題名 | 無線LED制御システムにおける許容遅延と信頼性に関する一検討 |
著者 | *長瀬 諒, 垣渕 翔大, 四方 博之 (関西大学 大学院 理工学研究科) |
Page | pp. 2217 - 2222 |
Keyword | アドホックネットワーク, 遠隔制御, 無線制御, 遅延, 信頼性 |
Abstract | ライブ会場等で用いられる従来のペンライトは、その操作が各々のユーザに委ねられるため、点灯や色変更を同時に行うことが難しい。 この問題を解決するために、無線通信を用いて大量のペンライトを一斉に遠隔制御する無線LED制御システムが提案されている。 無線LED制御システムでは、制御信号到達率を改善するために、送信機から同じ制御信号を複数回送信する連送の導入が検討されている。 連送を行うことにより、受信機での制御信号受信回数が増加し、制御信号の受信確率が上がる。 しかし、受信機のペンライトにおける制御信号受信成功時間、つまり制御信号の到達遅延が異なることにより、各ペンライト間に点灯タイミングのばらつきが生じてしまう。 本稿では、無線LED制御システムにおいて連送により発生する遅延問題について検討する。 まず、LEDの点灯ずれが人の目に知覚されない許容遅延の調査を行う。 そして、実機を用いた制御信号連送実験を行い、連送による制御信号到達率改善効果と遅延増加量を測定する。 これらの実験結果と許容遅延を比較する事で、無線LED制御における遅延と信頼性の関係を明らかにする。 |
題名 | 無線LED制御システムのための中継器設置アルゴリズムの提案と評価 |
著者 | *垣渕 翔大, 長瀬 諒, 四方 博之 (関西大学 大学院 理工学研究科) |
Page | pp. 2223 - 2230 |
Keyword | アドホックネットワーク, 遠隔制御, 無線制御, センサーネットワーク, 干渉制御 |
Abstract | 近年、コンサート会場では、観客と出演者の一体感を高めるグッズとしてペンライトが利用されている。 既存のペンライトに対してはユーザ自身が点灯や色の変更等の操作を行う。 そのため、会場にいるユーザによってペンライトの点灯するタイミングや色が異なってしまう。 そこで、無線通信による遠隔制御を用いて、ペンライトの点灯状況を統一し、観客に一体感を与える無線LED制御システムが提案されている。 無線LED制御システムでは、ペンライトの価格を低く抑えるため、安価な無線信号受信モジュールをペンライトに搭載する。 そして、通信距離を拡大するため、ペンライト制御信号の送信機と、受信機となるペンライトの間に中継器を配置する。 この際、中継器設置には、1)ペンライトに高確率で制御信号を届けること、2)会場内の機器にかかるコストを抑えるため、中継器設置台数を少数にすること、 3)複数の中継器による制御信号同士の干渉を防ぐことが求められる。 本稿では、上記3つの要件を満足する中継器設置アルゴリズムを提案する。 提案アルゴリズムでは中継器間で互いの送信信号が干渉を起こさない距離(干渉距離) に関する情報が必要となる。 本稿では、この干渉距離を屋内実験により取得する。 そして得られた干渉距離に基づいた提案アルゴリズムの特性を計算機シミュレーションにより評価し、 提案アルゴリズムの有効性を検証する。 |
題名 | 災害現場における屋内外のシームレスな緊急地図生成 |
著者 | *井ノ口 真樹, 樋口 雄大 (大阪大学大学院情報科学研究科), 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科/独立行政法人科学技術振興機構, CREST) |
Page | pp. 2231 - 2243 |
Keyword | 緊急地図生成, 災害現場, モバイル端末, 位置情報, レーザレンジスキャナ |
Abstract | 災害現場において救助活動に従事する救急隊員にとって,現場の状況を屋内外にわたってシームレスに俯瞰できる現場地図は極めて有用な情報となる.本稿では,災害現場における救助活動の支援を目的とした緊急地図生成手法を提案する.提案手法では,救急隊員がGPS およびWi-Fi による無線通信機能を有するモバイル端末を保持するとともに,一部の隊員が小型のレーザーレンジスキャナを搭載したジャケットを着用することを想定する.地形やノード密度といった現場の環境に応じて,これらセンサから収集された情報の信頼性を推定し,動的に決定した重みのもとで統合することによって,屋内外における高精度な地図生成を実現する.フィールド実験およびシミュレーションによる性能評価の結果,先行研究と比較して再現性の高い地図をより短時間で生成できることを示した. |
題名 | 協調型空間センシングのためのデータ収集ミドルウェアの実装 |
著者 | *森 駿介 (大阪大学大学院情報科学研究科), Yu-Chih Wang (Department of Computer Science National Tsing Hua University), 梅津 高朗, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科) |
Page | pp. 2244 - 2256 |
Keyword | ワイヤレスセンサネットワーク, 協調型センシング, ミドルウェア, データ収集 |
Abstract | 近年普及しつつあるスマートフォンなどのモバイル端末を利用したセンシングへの期待が高まっている.人が携帯する高機能かつ様々なセンサーを搭載したモバイル端末を情報の収集に利用することにより,都市環境における様々な環境モニタリングが専用の固定センサを設置せずに実現できる.一方,一般のユーザーの端末を利用するため,通信等に伴う電力や帯域の消費は可能な限り抑える必要がある.しかし,これらの要件を満たすアプリケーションは,モバイル端末間,および端末-サーバ間の連携などを考慮する必要があり,プログラムが煩雑になる.そこで本稿では,モバイル端末群を対象としたセンシングアプリケーションの開発支援手法を提案する.開発者は,センシングデータ収集の期間,頻度,データ処理内容等を組み合わせて指定することで,センシングアプリケーションの全体的な仕様を作る.これに対し,モバイル端末間やサーバ間の 通信処理などが適切に補完された各端末およびサーバのプログラムが自動で導出される.これにより開発者はデータをどのように得るかを個々のノードの存在を意識せずに指定できる.アプリケーションを例示し,実装の簡易化について検証するなどコンセプトの実証を行った. |
題名 | 密なモバイルセンサネットワークにおけるデータ値の地理的分布を考慮したデータ収集方式 |
著者 | *松尾 和哉, 後藤 啓介, 佐々木 勇和, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院 情報科学研究科 マルチメディア工学専攻) |
Page | pp. 2257 - 2265 |
Keyword | モバイルセンサネットワーク, エージェント, データ収集, データ集約, 転送経路制御 |
Abstract | 密なモバイルセンサネットワークでは,トラヒック削減のために,カバレッジを保証する必要最小限のセンサ端末のみから効率的にセンサデータを収集することが望まれる.筆者らはこれまでに,エージェントを用いたデータ収集方式を提案した.しかし,この方式では,データ値の地理的分布を考慮しておらず,すべてのエージェントがセンサデータをシンクへ転送するため,同じ値のセンサデータが重複して転送されてしまう.そこで,本稿では,データ値の地理的分布を考慮したデータ収集方式を提案する.提案方式では,センサデータの転送において,エージェントが同じ値のセンサデータを集約することでトラヒックを削減する.また,同じ値のセンサデータを送信したエージェントが同一経路上になるようにセンサデータの転送経路を動的に構築することにより,効果的にセンサデータを集約する.提案方式の性能評価をシミュレーション実験により行い,有効性を確認した. |