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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 8C  トラフィックエンジニアリング
日時: 2012年7月6日(金) 10:45 - 12:50
部屋: 長流の1
座長: 松本 直人 (さくらインターネット株式会社)

8C-1 (時間: 10:45 - 11:10)
題名IP Fast Reroute法SBRにおけるリンク故障時の負荷分散手法の提案
著者*井村 和樹 (和歌山大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 2096 - 2102
Keywordインターネット, 負荷分散, IP Fast Reroute, 経路制御, 信頼性
Abstract本研究では、IPルーティングにおいて、リンクやノードの故障時に、予め計算された迂回路を用いて即時に通信を回復するIP Fast Reroute法を対象として、故障時に迂回通信により発生する輻輳を緩和するための負荷分散手法を提案する。現在のインターネットで一般的に用いられるリンク状態型ルーティングプロトコルでは、ルータ同士の情報交換により同期のとれたトポロジ情報を基に経路表を計算する。このため、故障によりトポロジ情報の同期が崩れると、新たな経路が計算されるまでの間にユーザの通信が切断される恐れがある。IP Fast Reroute法は、予め迂回路を計算しておき、故障時に即時に通信を回復する手法であり、複数の方法が提案されている。しかしこの技術では故障時に、迂回先のリンクにパケットが集中して輻輳が発生しやすいことが知られている。本研究では、IP Fast Reroute法の1つであるSBR-LP(Single Backup-table Rerouting-Link Protection)を拡張し、故障時に迂回路を用いて輻輳を緩和する負荷分散手法を提案する。

8C-2 (時間: 11:10 - 11:35)
題名SpringOS C-extension: 実験環境構築における実験記述のモジュール化
著者*村上 正太郎, 知念 賢一, 篠田 陽一 (北陸先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 2103 - 2107
Keywordテストベッド, 言語設計
AbstractテストベッドであるStarBED では支援ソフトウェアのSpringOS を用いた大規模な実験が行われている。ノードとネットワークの組み合わせからネットワーク実験は構築されており、これらをまとめる設定が必要となってくる。そこで本研究では、複数のノードとネットワークの構成要素を複合体として扱い、これをモジュールと呼ぶ。モジュールを用いることで、ユーザが記述する構成要素をより少なく容易に記述することが可能になる。また、モジュールを組み合わせることで環境構築の多様性も向上する。本論文ではモジュールの概念とシステム構成を述べ、SpringOS の拡張として実装を目指し、これをC-extension と呼ぶ。

8C-3 (時間: 11:35 - 12:00)
題名閉域IP網を構成するNW装置に対するセンタ/エンド協調型故障検出方式の提案
著者*藤本 圭, 吉村 康彦 (日本電信電話株式会社NTTネットワークサービスシステム研究所), 源田 浩一 (日本電信電話株式会社NTTネットワークサービスシステム研)
Pagepp. 2108 - 2113
Keywordサイレント故障, P2P, 疎通監視
Abstract通信キャリアのNWを構成する装置の故障のなかには,予め想定しておらず,該当装置自身で故障検出できない場合がある.これを検出する為に,例えばIP-NWにおいては,網内に試験サーバを配備し,試験サーバから到達可能なL3装置の全IFに対し疎通試験を定期的に実施する等が有効であるが,閉域IP網の端部に配備される装置においては,閉域網の外部に張り出したIFに対する到達性が無い等の理由により,監視できない区間が存在する場合がある. 従来は,網内に配備したセンタ装置から,網外に配備したエンド装置へ監視対象装置を通して試験をすることで対応することが検討されてきたが,センタ装置が1つ1つのエンド装置へ試験を行う為,センタ装置に高い処理性能が要求される.そこで,本稿では,エンド装置同士で監視対象装置を通るように自律的に試験を実施する故障検出方式を提案し,センタ装置の実施する試験数を低減可能であることを示す.

8C-4 (時間: 12:00 - 12:25)
題名多地点間通信のためのアプリケーション層トラフィックエンジニアリング
著者*中山 裕美, 梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学大学院工学研究科)
Pagepp. 2114 - 2121
Keywordトラフィックエンジニアリング, 多地点間通信
AbstractインターネットやPCの発展に伴い、様々な多地点間コミュニケーションシステムが実現されている. 多地点間コミュニケーションをより高品質に行うためには,通信状況を把握し,ネットワークリソースを最大限に活用した通信を行う必要がある. しかし,現状のシステムでは,クライアント間の通信を個別に制御し,ネットワークリソースを十分活用できているとは言えない. そこで,我々は多地点間通信をより高品質に行うためのアプリケーション層トラフィックエンジニアリングを提案する. クライアント間の通信ルートの選択やクライアント間の転送ルートの設定,通信のロードバランスなどにより, 異なるネットワークに存在するクライアント間の通信や,ネットワーク環境に応じた通信が可能となる.