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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 4B  ネットワークシミュレーション
日時: 2012年7月5日(木) 8:15 - 9:55
部屋: 長流の2
座長: 野口 拓 (立命館大学)

4B-1 (時間: 8:15 - 8:40)
題名MANETエミュレータへのピア型SIP Client Applicationの実装方式
著者*等々力 宏之, 神子島 俊昭, 笠松 大佑, 高見 一正 (創価大学 大学院 工学研究科 情報システム工学専攻)
Pagepp. 906 - 913
KeywordMANET, エミュレータ, SIP, 通信品質, 映像通信
Abstract広域災害時などで通信ネットワーク基盤が被災して利用できない状況において,MANET(Mobile Ad hoc Network)の有用性が注目されている.携帯端末に組み込まれている使い慣れたSIPアプリケーションを緊急時には,MANETに自動的に切り替わり利用出来れば,利便性も向上する.しかし,MANETでのSIPサービスの十分な評価は行われていない.本稿では,MANETでのSIPサービス,特にSIPを用いた音声・映像通信を検証するためのMANETエミュレータアーキテクチャを提案する.具体的には,SIPプロトコルトランスペアレンシー制御,SIP及びAODVで規定されているメッセージとパケットの専用処理について検討した.提案したSIP_MANETエミュレータを試作し,音声・映像通信の動作確認と品質評価を行い,有効性を確認した.

4B-2 (時間: 8:40 - 9:05)
題名IEEE1588による高精度時刻同期を特徴とした分散型モバイルネットワークエミュレータの設計と実装
著者*堤 智昭 (東京農工大学工学府情報工学専攻), 大島 浩太, 寺田 松昭 (東京農工大学大学院工学研究院)
Pagepp. 914 - 920
Keyword時刻同期, 分散処理, モバイルネットワーク, アドホックネットワーク, 無線・移動体
Abstract本論文では高速移動体向け通信システムを対象として,端末の移動シナリオに基づき実時間で移動体端末の移動や端末間の無線通信を模擬し,試験システムの実装や,通信プロトコルに対する性能評価を行うための分散型エミュレータの実装について述べる.開発エミュレータは,IEEE1588PTPv2を用いた高精度時刻同期機構を導入することで,分散ノード間で同期された時刻に基づいたエミュレーション管理を行い,従来方式よりも長時間高精度なエミュレートを実現する.本システムは1次元の移動を対象とし,試験端末の移動模擬,通信遅延模擬,時刻に基づいた通信内容のログ取得機能を設計・実装した.最大200m/秒で移動模擬精度0.1m,パケット遅延模擬精度100μ秒,ログに基づくパケット発信時間差・経過時間計測の精度100μ秒を目標に開発を行い,プロトタイプシステムにて評価実験を行った.評価結果から,目標のエミュレーション精度を確保できていることを確認した.

4B-3 (時間: 9:05 - 9:30)
題名ユビキタスセンサネットワークにおけるRDFベースのサービス制御が可能なシミュレータの提案
著者*佐藤 信 (創価大学大学院工学研究科), 粟津 光一 (株式会社インテリジェントウェイブ), 勅使河原 可海 (創価大学工学部)
Pagepp. 921 - 928
Keywordセンサネットワーク空間, Resource Description Framework, 情報管理基盤, プライバシー保護, サービス制御
Abstractユビキタスセンサネットワークでは,空間内の多種多様なセンサやタグリーダが自動的に空間内の情報を収集し,適切な情報提供や高品質なサービス提供を実現させる.その中で,よりユーザの要求に則したサービスを提供するためには,取得情報の効率的利用が重要である.これに対し,本研究室では,空間やサービスの状態情報をRDFで表現し一元管理するプラットフォームの開発を進めている.また,柔軟なサービス提供を可能とするためにRDFグラフモデルを作成した.しかし,RDFグラフモデルを用いてサービスを提供するシステムが存在しない.本稿では,RDFベースのサービス制御可能なシミュレータを開発し,RDFグラフモデルの実現可能性や,サービスの実装手法について検討を行う.

4B-4 (時間: 9:30 - 9:55)
題名現実的な都市環境モデリングに基づく行動センシングシステムシミュレータHumanSの設計開発
著者*金谷 拓実, 廣森 聡仁, 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagepp. 929 - 940
Keyword都市環境モデリング, 行動モデリング, センサモデリング, GIS, システム評価
Abstract人の位置情報は様々なサービスへの応用が可能であることから,センサを通じて人の位置情報を計測する行動センシングシステムが注目を集めている.行動センシングにおいてはセンサの種類や配置,周辺の都市環境などに応じて行動把握精度や範囲が大きく変化するため,利用目的に応じて適切な設計を施すことが重要である.そこで,本論文では都市環境と歩行者モビリティ,センサの振る舞いの全てを包括的に再現することによって,行動センシングシステムの性能を評価し,その設計開発を支援するシミュレーション環境を構築した.また,地下街における歩行者流分析システムとオフィスビルにおける空調・照明の省エネ制御システムを対象とした評価実験では,このシミュレーション環境を利用することにより,センサの配置や特性,人の行動パターンがシステムに与える影響を明らかにし,人の位置情報を利用するアプリケーションの効率的な開発や運用を実現できることを示した.