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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 6A  アドホックグループ通信(MBL)
日時: 2007年7月5日(木) 14:30 - 15:45
部屋: 平安
座長: 渡邊 晃 (名城大学)

6A-1 (時間: 14:30 - 14:55)
題名位置情報の利用によりオーバーヘッドを削減するアドホックマルチキャストプロトコル
著者*熊谷 佑紀 (千葉大学大学院 融合科学研究科), 大野 優樹, 須藤 崇徳 (千葉大学大学院 自然科学研究科), 阪田 史郎 (千葉大学大学院 融合科学研究科)
Pagepp. 1123 - 1128
Keywordアドホックネットワーク, マルチキャスト, ODMRP, 位置情報, 経路有効時間

6A-2 (時間: 14:55 - 15:20)
題名アドホックネットワークにおける受信ホスト間の公平性を考慮したマルチキャスト輻輳制御方式に関する検討
著者*丸田 佑紀 (関西大学大学院工学研究科), 小川 英己 (関西大学工学部), 今西 友樹 (関西大学工学研究科), 山本 幹 (関西大学システム理工学部)
Pagepp. 1129 - 1138
Keywordアドホックネットワーク, マルチキャスト輻輳制御, Intra-session Fairness
Abstract近年,無線LANにおけるアクセスポイントなどの無線インフラを要さず,無線端末のみで自律的に構築されるアドホックネットワーク実用化に向けて様々な技術が提案,開発されている.その中で, 1対多,もしくは多対多通信を実現するアドホックマルチキャスト通信がある.マルチキャスト通信は多数の受信ノードが存在する場合,各受信ノードにユニキャスト通信で送信するよりも帯域消費量が大幅に減少する.特に,アドホックネットワークの様な無線環境では帯域が制限されているため,アドホックマルチキャスト技術が重要となる. 一般に,アドホックマルチキャストではトランスポート層にUDPが用いられており,ネットワーク輻輳に対して送信レート制御を行わない.そのため,ユニキャスト通信で広く用いられているTCPとマルチキャスト通信がアドホックネットワークで共に用いられる場合,輻輳が発生するとTCPは自らのレートを下げるのに対してマルチキャストは全くレートを下げないという状況になる.この状況ではマルチキャストがTCPに対してアドホックネットワークの帯域を大きく占有する可能性があり,アドホックマルチキャスト輻輳制御が必要となる. マルチキャスト輻輳制御では,送信元ノードが受信ノードの受信状況を把握する必要があり,一般にフィードバック情報を用いる.マルチキャスト通信では多数の受信ノードが存在するため,全受信ノードがフィードバック情報を送信元ノードへ送信すると,送信元ノードにフィードバック情報が集中する,いわゆるFeedback Implosionが発生する. マルチキャスト輻輳制御において,送信元ノードの送信レートを輻輳状況の最も劣悪な受信ノードの輻輳が回避できるレートに設定することが要求条件となる.従って,輻輳制御の観点からは,最悪輻輳状況にある受信ノードからのフィードバック情報のみが重要となる.この観点から,最悪輻輳状況にある受信ノードを代表ノードとして選出し,送信元ノードと代表ノード間でフィードバック情報の授受を行うマルチキャスト輻輳制御方式が提案されている.なお,代表ノードを用いた方式では,送信レート決定の際,TCPと共有した状況ではほぼ等しいスループットを得るようにし,TCP親和性を実現している. アドホックネットワークでは,送信元ノードと受信ノード間のホップ数増加によるスループット低下が知られている.また,輻輳によるパケットロス以外に無線リンクでのパケットロスが発生する.このため,送信元ノードからのホップ数が大きい受信ノード,無線環境が劣悪な受信ノードのスループットが低下する. アドホックネットワークで代表ノードを用いた方式を適用すると,これら状況下の受信ノードは代表ノードに選択されやすく,代表ノードの受信可能スループットに送信レートを適合するので,同一セッション内の他の受信ノードは自身の受信可能スループットよりかなり低いレートで受信することになる.この観点からみた同一セッション内の受信ノード間の公平性は,Intra-session Fairnessと呼ばれる.Intra-session Fairnessが実現された状況とは,各受信端末が自身の受信可能なスループットでマルチキャストデータを受信している状況と定義される. 本稿ではこのIntra-session Fairnessに注目し,Intra-session Fairnessを実現するために,プロキシと呼ばれるノードをマルチキャストセッション内に配置する方式を提案する.プロキシはマルチキャスト通信の上流側(送信元ノード,上流に存在するプロキシ)に対しては,受信ノードとして動作し,下流側(受信ノード,下流に存在するプロキシ)に対しては送信元ノードとして動作する.セッションを送信元ノードからプロキシ,プロキシから受信ノードと分割することにより各ノード間の伝送遅延を減少させ,またプロキシを配置することにより,送信元ノードに対して無線環境が劣悪な受信ノードの隠蔽を行う.この様に,プロキシをセッション内に配置し,送信元ノードに対してセッション内に存在する最もスループットが低い受信ノードを隠蔽することにより,Intra-session Fairnessが改善される. また,本稿では,提案方式の有効性を検証するため,計算機シミュレーションによる性能評価を行った.その結果から,アドホックマルチキャスト輻輳制御にプロキシを導入することにより,Intra-session Fairnessが改善されることを示した.

6A-3 (時間: 15:20 - 15:45)
題名組織行動に対応するグループアドホックルーティング方式の提案
著者*寺島 美昭, 河東 晴子 (三菱電機/情報技術総合研究所)
Pagepp. 1139 - 1144
Keywordad-hoc, disaster, routing
Abstract厳しい電波伝搬環境下にある被災地域において、複数の防災救助グループが連携して活動するための無線ネットワーク実現を目的に、グループ内とグループ間のルーティングを分離した階層型で制御するグループアドホックルーティング方式を提案する。この方式はグループ境界において、各端末が電波伝搬環境や利用状況に応じて自律的にルーティング範囲を変更する事により、制御通信トラフィックを抑制し、重要度の高い通信に必要なルートを優先的に確保する事を特徴とする。