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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2007)シンポジウム

セッション 3C  センサネットワーク3(UBI)
日時: 2007年7月4日(水) 16:50 - 18:30
部屋: 砂子〜磯笛
座長: 井上 創造 (九州大学)

3C-1 (時間: 16:50 - 17:15)
題名ワイヤレスセンサネットワークにおけるIPv6利用についての一考察
著者*佐藤 貴彦, 島田 秀輝, 藤川 和利, 砂原 秀樹 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 500 - 505
Keywordセンサネットワーク, 6lowpan, ZigBee, IPv6
Abstract様々な分野でワイヤレスセンサネットワークが広まる中, 省電力に重点を置いた,IEEE802.15.4と呼ばれる新しい短距離無線通信規格が注目を集めている. このIEEE802.15.4の上位層プロトコルとしては,非IPプロトコルであるZigBeeなどが代表的であるが, 6lowpanと呼ばれるIPv6プロトコルについてもIETFで議論されている. 本論文では,ウェアラブルセンサを例に取り,IPを用いたワイヤレスセンサの必要性を述べる.

3C-2 (時間: 17:15 - 17:40)
題名無線センサーネットワークにおける計測処理記述のためのデザインパターンの抽出と適用
著者*鄭 顕志 (早稲田大学/国立情報学研究所), 深澤 良彰 (早稲田大学), 本位田 真一 (国立情報学研究所/東京大学)
Pagepp. 506 - 515
Keyword無線センサーネットワーク, デザインパターン, モデル駆動開発, ミドルウェア
Abstract無線センサーネットワーク(Wireless Sensor Network:WSN)は,現実世界の状態に関するデータを提供する基盤として 期待を集めている. しかし,複数のWSNを横断的に利用する場合, 1つの計測処理を,それぞれのWSNを管理している管理機構の計測記述言語ごとに記述しなければならず, 利便性が低くなってしまう. 本研究では,モデル駆動アーキテクチャの概念を導入し,WSNの計測記述を各管理機構に被依存の中間的なモデルとして記述し, その中間モデルから各計測記述言語に変換するというプロセスを導入することで,横断的なWSN利用の負荷を低減する. しかし,各記述言語が提供する機能の差異によって,中間モデルから各計測記述言語に変換する際に, 自動変換をすることが困難な場合がある. その場合,プログラマによる手動変換が必要になり,プログラマへの負担が増加する. そこで,本論文では,手動変換に関する負担を低減するために変換のためのデザインパターンを抽出、適用する. デザインパターンを用いることで,各記述言語が提供するプリミティブでは提供できない機能を実現する明示的な手順を プログラマに対して示し,変換時のプログラマの負担を低減することができる.

3C-3 (時間: 17:40 - 18:05)
題名無線センサーネットワークにおけるFalse Eventの検知
著者*清 雄一 (東京大学), 本位田 真一 (東京大学/国立情報学研究所)
Pagepp. 516 - 523
Keywordセンサーネットワーク, セキュリティ, False Event
Abstract大規模なセンサーネットワークでは,個々のセンサーがセキュリティ侵害を受けやすい.セキュリティ侵害を受けたセンサーは,嘘のイベント(False Event)を発生させるのに利用される.この攻撃は,イベントの受け取り手を混乱させるだけではなく,個々のセンサーの有限のエネルギーを消費させる.False Event攻撃に対する既存のセキュリティ機構の共通目標は,小さな閾値を設定し,閾値未満のセンサーがセキュリティ侵害を受けた場合のFalse Eventを,In-networkで検知することである.だが多く既存研究では,セキュリティ侵害を受けたノードの数が閾値を超えると,False EventをIn-networkで検知することはできない.一方,閾値の値を上げるためには全体のノード数を増やす必要があり,設備費用や維持費用が上昇する.本論文では,閾値以上のセンサーがセキュリティ侵害を受けた場合でも,高確率でIn-network内においてFales Eventの検知ができる新しい機構を提案する.提案手法では,従来のセンサーへの鍵の配備に加え,同じイベントを検知できるセンサーの集合の情報を各センサーに保持させる.従来研究と比較し,False Eventの検知率が大幅に向上することを,数学的な解析によって示す.

3C-4 (時間: 18:05 - 18:30)
題名複数の属性分割を利用したセンサネットワーク向け鍵管理方式の実装と評価
著者*野田 潤 (NEC共通基盤ソフトウェア研究所), 楫 勇一, 毛利 寿志 (奈良先端科学技術大学院大学), 仁野 裕一, 中尾 敏康 (NEC共通基盤ソフトウェア研究所)
Pagepp. 524 - 529
Keywordセンサネットワーク, 鍵管理方式, セキュアマルチキャスト, ユビキタスシステム
Abstractセンサネットワークにおけるグループ鍵管理のための方式を実装し,その性能を評価した.本方式の特徴は,サーバとノードとの間で共有される鍵を,ノードの属性に合わせて適切に構造化し,暗号化された同報通信メッセージのマルチキャスト通信(セキュアマルチキャスト通信)を効率的に行う点である.本グループ鍵管理を適用するにあたり,無線センサネットワーク用のセンサノードとして広く知られているクロスボー社のMICA /MOTEを実装環境とした.このとき,センサネットワークのトポロジとして,クラスタツリー型のネットワークトポロジを想定した.クラスタツリーにおいて,一つの内部節点と,その内部節点の子の中で葉節点であるものから構成される節点集合を,一つのクラスタという.各センサノードの属性として,クラスタツリーにおける何番目の幹に属するかという情報および根節点からの深さ,クラスタ内で何番目のノードであるかという情報を定義した.以上のように属性を定義し,提案手法を適用することにより,幹,深さ,クラスタ内順序の3属性で特定できるグループに対して,セキュアマルチキャスト通信を実施した結果,情報伝達のためにサーバからネットワークに送信されるデータの総通信量は,グループのノード数によらず定数オーダになることが確認できた.