題名 | モバイルシンクライアント向け操作応答性能向上技術の検討および評価 |
著者 | *堀尾 健一, 松井 一樹 (富士通研究所) |
Page | pp. 1847 - 1854 |
Keyword | シンクライアント, 仮想デスクトップ, RVEC, RDP, モバイルシンクライアント |
Abstract | シンクライアントシステムでは,ユーザは画面転送を利用して遠隔のデスクトップを操作する.シンクライアント操作の速さや頻度によっては,大量の画面更新データ転送を要する場合がある.このため,帯域が狭く場所や時間によって品質が大きく変動するモバイルネットワークでの快適な利用は困難であった.本研究では,モバイルシンクライアントの通信データからネットワークで利用可能な帯域幅を推定し,推定した帯域幅内で可能な限り多くの画面更新データを送信する方式を検討,評価した.本方式により,モバイルシンクライアント利用中にネットワーク品質が変動しても動的に画面更新データ量を調整し,高い操作応答性能を実現する. |
題名 | スマートフォンユーザのコンテキストと利用アプリケーションの関連性分析 |
著者 | *大澤 純, 岩田 麻佑 (大阪大学大学院 情報科学研究科 マルチメディア工学専攻), 小牧 大治郎 (株式会社富士通研究所), 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院 情報科学研究科 マルチメディア工学専攻) |
Page | pp. 1855 - 1862 |
Keyword | スマートフォン, アプリケーション推薦 |
Abstract | スマートフォン向けのアプリケーションが爆発的に増加しており,ユーザが自分の目的にあったアプリケーションを選び出すことが困難になりつつある.そのような状況においては,ユーザのコンテキストに応じて適切なアプリケーションを推薦することが有効である.アプリケーション推薦システムの実現のためには,センサ類から取得困難である同伴者の情報などの多種多様なコンテキスト情報とアプリケーションの利用傾向の関係を理解する必要がある. 本稿では,センサ類からは取得困難なコンテキスト情報を,質問に回答する形式でユーザから収集するため,アプリケーション利用ログ収集システムを実装し,約4万件のアプリケーション利用ログを収集した.そして,ログを解析することにより,ユーザのコンテキストと利用したアプリケーションの関連性の分析を行った.その結果,「人と一緒にいるか」などの項目が,ユーザの利用する可能性のあるアプリケーションを分類する上で有効であること,コンテキストに応じて組み合わせて利用されやすいアプリケーションが存在することを確認した. |
題名 | スマートフォン向け読唇トレーニングアプリケーションの試作と評価 |
著者 | *宮崎 剛 (神奈川工科大学情報学部情報工学科), 中島 豊四郎 (椙山女学園大学文化情報学部文化情報学科) |
Page | pp. 1863 - 1868 |
Keyword | スマートフォン, 読唇トレーニング, 聴覚障害者支援, CG |
Abstract | これまで著者は,機械読唇を実現するために,日本語の読唇術の技能を有する人(読唇技能保持者)の読唇方法のモデル化についての研究を進めてきた.その過程で,著者は,日本語の語句を発話する際に順に形成される口形の表現方法を提案した.これは,“口形順序コード”といい,日本語の仮名から作成することができる.従って,この口形順序コードを確認すれば,その基となる語句を発話する際の口形を,実際に発話をしなくても理解できるようになった.さらに,著者は,この口形順序コードに基づいた口唇周辺画像の無声の発話映像を自動的に生成する方法を提案した.これにより,日本語の仮名から任意の発話映像が生成可能となる.そこで,本論文では,この生成方法の応用として開発した,Android OSを搭載したスマートフォン上で動作する読唇トレーニングアプリケーションについて述べる.さらに,本アプリケーションを読唇技能保持者に使用してもらい,その評価について考察する. |
題名 | 商品とディスプレイの混在環境における商品選択支援方法 |
著者 | 横山 正典, *木原 民雄 (日本電信電話株式会社 NTTサイバーソリューション研究所) |
Page | pp. 1869 - 1876 |
Keyword | ヒューマンファクター, 実世界指向, 情報可視化, 購買支援, ディスプレイ |
Abstract | 近年では,実店舗での売買に加えて,EC サイトでの売買が盛んに行われるようになってきた.実店舗に対して,EC サイト特有の概念であるカテゴリに基づいた即時の商品群抽出を転用することができれば,より利便性の高い商品選びが可能となる.このために,本稿では,電子POP や電子棚札が設置された陳列棚のような,商品とディスプレイの混在環境を想定し,顧客が商品を手に取ることをトリガーに,各商品に対応するディスプレイにサインを提示させることで,多様なカテゴリの選択肢に属する商品群を即時に表現する手法を提案した.提案手法において,顧客に対する誘目可能領域外のみにサインが提示されると,サインへ誘目されないという課題がある.その課題を解決する処理を具体化するために,顧客が商品を手に取るときの誘目可能領域を調査する実験を行った.実験の結果,手に取る商品の位置が上段と中段と下段の場合で誘目可能領域は異なることが判明し,サインへ誘目させるための処理に必要な要件を明確化できた. |
題名 | レーザレンジスキャナによる歩行者軌跡と実人物のマッチング手法の提案 |
著者 | *和田 悠佑, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科 モバイルコンピューティング講座) |
Page | pp. 1877 - 1888 |
Keyword | レーザレンジスキャナ, 移動軌跡推定, 無線通信 |
Abstract | イベントスペースやオフィススペースなどの屋内空間における歩行者の高精度な位置情報は,マーケティングやパーソナルナビゲーション,省エネルギーなど多くの社会システムやサービスで期待されている.人の存在とその正確な位置を一定範囲で検出できるレーザレンジスキャナ (LRS) は映像によるプライバシ侵害などの懸念が少ない有効な方法であるが,イベントブースなどの障害物や他の歩行者によるレーザの遮蔽により領域が制限される.また,スマートフォンなどを持つ被検出者への位置フィードバックができないためナビゲーションなどに活用できない.我々はこれに対し,LRS とモバイル端末の WPAN 通信を活用し,LRS 検出位置と個人端末のひも付けを行う方法を提案してきたが,端末密度や領域形状等により認識率が十分でないなどの課題があった.本研究ではそれらの課題を克服するより効率のよいアルゴリズムを提案する.シミュレーションにより,先行研究で想定していたよりも混雑した空間にて正答率 83.1% を示した. |