選挙管理委員会は投票率などを管理するための業務に時間を要するため,広報活動が十分に行えない状態であることがわかった。  本研究は問題を改善するため,選挙管理委員会の業務を支援するシステムの開発を行う。なお,本システムは票を入れる行為を電子化した電子投票システムではなく,投票率の算出などの選挙管理業務を支援するものである。よって本稿で述べるユーザは投票者ではなく,選挙管理委員である。  本システムは,投票者の登録・確認,クラス別の集計の機能を提供する。  投票は複数箇所で行うため,複数の端末を使用する。そのため,個々の端末で取得したデータをすべての端末に共有する必要ある。端末をコンピュータ・ネットワークで接続することができればデータの共有は容易に行える。しかし,学内の運用規定によりネットワークを利用することはできない。このような状況を解決するため,本システムでは,ネットワークによらない共有機能を設計・実装した。  実装したシステムを実際の学生会委員長選挙に活用することで本システムの評価を行った。