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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 5A  統一テーマセッション-耐災害ICT-
日時: 2012年7月5日(木) 10:10 - 12:20
部屋: 雷鳥の3
座長: 北形 元 (東北大学)

5A-1 (時間: 10:10 - 10:40)
題名(招待講演) 情報通信サービスの急激な需供変動にも柔軟に適応可能なモジュラーネットワーク
著者*坂野 寿和, 高原 厚 (NTT未来ねっと研究所)
Pagep. 1117
Keyword耐災害ICT, レジリエントネットワーク, モジュラーデータセンタ

5A-2 (時間: 10:40 - 11:05)
題名クラスタ構成を考慮した障害原因解析システムの提案
著者*村瀬 香緒里, 名倉 正剛, 永井 崇之, 森村 知弘, 菅内 公徳, 星野 和義, 竹松 進也 (日立製作所)
Pagepp. 1118 - 1128
Keyword障害原因解析, エキスパートシステム, クラスタ, ルールベース推論, イベントコリレーション
Abstract企業IT システムでは装置やアプリケーションをクラスタ化することで可用性を向上させて運用することが多い.しかし,クラスタシステムにおいてもフェールオーバーがうまく機能せずに停止してしまう場合があり,迅速な障害対策が必要となる.IT システムで障害が発生した場合の迅速なシステム復旧のためには障害検出からその原因特定までに要する時間の短縮が重要である.従来技術では,IT システムで発生し得る障害イベントの発生パターンとその原因事象をあらかじめメタルール化して定義し,それと発生した障害イベントを基に障害原因を自動的に解析するシステムが提案されている.しかし,従来技術では障害原因がクラスタ内の装置かどうかを切り分けられない場合がある.これは,クラスタ内の複数の装置で障害が発生している場合に,クラスタがシステム障害の原因となるのに対し,従来技術では,その障害発生装置の数をメタルールに定義できないからである.そこで本研究ではクラスタ構成を含むITシステムにおける障害の原因を特定する手法を提案した.本手法ではクラスタシステムにおける障害発生パターンを定義できるようにし,それによって障害原因をルールベースで特定する.また,想定するクラスタシステムに本手法を適用した場合の解析結果を検証し,本手法によってクラスタ内の装置がシステム障害の原因かどうかの切り分けができることを確認した.

5A-3 (時間: 11:05 - 11:30)
題名メールゲートウェイにおけるメール中継処理時の障害回避手法の検討
著者*土田 元, 木下 雅文, 小柳 衣津美 (日立製作所/横浜研究所), 小池 隆文 (日立製作所/通信ネットワーク事業部)
Pagepp. 1129 - 1136
Keywordメールシステム, メールゲートウェイ, 障害回避, メールデータ解析, ネットワークソフトウェア
Abstract携帯端末やPC等の端末から利用されるメールサービスでは24時間365日サービス無停止の高可用性が必要である.このなかで,メールサービスの中核を担うメールゲートウェイでは,不正なメールの中継時に障害が発生したとしても,サービスを停止させないことが課題であった.そこで,メールゲートウェイにおけるプロセス障害時に,障害発生プロセス以外でのサービスを継続する機能,障害が発生したプロセスを高速で復旧させる機能,障害復旧以降の不正メールの再送による障害を回避する機能を検討・開発した.今回開発した機能について評価を行い,メールゲートウェイの障害による影響範囲を限定し,サービス全体の停止時間を0にすることを確認した.またメールゲートウェイのプロセス再起動後に,障害を発生させた障害メールと同一のメールを連続的に受信した時の連鎖的な障害発生を回避することを達成した.

5A-4 (時間: 11:30 - 11:55)
題名災害時における建物包囲型アドホック通信ノード配置手法の提案
著者*松尾 真也 (奈良先端科学技術大学院大学), 木谷 友哉 (静岡大学), 柴田 直樹 (滋賀大学), 孫 為華, 伊藤 実 (奈良先端科学技術大学院大学)
Pagepp. 1137 - 1144
Keywordアドホックネットワーク, 自然災害, 組み合わせ最適化, 遺伝的アルゴリズム
Abstract本稿では,災害時における3 次元空間をカバーする無線ネットワークを素早く構築するシステムを提案し,その際に必要となるネットワークノードの数を最小化することを目標とした配置方法について述べる.被災地での救助活動の多くは人口密度の高い都市部で行われる.ビルが林立している都市部では,障害物による電波の減衰が激しく,通常の2 次元ノード配置法では多くのネットワークノードを必要とし,また災害時に室内に配置をすることは困難であることが考えられる.提案手法では,ノードの通信範囲を3 次元で考えることで,対象エリアをより効率よくカバーし,必要なノード数を最小化する.また,障害物による電波減衰を考慮することで,正確な通信 範囲を再現する.本稿では,組み合わせ最適化の一手法である遺伝的アルゴリズムを用いたネットワークノードの配置手法を提案する.シミュレーションの結果,配置するノード数が同じである場合,ランダム配置より広い範囲を被覆できる配置座標の組み合わせを得ることができた.

5A-5 (時間: 11:55 - 12:20)
題名電子トリアージシステムにおける深さ制限探索を用いた多数傷病者治療計画法の提案
著者*樫山 文香, 内山 彰 (大阪大学大学院情報科学研究科), 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科/独立行政法人科学技術振興機構, CREST)
Pagepp. 1145 - 1154
Keyword災害医療, 分岐付きジョブスケジューリング問題, NP困難, 治療計画問題, 深さ制限探索
Abstract無線センサネットワーク技術の発展に伴い,災害現場で傷病者の生体情報を収集することにより,救命活動を支援する取り組みが注目されている. リアルタイムに収集した生体情報を利用すれば将来の生存率が予測可能となり,精度の高い治療優先度決定が可能になると考えられる. そこで本研究では限られた医療資源を活用して救命人数を最大化するため,災害現場から病院での初期治療までを対象として各傷病者の治療方法ならびに治療・搬送順序を決定する治療計画法を提案する. 治療計画問題は分岐付きジョブスケジューリング問題でありNP困難なため,深さ制限探索を用いて近似的に救命人数を最大化する. 提案手法の性能を評価するため,予測死亡時刻順で処置順を決定する貪欲法との比較実験を行った結果,提案手法は救命人数が平均30%多い治療計画を実用的な時間で導出できることを確認した.