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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 5E  ユーザインタフェース2
日時: 2012年7月5日(木) 10:10 - 12:15
部屋: 剣梅鉢の2
座長: 村尾 和哉 (神戸大学)

5E-1 (時間: 10:10 - 10:35)
題名マルチタップ点字入力方式の実装と評価
著者*五百蔵 重典 (神奈川工科大学/情報工学科)
Pagepp. 1273 - 1278
Keywordマルチタップ, 点字, 文字入力, インターフェース, IME
Abstract本研究では,タッチセンサーを備えたディスプレイに,6点以上のマルチタップ機能を備えたものが増えつつあることを踏まえて,点字を用いた入力方法を提案する.点字とは3行2列の点の凹凸の組み合わせで,文字を表現する方式であり,視覚障碍者のために考案された手法である.本研究では,点字を用いた入力装置を試作し,その入力速度を評価し,実用に耐えうるものであることを示す.またこの入力方法は,ソフトウェアキーボードの表示領域を使用しないため,画面が広く使えるという長所も備えている.提案した入力方式を使い,入力速度を計測した結果,実用に耐えうる入力速度が確保できる見込みがあることを示した.

5E-2 (時間: 10:35 - 11:00)
題名指の識別に基づく3Dオブジェクトの直観的な操作インタフェース
著者*馬場 信吾, 梶 克彦, 河口 信夫 (名古屋大学工学研究科)
Pagepp. 1279 - 1286
Keywordインターフェース, マルチタッチ, FTIR, ジェスチャ認識
Abstract近年,スマートフォンやタブレットデバイスなどの携帯端末ではタッチパネルディスプレイを用いたマルチタッチ操作インタフェースが主流となっている. マルチタッチディスプレイにより同時に複数箇所の検出が可能となり幅広い操作が可能となった. 本研究の目的は,タッチパネルでの3D物体の操作において,指の姿勢を考慮した操作パタンを実現可能とし快適な操作インタフェースの獲得である. 具体的には布をめくる,紙を折り曲げるなどといった人間が行う自然な動作をタッチパネル上で実現可能にする. これによりタッチパネルでの操作バリエーションの多様化が期待でき,より複雑な操作体系にも応用可能であると考える. 今回は,それらの動作を実現するための基礎的検討として,異なるペアの二本指で行う同一のジェスチャを異なるジェスチャと識別可能であることを確認する. また,識別されたジェスチャを用いた3Dオブジェクトの操作を行うアプリケーションについて述べる.

5E-3 (時間: 11:00 - 11:25)
題名カラー手袋をした手の動作および手指認識を利用した文字入力に関する実験的検討
著者*菅谷 隆浩, 庄司 貴哉 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科), 須崎 耕平 (神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科), 加藤 正樹 (神奈川工科大学大学院 工学研究科 情報工学専攻), 鈴木 孝幸 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科), 西村 広光 (神奈川工科大学 情報学部 情報メディア学科), 田中 博 (神奈川工科大学 情報学部 情報工学科)
Pagepp. 1287 - 1294
Keywordカラー手袋, 手の動作認識, 手指認識, 文字入力, 画像認識
Abstract聴覚に障がいを持った方と健常者とのコミュニケーションにおいて,手話や指文字が利用されているが,事故などで後天的に障がいを持った方はどちらも容易に習得することが難しい.また,手話や指文字の認識に関する研究が数多く行われているが,いまだ一般的な認識手法として確立されていない状況にある.そこで我々は,容易に習得することが可能である単純なオリジナル手指形状を考案し,それを用いた文字の入力方法について検討を行った.具体的には,左右の手を区別するために入力画像を右手用と左手用に分割した.さらに,右手に子音,左手に母音を割り当て,使用する手指形状の数を少なくすることによって認識精度を高めた.本研究では映像入力からの手指形状認識技術について報告し,さらに,考案したオリジナル手指形状の認識精度を評価した結果について述べる.

5E-4 (時間: 11:25 - 11:50)
題名AirTarget: 光学シースルー方式HMDとマーカレス画像認識による高可搬性実世界志向インターフェース
著者*入江 英嗣, 放地 宏佳, 小木 真人, 樫原 裕大, 芝 星帆, 眞島 一貴 (電気通信大学)
Pagepp. 1295 - 1304
KeywordAR, HMD, UI
Abstract本論文では,光学シースルー方式HMD向けのユーザインターフェースとして,仮想オブジェクトや現実オブジェクトを指で直接指定することのできる``AirTarget''システムを提案する.AirTargetはHMDにとりつけたカメラからユーザの指の位置を検出し,カメラと視線のずれを補正して,仮想平面上へカーソルを表示する.指先はマーカレスで検出され,特定のデバイスを必要としない.簡単なジェスチャによってコンピュータにコマンドを送ることができ,単体で完結したインターフェースとして機能する.ユーザは仮想平面上のデスクトップを指で指して操作することや,視界に入った現実オブジェクトを指で切り出して画像検索のクエリとすることができる.このような可搬性と操作感から,外出先を含む日常生活のあらゆるシーンにコンピューティングを浸透させるインターフェースとして有効である. EPSON MOVERIO BT-100上に提案システムを実装し,システムのリアルタイム性,検出精度,操作感の評価を行った.提案システムは一般的なモバイル環境上で30フレーム以上のリアルタイム動作を実現し,また,習熟の必要なく仮想オブジェクトおよび現実オブジェクトの指定が可能であった.