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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 6A  統一テーマセッション-災害と知識創造-
日時: 2012年7月5日(木) 15:25 - 17:35
部屋: 雷鳥の3
座長: 小林 稔 (NTT)

6A-1 (時間: 15:25 - 15:55)
題名(招待講演) Fun Computing
著者*宮田 一乘 (北陸先端科学技術大学院大学 ライフスタイルデザイン研究センター)
Pagepp. 1425 - 1434
KeywordFun Computing, エンタテインメントコンピューティング, インタラクティブシステム
Abstract現在では1年の3分の1が休日ですが,そんなに休んでいるという実感がわきません.仕事や家事に追われて,生活が楽しめなくなっているのではないでしょうか.人々の暮らしに潤いを与えるための,楽しみを演出するコンピュータの応用研究を,Fun Computingと呼ぶことにいたします.本講演では,Fun Computingの取り組みとして, CGなどのデジタルメディアやセンシング技術を融合した,インタラクティブなシステム構築の事例を紹介します.

6A-2 (時間: 15:55 - 16:20)
題名ハザードマップをオフラインでも使用きるアプリケーションの提案
著者*小河 千了, 鈴木 浩, 服部 哲, 速水 治夫 (神奈川工科大学院 情報工学専攻)
Pagepp. 1435 - 1441
KeywordAndroid, Java, ハザードマップ, MySQL, 自動取得
Abstract平成23年3月11日に起きた東日本大震災の直後で津波が発生し,大きな被害があった.津波などの自然災害による被害を予測し,その被害範囲を地図化したハザードマップは,昨今では,インターネットを利用してオンラインでハザードマップをインターネットで公開する事例も増えてきた.しかし,出かけた先で自然災害にあい,ハザードマップを閲覧したい時にその災害により電波障害が起きた場合,取得不可能となる.この問題点の解決するために,災害前のオンライン時に携帯端末に搭載されているGPSを利用しユーザの位置情報を用いて,自動的にデジタル化したハザードマップを取得し,オフラインでも閲覧可能にし,更に自分の位置を把握できるアプリケーションの提案する.

6A-3 (時間: 16:20 - 16:45)
題名人間による訂正情報に着目した流言拡散防止サービスの構築
著者*宮部 真衣 (東京大学知の構造化センター), 梅島 彩奈, 灘本 明代 (甲南大学知能情報学部), 荒牧 英治 (東京大学知の構造化センター)
Pagepp. 1442 - 1449
Keywordマイクロブログ, Twitter, 流言
Abstract近年,マイクロブログの普及に伴い,マイクロブログを用いた個人での情報発信が増加している. 2011年3月11日に発生した東日本大震災においては,Twitterに多くの情報が投稿された. Twitterでは,重要な情報が伝搬された一方で,様々な流言の拡散も多数行われた. 特に災害時は,流言が救援活動などに悪影響を及ぼす可能性が高いため,流言の広がりにくい環境を作る必要がある. 本研究では,マイクロブログ上の流言に対して,どのような対応がされているかを調査した. また,人間によって発信される訂正情報に着目し,訂正情報に基づいて流言情報を収集・提供することにより流言拡散を防止するサービスを構築した.

6A-4 (時間: 16:45 - 17:10)
題名緊急災害時に有用な家族間の個人情報共有システム
著者*長谷川 友香, 小口 正人 (お茶の水女子大学)
Pagepp. 1450 - 1456
Keyword情報共有, 階層型認証, 個人情報, クラウド
Abstract緊急災害時に家族間で個人情報を共有できれば,安否の確認や捜索などの面で大いに助けになる.しかし,平常時から当人の許可なしに個人情報を閲覧できるのはプライバシの観点から問題がある. そこで本研究では,緊急時判断を行い,緊急時と判断された場合に家族間で個人情報の共有を可能とするシステムを構築することを目指す.緊急時の判断をする指標としてはユーザの操作と外部情報の二種類があると考えられる.そこでまずユーザ操作を緊急時判断に用いる仕組みとして階層型相互認証を説明する.これにより,緊急時には相手の情報を閲覧する代わりに自分の情報を公開することになり,平常時から相手の情報を閲覧することが抑制されると期待できる.階層型相互認証機構を備えたシステムの実装例を示す. 一方,外部情報としては緊急地震速報などのオフィシャルな情報とSNSのソーシャルな情報が利用できると考えられ,どちらもTwitterを用いて取得が可能である.それらの情報の解析と利用に関したシステムの展望を示す.

6A-5 (時間: 17:10 - 17:35)
題名ミニ移動大学方式によるグループ知識創造教育
著者*國藤 進 (北陸先端科学技術大学院大学), 三浦 元喜 (九州工業大学), 羽山 徹彩 (金沢工業大学)
Pagepp. 1457 - 1462
Keywordグループ知識創造教育, W型問題解決学, KJ法支援ソフト, 合宿教育, フィールドワーク
Abstract北陸先端科学技術大学院大学で長年行われてきたKJ法によるグループ知識創造教育の方法論が成熟してきたので報告する.我々は1998年の知識科学研究科の発足以来,W型問題解決学によるグループ知識創造教育を行っている.課題提起,(記憶の思い出しによる)現状把握ラウンドまでは教室の中でも教えることが出来たが,実際のフィールドワークを行わないと,本格的な現状把握ラウンドや本質追及ラウンドを学生に体験さすことができない.そこで4年間の試行錯誤の末に,実際のフィールドに学生と共に探検に出かけ,1週間以内の合宿を行うミニ移動大学という特訓方法を実践した.毎年のトライによって,ミニ移動大学成功のノウハウが蓄積し,昨年度は学生のみならず地元住民を巻き込んで大成功を収めた.そこではグループKJ法支援ソフトやデジカメ写真による写真KJ法がツールとして使われている.学生や住民のやる気を引き出すモチベーションマネジメントの真髄を紹介する.なおKJ法やミニ移動大学方式は北京科学院での国際会議併設ワークショップ,ロンドン大学大学院での講義,リーズのセミナーを経て,欧米の人も理解できることを確認した.