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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 5H  教育とソフトウェア開発
日時: 2012年7月5日(木) 10:10 - 12:15
部屋: 安宅の4
座長: 岡本 昌之 (東芝)

5H-1 (時間: 10:10 - 10:35)
題名大学院における教育・研究活動支援のためのeポートフォリオシステムの開発・実装
著者*田岡 智志 (広島大学大学院工学研究科), 吉村 大佑, 渡邉 敏正 (広島大学大学院工学研究院)
Pagepp. 1394 - 1401
KeywordWebシステム, 大学院生の教育・研究支援, 自発的な学習・ 研究, 指導教員による指導・助言
Abstract学習・研究の取り組み状況,課題,レポート,成績や研究成果といった,学生の学習・研究活動の軌跡や成果に関するデータの保管庫は(教育)ポートフォリオと呼ばれる.これらのデータを電子化・組織化して管理するシステムをeポートフォリオシステムという.学生が自立的に学習・研究計画を立案し目標達成に向けて取り組むことや,指導員が 多種多様な能力・進路・将来設計を抱えた学生に対して個別に適切な指導を行うことは,大学などの教育研究機関において目指すべき一つの方向性である.より高い教育効果やさらなる研究の進展を実現するためには,学生は自身の学習状況や達成状況の把握が,指導員は担当学生への適切な指導とその効果の把握がそれぞれ求められる.研究については,一般的には,学生は過去の研究成果を参照しながらに研究課題を発見し,研究を進めていくことが多い.大学院におけるこれらの活動を支えるための有用な具体的手段として,e ポートフォリオシステムの導入が位置づけられる.このような研究背景から本研究では,大学院生の教育・研究支援に向けてeポートフォリオシステムが具備すべき要件を抽出し,これらの要件を組み込んだシステムの実装に取り組む.実装に当たっては,ポートフォリオの効果的で効率の良い利用を実現するためにWebシステムとして開発することとし,本稿の後半ではその開発・実装について説明を加える.

5H-2 (時間: 10:35 - 11:00)
題名類似問題群からの反復学習が可能な適応型テスト出題方式の提案
著者*池田 信一 (創価大学大学院工学研究科), 高木 輝彦 (電気通信大学大学院情報システム学研究科), 高木 正則 (岩手県立大学ソフトウェア情報学部), 勅使河原 可海 (創価大学大学大学院工学研究科)
Pagepp. 1402 - 1409
Keywordeテスティング, 項目反応理論, 適応型テスト, 反復学習, 類似問題
Abstract近年,インターネットの普及に伴い,Web上で行うオンラインテストを活用した学習が可能となっている.一般的なオンラインテストでは,繰り返しテストを解答する際に同一問題を出題するため,学習意欲の低下や解答の丸暗記などの問題がある.そこで,我々は反復学習による学習者の理解度の向上や解答の丸暗記の防止を目的とし,類似問題群からの適応的なテスト出題方式を提案する.提案手法では,テストを繰り返し解答する際に同一問題を出題するのではなく,学習者の理解状況に適した難易度の類似問題を出題する.しかし,学習者の理解状況に適した類似問題を出題するためには,問題の難易度と学習者の理解度を定量化する必要がある.そのため,本研究では,問題の難易度を類似問題間の出題パターンや選択肢の類似性の違いを基に算出する.また,類似問題群に対する学習者の理解度を,正答した問題の難易度と解答済みの出題パターンの総数を基に算出する.そして,これらの値を基に学習者の理解度に最も適した難易度の類似問題を出題する.実験やアンケートの結果から,類似問題を用いた繰り返し学習の有効性が示唆された.

5H-3 (時間: 11:00 - 11:25)
題名プログラミング演習授業における学習状況の把握と指導支援の試み
著者*市村 哲 (東京工科大学 コンピュータサイエンス学部), 梶並 知記 (神奈川工科大学 情報学部), 平野 洋行 (東京工科大学 コンピュータサイエンス学部)
Pagepp. 1410 - 1416
Keywordプログラミング学習, Webシステム
Abstractプログラミング授業は大学や専門学校等の情報系学科では必須科目となっているが,大学で初めて習う学生の多くはプログラミングに対する苦手意識が強い.そこで本研究では,プログラミング初学者が抱える問題を早期に発見できるプログラミング学習支援システムを構築し,実際の演習授業で運用を試みた.つまずいている学生の早期発見と,多くの学生が共通に抱える問題の発見を可能にすることが本研究の目的である.本研究の目的を達成するために,Web ブラウザ上で動作するプログラミング演習支援システムを構築し,学生の操作ログ・エラーログを収集して解析できるようにした.評価実験と改良を繰り返し行い,結果として,学生の学習状況を把握し易くなったことがわかった.

5H-4 (時間: 11:25 - 11:50)
題名未来の在室情報を予報する在室管理システム「Docoitter」の開発
著者*田中 優斗 (和歌山大学システム工学部), 福島 拓 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉野 孝 (和歌山大学システム工学部)
Pagepp. 1417 - 1424
Keyword情報共有システム, パーソナルデータマイニング, 在室管理
Abstract現在,様々な手法を用いて在室管理に関する研究が行われている. 例えば,ICカードを使用して,学生の行き先を管理する手法がある.しかし,利用者の自発的操作による在室管理は操作忘れといった問題点がある.また提示する情報は現時点での在室情報しか持たないことが多い.そこで,現時点の在室情報だけでなく,過去の活動履歴と個人のスケジュールから未来の在室している可能性を予報するシステム「Docoitter」を開発した.また現在使用している紙の在室表との精度の比較や未来の在室情報の推測効果の検証をそれぞれ行った.本研究の貢献は以下の3点にまとめられる.(1)未来の在室情報を予報する在室管理システム「Docoitter」の提案を行い,実現した.(2)自動的に在室状況を提示することによって,従来の在室表に比べ,在室状況の参考にされることを示した.(3)未来の在室情報提示により,訪問者は研究室メンバの在室状況と訪問日時の手掛かりとなる情報を得ることが出来る可能性を示した.また,研究室メンバは日々の在室状況を把握することにより,生活習慣の意識に変化を与えることが出来る可能性を示した.