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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 4G  交通情報
日時: 2012年7月5日(木) 8:15 - 9:55
部屋: 黒百合の1
座長: 清原 良三 (神奈川工科大学)

4G-1 (時間: 8:15 - 8:40)
題名網羅的な交通密度データとプローブカーデータとの適合性判定によるOD交通量推定法
著者*大道 修, 廣森 聡仁, 梅津 高朗, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学 大学院情報科学研究科)
Pagepp. 1060 - 1068
Keywordプローブカーデータ, 旅行時間分布, 交通密度分布, OD交通量推定, 交通シミュレーション
Abstract近年,車両自体がセンサとなって,走行速度や位置情報をリアルタイムに収集するプローブカーシステムが注目を浴びている.しかし,現状では車両全体に占めるプローブカーの割合は数%程度に留まっており,これらプローブカーで観測されたデータのみからの交通量推定は容易ではない.本論文では,あらかじめ様々な交通状況を把握しておき,プローブカーにより観測されたデータに適合する交通状況を発見することにより,道路網におけるOD交通量を推定可能な手法を提案する.本手法では,様々な交通状況における旅行時間と交通密度の関係を示す網羅的なデータを,事前に求められるものとする.この網羅的なデータのうち,プローブカーの旅行時間に該当する交通状況を発見することで,交通密度の推定を行う.その際,道路を通過したプローブカーの数が多ければ,観測される旅行時間は多くなり,それらに該当する交通状況の候補を限られることから,交通密度を精度よく推定することができる.この指標を適合度とし,リンク交通量を推定するだけでなく,推定されたリンク交通量と適合度の組を制約とする最適化問題として,OD交通量推定問題を定式化した.提案手法に対する評価実験を行った結果,対象とする道路網に5%程度のプローブカーが配置されていれば,20%程度の誤差でリンク交通量を推定でき,また,適合度を考慮することにより,10%程度少ない誤差でOD 交通量を推定できることを示した.

4G-2 (時間: 8:40 - 9:05)
題名動的経路案内のための右左折を考慮した道路コストの利用法
著者*鈴木 理基, 徳田 大誠, 重野 寛 (慶應義塾大学大学院理工学研究科)
Pagepp. 1069 - 1076
Keyword経路案内, リンク・コスト, 交通流シミュレーション
Abstractエネルギー問題や交通渋滞の解決策として,ITSアプリケーションが期待されている.中でも,動的経路案内は車両間で混雑状況を示す指標である道路リンクのコストを共有することで,交通状況に合わせた経路を判断し,スムーズな交通流をもたらす.しかし,現行の方式では直進と右左折の違いによるコストの違いを考慮していないため,道路状況を正しく捉えることができない場合がある. 本稿では,動的経路案内のための右左折を考慮した道路コストの利用法を提案する.そして,交通流シミュレータとネットワーク・シミュレータを相互に入力を与えながら互い違いに実行する統合環境を用いて,提案手法の性能を評価する.より現実に近い環境において,実所要時間の観点から提案手法が有効であることを示す.

4G-3 (時間: 9:05 - 9:30)
題名PFLOWデータを用いた主動線抽出方式の比較評価
著者*淺原 彰規, 丸山 貴志子, 寺本 やえみ (日立製作所)
Pagepp. 1077 - 1084
Keyword動線解析, 位置情報, データマイニング
Abstract本研究は蓄積された位置情報から主動線を自動抽出する方式の研究である.ここで主動線とは位置情報の時系列を要約し,代表的な動きを抽出したものをさす.従来,動線形状の類似度にもとづく主動線抽出が知られているが,都市域の交通状況を把握するには交通網に合わせた分析が必要となる.そこで本研究では,動線を交通網に合わせて離散化してその遷移グラフから時空間ネットワークを構築し,経路探索を適用して主動線を抽出する方式を提案する.最後に,東京都市圏の人の流れのデータを用いた主動線抽出実験により,各主動線抽出方式がどの目的に適しているかを確認した.