題名 | マルチ伝送レート無線LAN環境におけるチャネル占有時間公平化のためのトークンバケットを用いた受信機会制御方式 |
著者 | *山下 豊, 阪田 史郎, 小室 信喜 (千葉大学大学院融合科学研究科), 塩田 茂雄 (千葉大学大学院工学研究科), 村瀬 勉 (NECシステムプラットフォーム研究所) |
Page | pp. 969 - 974 |
Keyword | 無線LAN, QoS |
Abstract | マルチ伝送レート無線LAN(Local Area Network)環境では,高伝送レート端末のスループットが低伝送レート端末のスループット以下 になるPerformance Anomaly問題が存在する.これは,低伝送レート端末が,チャネルを長く占有するために発生する.本論文では, マルチ伝送レート無線LAN環境におけるPerformance Anomaly問題解決のため,各端末のチャネル占有時間を公平にするToken Bucket Filter(TBF)を用いた受信機会制御を提案する. 提案方式では,トークン量を基に,アクセスポイント(AP)が低伝送レート端末へACKフレームを返さない制御を用いることにより,低伝送レート端末の送信機会を減らし,高伝送レート端末の送信機会を増加させることで, 異なる伝送レートの端末間のチャネル占有時間を公平化し,更に受信機会制御のための計算負荷を大幅に削減する.シミュレーション評価により,提案方式の有効性を示した. |
題名 | 無線メッシュ網における通信安定化のための転送リンク切替手法 |
著者 | *金岡 弘道 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部) |
Page | pp. 975 - 981 |
Keyword | 無線メッシュ網, 無線LAN, 通信品質, 経路制御, リンクメトリック |
Abstract | 近年,無線端末同士をメッシュ状に接続し,マルチホップ通信を行う無線メッシュ網の研究が活発に行われている.無線メッシュ網は,通信媒体として電波を使用するため,無線リンクの通信品質の変動が著しく,リンクが切断する場合もあり得る.そのため,通信品質をリンクメトリックとして数値化し,メトリックの合計値が最小となるよう経路制御を行うことで通信品質の変動に対応する動的メトリックが提案されている.しかし,無線リンクの通信品質の変動は非常に大きいため,比較的ゆるやかな変動への対応を意図したリンクメトリックのみでは十分に追従することができない.そこで本研究では,急激なリンクの通信品質の変動に対応するために,無線メッシュ網をマルチチャンネル化し,リンクの輻輳時に瞬時に転送リンクを切り替える手法を提案する.これにより,動的メトリックでは対応できない急激な通信品質の変化に対しても,安定した通信を継続することが可能になり,通信のスループットと安定性が大幅に向上した.提案手法の性能をシミュレーション実験によって評価した. |
題名 | 無線メッシュ網における中継点の繰り返し設定によるループ削減手法 |
著者 | *小林 雅典 (和歌山大学大学院システム工学研究科), 吉廣 卓哉 (和歌山大学システム工学部) |
Page | pp. 982 - 988 |
Keyword | 無線メッシュ網, 経路制御, 経路ループ, 無線通信, 中継点 |
Abstract | 本研究では無線メッシュネットワークにおける一時的な経路ループの削減手法を提案する。無線メッシュネットワークで用いられるプロアクティブ型経路制御方式では、宛先までのホップ数が最小となる経路を計算し通信経路として使用される。しかし、この方式ではリンク品質を考慮した経路選択ができない。そこでリンクの通信品質をメトリックとして数値化し、メトリックの和が最小になる経路を計算する方法が用いられる。メトリックにより常に品質の良いリンクを選択できるため、ネットワークのスループットが向上することが知られているが、メトリック変更情報の遅延により一時的に経路が一貫性を失い、経路ループを発生させる問題がある。本研究では、パケットに中継点を設定し中継点までのパケット転送を繰り返すことにより、経路ループを削減できることを示す。 |
題名 | 無線LANにおけるマルチレート多重QoS特性の実機計測 |
著者 | 尾居 愛子 (千葉大学), 山下 暁香, *岩木 紗恵子 (お茶の水女子大学), 村瀬 勉 (NEC), 塩田 茂雄 (千葉大学), 小口 正人 (お茶の水女子大学) |
Page | pp. 989 - 996 |
Keyword | QoS, LAN, インターネット, 無線LAN |
Abstract | 無線LANでは,マルチレートの伝送をサポートしており,距離に関係なく良好な通信を行うことが可能になっている.無線LANのDCFというアクセス方式では,CSMA/CAを用いているため,送信機会が均等になる.従って,理論上,伝送レートに関わらず,無線LANシステム内の全端末のスループットが均等であると,シミュレーション評価では仮定がなされる事が多い.しかし,実際には,遠距離通信では,ノイズの影響やキャプチャエフェクト,コリジョン,キャリアビジーなどの要因でスループットは均等にはならない.この事は従来研究の実機実験にて,1つの伝送レートの組み合わせで検証済みである.これに対し,本稿では,複数の伝送レートの組み合わせ,また,APまたは遠距離にある端末付近にノイズ源がある環境において,距離によるスループット低下とMACフレーム再送率の関係を明らかにした.更に,APに対して近距離と遠距離でそれぞれ1台ずつの端末が通信しているとき,双方の端末が一定以上の距離になると遠距離で通信している端末の方がスループットが高くなる現象を確認し,これは,端末同士が一定以上の距離を離れるとお互いのキャリアを検知できなくなることが原因であるという仮説を立てた. |