題名 | ネットワークコンピューティングのための包括的マッシュアップフレームワークIDUMOの設計 |
著者 | *放地 宏佳 (電気通信大学大学院情報システム学研究科), 三好 健文 (株式会社イーツリーズ・ジャパン), 入江 英嗣, 吉永 努 (電気通信大学大学院情報システム学研究科) |
Page | pp. 1573 - 1582 |
Keyword | マッシュアップ, エンドユーザプログラミング, プログラミングフレームワーク, ビジュアルプログラミング, ネットワークコンピューティング |
Abstract | ネットワーク接続可能なデバイスが普及したことで,ネットワーク上の様々なデバイスや情報を活用したアプリケーションが実現できるようになった.しかしながら,個々人がアプリケーションに望む機能はそれぞれ異なり,その要求をすべて満たすことは難しい.そこで,自らの欲求を満たすアプリケーションを自身で簡単に開発できるように,ネットワーク上のデバイスや情報をマッシュアップ的に組み合わせることができるプログラミングフレームワークIDUMO を提案している. IDUMO を実現するためには,ネットワーク上の情報やデバイスの入出力データを組み合わせる仕組みが必要となる.本論文では,そのためのデータフォーマットを検討し,ケーススタディによって,その有効性を検証する. |
題名 | RSSを用いたセンサーデータのマッシュアップ基盤の作成 |
著者 | *清水 智可良, 野田 弘毅, 沼尾 雅之 (電気通信大学 情報理工学研究科) |
Page | pp. 1583 - 1590 |
Keyword | センサネット, マッシュアップ, RDF, RSS, メタデータ |
Abstract | 本論文ではユビキタス環境より得られるセンサーのストリームデータをユーザーが自由に組み合わせ,利用を行うためのマッシュアップの仕組みを提案する.センサーから得られるストリームデータには温度,照度,気圧,湿度,消費電力等様々な種類が存在し,データ形式や送信タイミングもセンサーによって異なる.これらの異なるセンサーデータのストリームを組み合わせ,利用を行うためにはセンサーデータののストリームに対するメタデータが必要である.本研究ではセンサーデータのメタデータをRSS1.0(RDF Site Summary)およびRDF/XMLの汎用性に着目し,RSSを拡張することで行った.クライアントは拡張RSS内のメタ情報を用いることで,ストリーム間の差異を吸収し,ストリームデータの利用が可能になる.本研究では拡張RSSにより複数の異なるストリームデータのマッシュアップが可能であることを実際に複数ソースからのセンサーデータをグラフ化することで確認している. |
題名 | 分散インテント: Android アプリケーション間協調の分散拡張フレームワーク |
著者 | 伊藤 孝宏, *長原 裕希, 安積 卓也, 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部) |
Page | pp. 1591 - 1600 |
Keyword | スマートフォン, Android, インテント, 組込み, 家電操作 |
Abstract | 近年,モバイルプラットフォームであるAndroidが急速に普及しつつある.さらに,Android機器を使って組込み機器を操作するための手法も提案されている. しかし,これらの手法やフレームワークには柔軟性,組込みシステムへの適性の点で問題がある. 本稿では,Android機器から組込み機器を柔軟に操作するために「インテント」を拡張するフレームワークを提案する. 提案フレームワークを用いることで,本フレームワークに対応した組込み機器だけでなく,既存のフレームワークでの利用を想定して実装された組込み機器の操作もAndroidのインテント経由で行えるようになる. 本稿では提案フレームワークの設計を行い,その設計に基づいたプロトタイプを実装した.そして,そのプロトタイプを用いて組込み機器側サブシステムのリソースの測定,オーバヘッドの計測を行った. さらに,既存のフレームワークとの定性評価による評価を行い,本フレームワークが有用であることを示した. |
題名 | TwitterとECAルールによるセンサネットワークアプリケーション基盤の構築 |
著者 | *大村 廉 (豊橋技術科学大学), 佐々木 遼平 (東北管区警察局) |
Page | pp. 1601 - 1609 |
Keyword | ユビキタス情報処理, 分散処理, センサネットワーク, 情報家電, コンシューマシステム |
Abstract | 本研究では,センサネットワークアプリケーションを一般ユーザでも容易に作成できるようにするための,アプリケーション実行環境,並びに開発環境を提案する.アプリケーション実行環境では,デバイスの動作記述にECA ルールを用いることで,ユーザがアプリケーション動作の因果関係を容易に把握できるようにする.また,デバイス間の連携にTwitter を利用することで,インターネットを介した連携や,アプリケーションの動作記録を実現する.さらに,メッセージを定型の自然言語で定義できるようにすることで,通常のTwitter クライアントを用いたデバイスと人とのインタラクションや,デバイスを擬人化してストーリーを記述するようにアプリケーションを開発する環境を実現し,ユーザーが楽しみながらアプリケーションを開発できるようにする.プロトタイプとしてArduino を対象デバイスとして提案する実行環境と開発環境を作成した.そして,被験者7 名に提案する開発環境を用いて実際にアプ リケーションを作成してもらい,独自の質問とSUS(System Usability Scale) を用いたアンケート評価を行った.その結果,「役立つと思う」,「また使いたい」などの項目について好意的な評価を得ることができた. |
題名 | ソーシャル・コンテキストアウェアアプリケーション向けルールエンジンの設計と実装 |
著者 | *太田 賢, 中川 智尋, 土井 千章, 稲村 浩 (NTTドコモ) |
Page | pp. 1610 - 1617 |
Keyword | コンテキスト, ソーシャルサービス, 行動支援, スマートフォン, ECAルール |
Abstract | 本研究はユーザ間で相互に行動支援を行うための,コンテキストアウェアアプリケーションフレームワークの実現を目的とする.過去のある時点から現在までの期間の状況や活動に応じた行動支援を行うため,指定期間におけるコンテキストの遷移判定を行うための時間制限付きコンテキスト遷移モデルとそのECAルール記述仕様を提案する.Androidスマートフォン上にECAルールエンジンを実装すると共に,コンテキスト遷移判定を含む3つのアプリケーションを作成し,記述の効率性を確認した.コンテキストの発生に対する応答性を評価した結果,イベント判定は58ms以下で処理できるが,コンテキスト遷移判定はスキャンするコンテキストのログの数に影響され,1ログあたり0.3〜0.5msの処理時間が増加した.スケーラビリティに関しては,32個までのECAルールを同時発火させた場合でも各ルールの処理時間への影響は限定的であることを確認した. |