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マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2012)シンポジウム

セッション 3A  統一テーマセッション-シミュレーションと評価-
日時: 2012年7月4日(水) 17:20 - 19:30
部屋: 雷鳥の3
座長: 安本 慶一 (NAIST)

3A-1 (時間: 17:20 - 17:50)
題名(招待講演) ネットワークシステムシミュレータの今後
著者*高井 峰生 (Space-Time Engineering, LLC/大阪大学大学院情報科学研究科)
Pagep. 580

3A-2 (時間: 17:50 - 18:15)
題名車両密度の違いを利用するVANET向けプロトコルのための現実的な道路網情報を用いた評価方法
著者*中村 暢宏 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学創造科学技術大学院)
Pagepp. 581 - 589
KeywordVANET, 交通流シミュレーション, SUMO
Abstract車々間で一時的に構築する車々間アドホックネットワークにおいて車両密度を考慮し動作する通信手法やプロトコルが提案されている.車々間通信の研究では通常,プロトコルの性能評価の際に交通流シミュレーションとネットワークシミュレーションを組み合わせたシミュレーションが行われる.車両密度を考慮し動作するプロトコルの場合,性能評価のためには特定の道路網において車両密度に偏りのある状況を想定したシミュレーションが必要である.そのようなシミュレーションを行うためには,交通流シミュレーションにより車両密度に偏りのある状況での車両の移動ログデータを取得する必要がある.本稿では車々間通信の研究において利用実績がありさらにオープンソースであるという点から交通流シミュレータSUMOを導入し,大都市中心部の車両密度のばらつきを含む車両移動ログデータを実際の道路地図情報を用いて作成した.また,交通流シミュレーションの入力パラメータである車両流入量と交差点分岐率を車線数や道路間の接続状態などの道路構造を基に設定するツールを設計・実装し,簡易な入力で車両密度にばらつきのある交通流を模擬できることを示した.

3A-3 (時間: 18:15 - 18:40)
題名実環境における無線通信効率の変動調査を基にした無線センサネットワーク方式の検討
著者*大島 浩太 (東京農工大学大学院 工学研究院), 原 宏 (東京農工大学 農学部), 寺田 松昭 (東京農工大学大学院 工学研究院)
Pagepp. 590 - 596
Keyword無線センサネットワーク, 環境モニタリング, 通信効率, 実環境調査
Abstract無線センサネットワークを用いた環境モニタリングが、低い運用コスト、設置エリアの詳細な面的情報の取得などの利点から注目されている。しかし、屋外に2.4GHzの無線周波数帯を利用する機器を設置・運用した際に、環境要因により無線通信効率が変動することが確認されている。2.4Ghzの無線電波は空気中の水蒸気量や雨滴の影響を直接受けにくい周波数帯であるが、実環境での計測調査から1日の通信効率の変動幅の大きさや、長期的な変動傾向などが得られた。本論文では、無線通信効率の変動に着目した、自然環境の様々な変化への柔軟な対応を目指した無線センサネットワークについて、実測結果から得られた現象と環境モニタリングにおけるデータ欠落の抑制という用件を考慮した通信制御について述べる。無線通信の不安定時期にはセンサノードに計測データを蓄積しておく必要がある点に着目し、蓄積データ量と通信効率変動を考慮した通信制御として、どのような方式が妥当かについて検討した。

3A-4 (時間: 18:40 - 19:05)
題名複数の移動ノードを使った省スペース無線センサネットワークテストベッドの構築
著者*前川 寛 (静岡大学大学院工学研究科システム工学専攻), 石原 進 (静岡大学創造技術大学院)
Pagepp. 597 - 604
Keyword実環境評価, アドホックネットワーク, センサネットワーク, 移動体ネットワーク, 遠隔制御
Abstract無線センサネットワークの評価では,シミュレーションを行うことが一般的である.しかしながら,シミュレーション評価と実環境評価で発見される問題点は異なる場合がある.これは,シミュレーション評価では,評価対象のシステムや条件をモデル化して評価するためである.そのため,外乱などの実環境における問題点を発見するために実験を行うことが大切となる.しかしながら,システムの想定する環境を実環境で再現するためには,大量のデバイスの入手や実験場所の確保などの多大な労力が必要となる.特に,移動ノードを使用する無線センサネットワークのシステムを実環境で評価するためには,広大な場所の確保や移動体の制御が必要になることが考えられる.そこで,筆者らは複数の移動ノードを使用した無線センサネットワークのシステムを省スペースかつ安価に実環境で評価するためのテストベッドを構築した.本稿では,テストベッドの構築と基礎実験,その結果について述べる.テストベッドは,制御用のPCと移動ノードから構築されている.移動ノードは,移動制御部と評価対象部に分かれており,移動制御部は移動の制御を,評価対象部は評価対象となるシステムを実装する.移動ノードの制御にはArduinoFioと呼ばれるマイコンを使用し,無線通信にはIEEE802.15.4の無線通信モジュールXBeeを使用した.基礎実験として,移動ノードの移動精度の測定実験とXBeeの通信範囲の測定実験を行った.実験の結果,移動ノードが20mを5往復した後の基準点からのずれは6m程度,XBeeの通信範囲は8m程度にできることを確認できた.

3A-5 (時間: 19:05 - 19:30)
題名大規模無線ネットワークシミュレーションのためのアブストラクト干渉モデルの一考察
著者*金田 茂 (スペースタイムエンジニアリング/大阪大学), 前野 誉 (スペースタイムエンジニアリング), 高井 峰生 (カリフォルニア大学ロサンゼルス校), 山口 弘純, 東野 輝夫 (大阪大学)
Pagepp. 605 - 611
Keyword電波伝搬, シミュレーション, エミュレーション, 無線ネットワーク
Abstract無線ネットワークのシミュレーションは一つのフレームの送信が周辺の全てのノードでの受信処理につながるため計算量が膨大であり,大規模なシミュレーションを効率的に行うためにシステムや物理現象を適切にモデル化する必要がある. 本稿では,大規模な無線ネットワークのシミュレーションを想定し,パスロスおよびフェージングのアブストラクトモデルを考案し,シミュレーションを高速化する手法について検討を行った結果を述べる.提案する手法をシミュレータに実装し,性能評価を行った結果,シミュレーション結果への影響を最小限に抑えた上で,最大60%のシミュレーション実行時間の短縮が可能であることを確認 した.