題名 | モバイルアドホックネットワークにおけるノード間消費電力平均化ルーティング方式 |
著者 | *市川 潤紀 (千葉大学大学院融合科学研究科 阪田・小室研究室), 阪田 史郎, 小室 信喜 (千葉大学大学院融合科学研究科) |
Page | pp. 1659 - 1665 |
Keyword | モバイルアドホックネットワーク, 負荷分散, バッテリー, 消費電力 |
Abstract | 一般に無線ネットワークでは,端末のバッテリー容量は限られており,各端末における消費電力は公平であることが望ましい. モバイルアドホックネットワークでは,端末の通信開始時刻,通信時間が利用者によって異なるため,ネットワーク内に利用者の多い時刻や少ない時刻が存在する. 利用者が少ないほど端末1台あたりの通信負荷が増え,消費電力が増大する. このように,通信時刻の違いによってバッテリー消費量に差が生じるのは利用者にとって不公平であるため,公平にバッテリーを消費する通信方式が重要となる. 本論文では,この公平性の尺度を,利用者のネットワーク滞在時間あたりのデータ送受信による消費電力とし,これが小さい端末をデータ配信時に中継するようルーティングを行うことで公平性を改善する方式を提案する. シミュレーション評価では,提案方式とAODV(Ad hoc On-demand Distance Vector),負荷分散を考慮したLBAODV(Load Balancing AODV) を比較し,提案方式が有効であることを示す. |
題名 | 隣接端末数に基づく経路維持率の向上を目的とした経路構築手法の提案と評価 |
著者 | *油田 健太郎 (大分工業高等専門学校), 山場 久昭, 岡崎 直宣 (宮崎大学), 朴 美娘 (神奈川工科大学) |
Page | pp. 1666 - 1673 |
Keyword | アドホックネットワーク |
Abstract | アドホックネットワークは,各端末の移動性により,構築した通信経路の安定維持が困難であるという問題がある.そこで,従来手法として,周辺端末を利用して切断箇所の修復をする手法AODV-BR(Ad hoc On-demand Distance Vector with Backup Routes)が提案されている.AODV-BR は,主経路とその周辺の端末が主経路上の端末への修復用の経路( 以下,代替パス)を構築する.しかしながら,AODV-BRは代替パスを考慮していないため,代替パスが少なく経路修復が困難となる場合が考えられる.本論文では,隣接端末数に基づく経路維持率の向上を目的としたNBR(Neighbors Based Routing)プロトコルを提案し,評価を行う.ネットワークシミュレータNS-2 上に実装し,端末が移動しないトポロジ,端末が移動するトポロジの二つの場合に対して高いパケット到達率を維持しつつ,通信中の経路の再構築によるリスクを軽減できることを明らかにした. |
題名 | Aggregation-Based Information Collection in Disaster Areas |
著者 | *Jovilyn Therese Baco Fajardo (Graduate School of Information Science, Nara Institute of Science and Technology), Keiichi Yasumoto, Naoki Shibata, Weihua Sun (Graduate School of Information Science, Nara Institute of Science and Technology/Japan Science and Technology Agency, CREST), Minoru Ito (Graduate School of Information Science, Nara Institute of Science and Technology) |
Page | pp. 1674 - 1685 |
Keyword | data aggregation, delay tolerant network, disaster area, information collection |
Abstract | When disasters occur, a common characteristic is the partial or complete failure of the telecommunications infrastructure so the usual means of communication are often not available. However, accurate and timely information of the disaster area is important. In this paper, a delay tolerant network (DTN)-based data collection method from an area of interest (AoI) within the disaster zone is proposed that uses the mobile phones of the people to serve as sensing nodes. Existing DTN technologies allow the propagation of information to some extent but it is difficult to achieve coverage of the AoI in a short time due to the limited data transfer capacity of a DTN. To achieve maximum AoI coverage while minimizing delay, we propose a DTN-based data aggregation method. In the proposed method, mobile phone users moving over the disaster area create messages containing disaster-related information, which can arithmetically be operated like the number of injuries. In order to reduce the overall message collection delay, we reduce message size by merging multiple messages with their respective coverage areas into a new message with the merged coverage. Simply merging messages may result in duplicative counting of the disaster-related information in the same coverage area. To prevent this, a Bloom filter is constructed for each aggregated message. In addition, to reduce further the message delivery time, the expected time of a node to reach its destination is introduced as a routing metric. Through computer simulation with a real geographical map, we confirmed that the proposed method achieved a smaller delay in message delivery than epidemic routing. |
題名 | メッセージフェリーによる効率的なDTNルーティング方式の提案と評価 |
著者 | *阿部 涼介 (公立はこだて未来大学大学院 システム情報科学研究科), 中村 嘉隆, 白石 陽, 高橋 修 (公立はこだて未来大学 システム情報科学部) |
Page | pp. 1686 - 1696 |
Keyword | DTN, 蓄積運搬転送, メッセージフェリー, 回復手法, ルーティング |
Abstract | 近年,断続性が高い劣悪な通信環境下でも信頼性の高いエンドツーエンド通信を実現する遅延耐性ネットワーク(DTN: Delay Tolerant Networking)が注目されている.DTNルーティングは,各ノードがメッセージを蓄積して移動し,通信可能となったノードに複製メッセージを転送する蓄積運搬転送(Store-Carry-Forward)に基づいている.一般に,DTNルーティングではメッセージ転送遅延と中継ノードのバッファ使用量はトレードオフの関係にある.本稿では,予め設定された経路上を移動するメッセージフェリーというノードを活用し,このトレードオフを解消するルーティング方式を提案する.シミュレーションにより,提案方式と既存方式の性能を比較した.また,メッセージフェリーの経路配置を変化させた場合の提案方式の性能への影響を評価した. |
題名 | 通信状態を考慮したアドホックルーティングプロトコルの提案と冗長経路に関する検討 |
著者 | *三鴨 勇太, 旭 健作, 渡邊 晃 (名城大学理工学部情報工学科) |
Page | pp. 1697 - 1703 |
Keyword | ネットワークプロトコル, アドホックネットワーク, 無線・移動体, モバイルコンピューティン, モバイルネットワーク |
Abstract | 有線で接続されていたアクセスポイント(AP)間を,アドホックネットワークによって接続する無線メッシュネットワークの研究が注目されている.無線メッシュネットワークのルーティングプロトコルはアドホックルーティングプロトコルや,それを改造したものが使用される.多くのアドホックルーティングプロトコルは,最短経路が複数存在する場合にどの経路を選択するかは実装に依存したものとなっている.本稿では,OLSR(Optimized Link State Routing)を拡張することにより,TCP,UDP それぞれの特性を生かせる経路選択が可能なアドホックルーティングプロトコルを提案する. |