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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 5D  アドホックネットワーク
日時: 2012年7月5日(木) 10:10 - 12:15
部屋: 剣梅鉢の1
座長: 佐藤 文明 (東邦大学)

5D-1 (時間: 10:10 - 10:35)
題名アドホックネットワーク上の効率的なTop-k検索のためのルーティング手法
著者*天方 大地, 佐々木 勇和, 原 隆浩, 西尾 章治郎 (大阪大学大学院 情報科学研究科マルチメディア工学専攻)
Pagepp. 1236 - 1244
Keywordアドホックネットワーク, Top-k検索, ルーティング
Abstractアドホックネットワークでは,膨大なデータの中から必要なデータのみを効率的に取得するため,端末が何らかの値(スコア)によって順序付けられたデータの上位k個のものを検索するTop-k検索を用いることが有効である.筆者らはこれまでに,アドホックネットワークにおける効率的なTop-k検索手法を提案している.しかし,これらの手法では,返信するデータを絞り込むことに焦点を当てており,フラッディングによる検索を用いていた.そのため,Top-k検索に関与する必要のない端末が検索クエリおよびクエリ応答を送信することによる不要なトラヒックが発生していた.そこで,本稿では,Top-k検索のためのルーティング手法を提案する.提案手法では,各端末がネットワーク内のデータの順位をキーとした経路表を作成し,要求するデータに対する検索クエリの転送先(宛先)を把握することにより,上位k個のデータ取得に必要な端末のみがTop-k検索を行う.各端末は自身の経路表に従って検索クエリを送信し,検索クエリを受信した端末は要求されたデータのみを返信する.

5D-2 (時間: 10:35 - 11:00)
題名ウェイクアップ機構を備えた無線LANメッシュネットワークにおける AP起動方式とその拡張性
著者*阿部 成美, 松田 祐輝 (千葉大学大学院融合科学研究科 阪田・小室研究室), 阪田 史郎, 小室 信喜 (千葉大学大学院融合科学研究科), 阿部 憲一, 伊藤 哲也 (日本電気通信システム株式会社)
Pagepp. 1245 - 1250
KeywordIEEE 802.11, 無線LANメッシュネットワーク, 起動制御, 省電力, アクセスポイント
AbstractIEEE 802.11に準拠した無線LANのアクセスポイント (AP)の省電力化を目的としたRadio-On-Demand Networks (ROD)が提案されている.RODのスリープ状態は,無線LAN APの消費電力を著しく抑えることができる反面,端末からの通信要求を受けてから通信開始までの間に起動処理に起因する待ち時間と電力が発生する.そのため,データ通信に先立って宛先までの起動させるAPの数が増加すると,消費電力が増大し,平均待ち時間が長くなるという課題がある.本稿では,APが正方格子のメッシュ状に配置されたネットワークにおいて,総消費電力の低減を考慮し,各APに異なる役割を与えることで,通信先のAPを探索する時の消費電力と平均待ち時間を削減するAP起動制御方式を提案する.解析評価より,省電力かつ待ち時間を短縮した通信が可能であることを示す.さらにネットワークの規模拡大についても検討し,提案方式の効果を明らかにする.

5D-3 (時間: 11:00 - 11:25)
題名ウェイクアップ機構を備えた無線LANメッシュネットワークにおける低消費電力・低遅延通信経路制御方式
著者*松田 祐輝, 阿部 成美 (千葉大学大学院融合科学研究科 阪田・小室研究室), 阪田 史郎, 小室 信喜 (千葉大学大学院融合科学研究科), 阿部 憲一, 伊藤 哲也 (日本電気通信システム株式会社)
Pagepp. 1251 - 1256
KeywordIEEE 802.11, 無線LANメッシュネットワーク, 経路制御, 省電力, スリープ制御
AbstractIEEE 802.11に準拠した無線LANのアクセスポイント (AP)の省電力化を目的としたRadio-On-Demand Networks (ROD)が提案されている.RODのスリープ状態は,無線LAN APの消費電力を著しく抑えることができる反面,端末からの通信要求を受けてから通信開始までの間に起動処理に起因する待ち時間と電力が発生する.そのため,データ通信の際に起動させるAPが増加すると,消費電力が増大し,待ち時間が長くなるという課題がある.本稿では,APが格子状に配置された無線LANメッシュネットワークにおいて,データを送受信する時の消費電力と端末における待ち時間を削減する経路制御方式を提案する.シミュレーション評価により,省電力かつ待ち時間を短縮した通信が可能であることを示す.

5D-4 (時間: 11:25 - 11:50)
題名RPL Storing Modeにおける経路集約機能の実装と評価
著者*米山 清二郎 (株式会社東芝 研究開発センター ネットワークシステムラボラトリー), 中野 健治 (株式会社東芝 電力システム社 電力・社会システム技術開発センター 電力蓄電ソリューション・配電システム開発部)
Pagepp. 1257 - 1264
KeywordRPL, メッシュネットワーク, スマートグリッド, スマートメータ
Abstract近年,スマートグリッドのAMI(Advanced Metering Infrastructure)システムでは無線メッシュネットワーク技術が注目されている.本研究では,国際標準機関IETFで標準化されたRPL(IPv6 Routing Protocol for Low-Power and Lossy Networks)を組み込み基板上に実装し,RPL Storing Modeにおける経路集約機能の有効性を評価する.実験系は,無線リンクにIEEE802.15.4規格の特定小電力無線を使用した屋外評価環境を構築する.経路集約機能による経路数の削減効果および制御トラヒック量に与える影響の評価結果を報告する.

5D-5 (時間: 11:50 - 12:15)
題名RPLを改良した省電力ルーティングプロトコルの実装と評価
著者*鈴木 良典 (静岡大学 情報学部), 遊佐 直樹 (静岡大学 創造科学技術大学院), 今原 淳吾 (静岡県農林技術研究所), 峰野 博史 (静岡大学 情報学部)
Pagepp. 1265 - 1272
Keyword省電力, ルーティングプロトコル, センサネットワーク, RPL
Abstractセンサネットワークは,様々な分野で使用されはじめている. 様々なセンサネットワークの中でもLLNs(Low power and Lossy Networks) と呼ばれるネットワーク環境で敷かれるセンサネットワークが存在する. LLNs環境とは,データ欠損が多くノードの性能が制限されるネットワークである. 通常のルーティングプロトコルでは,LLNs環境に対応できないためLLNsに対応したルーティングプロトコルが必要である 本稿ではLLNs環境に対応したルーティングプロトコルであるRPLの課題である通信状況の良いノードに中継が集中することを解決する 中継ノードの負荷分散型ルーティングプロトコルを提案した. 結果としてデータ中継の集中を10%減少することを実現した.