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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 6C  ネットワーク運用
日時: 2012年7月5日(木) 15:25 - 17:30
部屋: 長流の1
座長: 山之上 卓 (鹿児島大学)

6C-1 (時間: 15:25 - 15:50)
題名状況に応じたライブマイグレーション手法選択に関する考察
著者*橋本 雅至, 岡本 慶大 (奈良先端科学技術大学院大学), 池部 実 (大分大学), 猪俣 敦夫, 藤川 和利 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1503 - 1512
Keywordクラウドコンピューティング, ライブマイグレーション, 仮想化技術, KVM
Abstractクラウドコンピューティングの普及に伴い,計算機資源の集約,負荷分散の観点から,仮想マシン(以下,VM)マイグレーション技術が重要視されている.VMマイグレーション技術の中でも,ライブマイグレーションはVM上のプロセスを停止することなく送信先のハイパーバイザにVMを転送できるため,特に注目されている.ライブマイグレーションの手法として,従来のpre-copy型ライブマイグレーションに加え,新たにpost-copy型ライブマイグレーションが提案されている.双方の手法には,それぞれメリット・デメリットが存在し,VM上で動作するサービスのダウンタイムを小さくするためには状況に応じて使い分ける必要がある.本稿では,双方の手法でのライブマイグレーション実験を複数のシナリオにおいて実行し,性能の比較評価の結果を得て,pre-copy型とpost-copy型の選択に際して考慮すべき指標について示した.

6C-2 (時間: 15:50 - 16:15)
題名SpringOS M-extension: 超大規模実証実験環境を想定したリソース指向実験ノード管理手法
著者*鍛治 祐希, 安田 真悟, 知念 賢一, 篠田 陽一 (北陸先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1513 - 1519
Keywordネットワーク実験, 仮想機械
Abstract近年、より多くのノード数を利用した実証実験が求められており、テストベッドで は仮想マシンを用いた実験ノードの多重化が利用されている. しかし、利用者は仮想 マシンと物理マシンのどちらを利用すべきか判断しなければならない。そこで、本研 究では、利用者から実験ノードの生成機構を隠蔽し、必要とするリソース自動的に 制御系そこで本研究では、実験者が多重化ノードを容易にかつ効率的に利用できる ことを目的とする。そのために、多重化ノードの生成機構と制御機構を実験者から隠 蔽するとともに、ノードが利用するリソースの種類を元に、より多重化オーバーヘッ ドの小さい多重化手法によるノードを管理するシステムの設計について述べる

6C-3 (時間: 16:15 - 16:40)
題名一般的なプログラミング言語によるネットワーク実験駆動
著者*宮地 利幸, 三輪 信介 (情報通信研究機構), 知念 賢一 (北陸先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1520 - 1526
Keywordネットワークテストベッド, 設定記述, SpringOS
Abstract我々はこれまで大規模ネットワークテストベッドの実験リソースを制御する ソフトウェアスイーツであるSpringOSの開発をおこなってきた. SpringOSが入力として受け取る実験設定は,独自の書式により記述する必要 があり,また,さまざまなSpringOSのユーザインターフェースで統一されて いなかった.このため,利用者からは,より統一された設定記述もしくは, 一般的に利用されているスクリプト言語やネットワークシミュレータ用の記 法を利用したいといった要望があがっていた. これに対応するため,我々はSpringOSのAPIをさまざまなスクリプト言語 から利用できるように実装した. これにより,一般的なスクリプト言語でSpringOSの機能を利用できるように なるだけでなく,利用者がこれらの言語を用いて新たなユーザインターフェー スを実装することが容易となった.

6C-4 (時間: 16:40 - 17:05)
題名仮想組織によるフェデレーション技術を活用したデジタル資料分散共有システム「ARCADE」の開発
著者*松平 拓也, 笠原 禎也, 高田 良宏 (金沢大学総合メディア基盤センター)
Pagepp. 1527 - 1534
KeywordShibboleth, フェデレーション, シングルサインオン, 属性管理, アクセス制御
Abstract大学等の研究機関が保有する実験観測データや教材などを,組織をまたいで柔軟に共有する機構の提案を目的として,各組織が保持しているコンテンツを相互にかつ安全・安心に共有可能なシステムを構築した.提案法は,組織を超えたシングルサインオンおよび属性共有を可能とするGakuNinフェデレーションをベースに,GakuNin mAPを利用することで,コンテンツの共有時に問題となる,利用者の特性に応じたきめ細かなアクセス制御を可能とし,組織の壁を超えてコンテンツを一元的に管理できるものである.本稿では,開発したシステム“ARCADE”の設計思想と技術的な解決法,実証試験の結果を示し,今後の展望を議論する.

6C-5 (時間: 17:05 - 17:30)
題名デジタルサイネージのシステム間連携を実現するクラウドAPIの設計と実装
著者*坂辺 拓 (広島市立大学大学院 情報科学研究科), 井上 博之 (広島市立大学大学院/NICT), 前田 香織 (広島市立大学大学院)
Pagepp. 1535 - 1542
Keywordデジタルサイネージ, コンテンツ配信, クラウド
Abstractデジタル化されたメディアであるデジタルサイネージは,他メディアや他システムとの連携を実現することによって,より付加価値の高いサービスを提供することができる.しかし,それぞれのシステムは独自の仕組みで構築されており,異なるシステム間同士の連携は独立して行われているのが現状である.そのため,システム間連携を行うには対応したインタフェースをそれぞれ作る必要があり,連携を実現するための手間が大きかった.そこで本稿では,デジタルサイネージごとの違いを吸収し,統一的な仕組みでシステム間連携を行うことを目的としたサイネージクラウドとそのクラウドAPIの提案を行った.これによって,デジタルサイネージにおける汎用的なシステム間連携を実現し,今後の展開や普及の一助とすることができる.また,提案や想定するシステム間連携を実現するために行った設計を元にプロトタイプシステムの実装を行い,APIの性能や処理時間等の評価を行った.実装した3つのAPIについて性能を評価したところ,単一のサーバにおいて1秒間に1000以上のAPI処理をそれぞれ0.1秒未満で処理できることを確認した.