題名 | フィールドデバイスのWeb-of-Thingsにおける統合管理に向けたデータ表現モデルに関する一考察 |
著者 | *土井 裕介, 佐藤 弓子, 寺本 圭一 (東芝研究開発センター) |
Page | pp. 730 - 736 |
Keyword | EXI, IoT, WoT, スキーマ, データモデル |
Abstract | さまざまなセンサデバイス・アクチュエータデバイスを含む組込機器と,現在のXML 中心の Web の世界とを接続するためには,組込機器側のハードウェア制約を乗り越えるための工夫が必要である.本稿では,データ表現モデルに着目し,共通のデータ表現モデルを,Web 側と組込機器側で異なる見方で捉えることで,組込機器側のデータモデルと Web 側のデータモデルとの間の関係を明確にする.具体例として,著者らが提案している XML-Less EXI の手法を用い,C 言語の構造体レベルのデータと XML との関係を定義する例について述べる.本稿で提案する枠組みにより,XML のような,データ自身に,メタデータによるセマンティクスを内包できるデータ構造と,C 言語の構造体のようなセマンティクスとコードが不可分な構造との間の橋渡しをする. |
題名 | 主観的コンテキストに基づく情報提示システム |
著者 | *寺田 努 (神戸大学) |
Page | pp. 737 - 743 |
Keyword | 状況認識, 主観 |
Abstract | 近年,GPSによる位置情報や装着型加速度センサから得られたユーザの状況(コンテキスト)をもとに,適応的なサービスを提供するコンテキストアウェアシステムが大量に提案されている.これらのシステムではセンサから得られた値をそのまま活用しているため,客観的には状況とサービスが一貫した対応関係にある.一方,人間はそれまでの行動等の外部要因によって,同じセンサ値からなる状況でも主観的には異なった状況であると感じることがある.本研究では,コンテキストアウェアなサービスは前者の客観的な一貫性をもつシステムよりも,後者の人間の感覚による主観的な状況に対して一貫したサービスを提供するシステムの方が優れていると考え,主観的コンテキストという概念を提案し,いくつかの実験およびシステムの実装を行った. |
題名 | 行動のタグ化に基づくユーザ行動状態推薦システム |
著者 | *福原 遼 (東京電機大学大学院未来科学研究科), Matthias Boehmer, Antonio Krueger (Das Deutsche Forschungszentrum fur Kunstliche Intelligenz), 戸辺 義人 (青山学院大学理工学部), 鉄谷 信二 (東京電機大学未来科学部) |
Page | pp. 744 - 747 |
Keyword | スマートフォン, 行動推定, タグ, 行動 |
Abstract | 近年,GPS受信機や加速度センサなどを搭載したスマートフォンが普及し,ユーザの位置情報などのコンテクスト情報を容易に取得できるようになった.スマートフォンに搭載されているセンサを用いたコンテクスト・アウェアネスシステムの場合,ユーザの状態推定を行う際は取得したデータを用いてユーザの行動推定を行う.しかし,スマートフォンに内蔵されているセンサでは,測定不能な行動や精度が問題となる.そこで,我々はユーザのコンテクスト情報をセンサを用いて測定するのではなく,ユーザ自身により発信されたコンテクスト情報を用いてユーザの行動推定を行うStatus++を提案する.Status++ではユーザの行動状態をそのユーザや他のユーザから収集した「コンテクストタグ」を用いて推定する.コンテクストタグとは,ユーザ自身がその時の行動状態をもっとも表している行動名(e.g. working, studying..)と定義する.本稿ではstatus++のプロトタイプとユーザの行動状態推定のためのアルゴリズムについて述べる. |
題名 | ウェアラブルセンサの加速度データによるセンサ間の時刻同期手法 |
著者 | *田中 翔太, 中村 優斗, 服部 祐一 (九州工業大学大学院工学府 先端機能システム工学専攻), 井上 創造 (九州工業大学大学院工学研究院 基礎科学研究系) |
Page | pp. 748 - 754 |
Keyword | 時刻同期, 3軸加速度センサ, ウェアラブルセンサ |
Abstract | 本稿では,複数のウェアラブルセンサより計測された,時刻情報が異なるデータを,計測されたデータのみを使用し,時刻を同期させる手法について述べる. 提案する手法は以下の通りである.1.データの前処理および,強度の算出を行った.前処理では,軸毎に時間窓を考えて移動平均の微分をとり,強度の算出では,各軸の2乗平均を算出し,軸間で平均をとった. 2.2つのセンサの時刻をずらしながらその相関が最大となる点を同期予測値とした. 3.複数のセンサの対に対して計算された同期予測値を,グラフの構造に基づいて同期した. 結果として,算出結果にばらつきが見られたが,提案手法での時刻同期の可能性を見出す事ができ,さらなる改善が必要である事がわかった. |
題名 | センシングモバイルとマイニングクラウドのための適応的データ同期機構 |
著者 | *米田 圭佑 (立命館大学大学院情報理工学研究科), 里中 裕輔 (立命館大学大学院理工学研究科), 西尾 信彦 (立命館大学情報理工学部) |
Page | pp. 755 - 763 |
Keyword | モバイルセンシング, ライフログ, フレームワーク |
Abstract | 近年,多様なセンサデバイスを搭載したスマートフォンが普及し,個人の行動をデジタルデータとして記録したライフログを取得できる環境が整ってきた.ライフログを用いた研究やサービスの多くは,携帯端末で取得したライフログをサーバで処理することで成立するため,ライフログをアップロードする必要がある.しかし,携帯端末の状況を考慮せずにアップロードをすると,資源制約の多い携帯端末において,激しいバッテリー消費やストレージ領域の圧迫などの問題が発生する.さらに,ライフログの所在が携帯端末とサーバにまたがるため,ライフログの参照処理が煩雑になる.そこで本研究では,これらの課題に対して適応的なデータ同期機構を提案する.アップロードによる影響を予測し,携帯端末の状況を考慮したアップロード制御を可能にした.また,参照透過性を持つデータ参照APIを提供することにより,所在に関係なくライフログの参照を可能にした.アップロードに関する影響の予測値と実際値を比較した結果,バッテリー消費量とアップロード所要時間の双方において,予測に対して実測値は1割程度の誤差に納まり,提供した予測がアップロード制御の指標になることを確認した.さらに,携帯端末側の機構にデータ参照APIを実装し,アプリケーションからライフログの所在を意識せずに利用できることを確認した. |